2013-09-06 | |
テーマ:その他 |
京のユニークな地名 その1
今回ご紹介するのは・・・
京のユニークな地名です。
京都には数多くの、一味変わった地名や町名が存在します
漢字を見ただけでは、読み方が分からない~(汗)
なんて戸惑った経験がある人もいらっしゃるのではないでしょうか?
と、いう事で今回は
そんな京のユニークな地名を
いくつかご紹介したいと思います
・化野(あだしの)
京都市右京区の嵯峨に残る地名で
ちょっぴり怖くて、悲しい由来を持っているんですよ
というのも、この地は古くから埋葬地であったと言われ
化野には、多くの死体が運び込まれていたんですね。
しかも、現在のように火葬するというものではなく
なんと・・野ざらしにしていました。
つまり遺体を放置し、風化させる風葬(ふうそう)を行っていたのです。
この事から
はかない・空しい・変わりやすいという意味の『あだし(化)』が地名に取り入れられ、化野と呼ばれたんですね。
この化野に建つ『化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)』には
約8000体もの石仏が祀られていて
毎年8月23日・24日には、灯明を上げて無縁仏の供養しているんですよ。
※詳しくは化野念仏寺の記事をご覧下さい。
・天使突抜(てんしつきぬけ)
なんだかファンタジー小説に出てきそうな地名だと思いませんか?
地名に『天使』だなんて・・・素敵ですよね~。
これは京都市下京区に残る地名の1つです。
さて、この天使とは何を指すのか!?と言いますと・・・
こちらの五條天神宮(ごじょうてんじんぐう)の事なんですね。
創建当初、この神社は『天使の宮』という名前だったそうで
住民からは『お天使様』なんて呼ばれていたそうです。
では、どうして突抜(つきぬけ)なのか?と言うと
『天使の宮』の境内に道を1本通しちゃったからなんですね
これをしたのが・・・天下人、豊臣秀吉です!!
当時、彼は京の町に御土居(おどい・京を囲む土塁)を作ったりと
大胆な区画整理を行っていました。
その中で、京の賑わいを下京にまで流す目的で
南北に道を一本通す事にしたんですが
・・・ちょうどその場所に建っていたのが天使の宮(五條天神宮)だったのです(汗)
ま、そんな事は秀吉にとっては何も問題ではなく
おかまいなしに、どーーーん!と境内の真ん中に道を通しちゃったんです。
こうした経緯があり
秀吉の横暴に我慢した京都の人が、ちょとした皮肉を込め『天使突抜通り(てんしつきぬけとおり)』と呼んだそうです。
この他、『天使突抜』という町名も残っているんですよ。
※詳しくは五條天神宮の記事をご覧下さい。
・先斗町(ぽんとちょう)
『先』と書いて・・ぽん!ですから、初見で読める人は
いないのではないでしょうか?
この先斗町は、舞妓さんなどで賑わう花街の1つで
祇園からも程近い
鴨川のすぐ西側を通る細い路地の呼び名です
この先斗町という呼び名はどこからきたのか?
・・・と言いますと
語源はポルトガル語なんですね~!
まさかのまさかです(汗)
ポルトガル語の『ポント』から先斗町と呼ばれるようになりましたが
この『ポント』にはいくつかの説があります。
一番有力ものが・・
ポントは『先端(ponto)』を意味しているという説です
安土桃山時代、この場所は鴨川に作られた中洲だったようで
この地に、多くのポルトガル人が住んでいたそうです
そして、彼らの家が全て中州の先端(端っこ)に建っていた事から
pontoと呼ばれるようになったと言われています。
ちなみに、この他の説としては
『橋(ponte)』から付けられたのでは?といったものもあります。
ちょうどこの先斗町は
三条大橋と四条大橋の間に位置しているからなんですね
そんな先斗町には
臼大明神(うすだいみょうじん)と呼ばれる祠があります
これは石臼を祠にして祀った、一風変わった祠で
狸が寝床にしていたという伝承から
祠には穴が取り付けられ、通常は栓がしてありますが
夜には狸がいつでも帰って来れるように
現在でも毎晩、栓が外されているそうですよ~。
・鶏冠井(かいで)
京都府向日市(むこうし・京都市の南西に位置する市)にある
地名の1つです。
鶏冠井・・かいで?絶対に読めません(汗)
この名前の由来となったのは
継体天皇(けいたいてんのう・第26代天皇)の時代(507~531年頃)に
この地に井戸、もしくは名水が流れていたとされ
かたわらに『老い楓(おいかえで)』が立っていていました
その楓の姿が、鶏冠(とさか)に似ていた事から
『カエデ』『鶏冠』『井』がミックスされて現在の地名になったと言われています。
※この他の諸説として、平安時代後期に徳大寺家(とくだいじけ・公家)の別荘に楓が植えられていて、その近くに泉があった事から、その名が付いたとも言われています。
ちなみに、この鶏冠井には
『鶏冠井シャナンボウ』と呼ばれる文化が語り継がれていて
5月には、鶏冠井町内を2基の子供神輿が巡行しています。
※このシャナンボウとは、源義経(みなもとのよしつね)の幼名『遮那王(しゃなおう)』から取られているもので、彼のように元気で活発な子供に育って欲しいという願いを込めて付けられたそうです。
これは向日市の無形民俗文化財にも
指定されているもので、近年復活したそうですよ
※鶏冠井シャナンボウについては鶏冠井シャナンボウ 2013(鶏冠井町)の記事をご覧下さい。
という事で、今回は
京のユニークな地名をご紹介させていただきました!
場所はコチラ↓
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