メモ2014-08-29
テーマ:お寺

西光寺

今回ご紹介するのは

1872年(明治5年)に

槇村正直(まきむらまさなお・京都府2代目知事)が拓いた

新京極の中にあるお寺


西光寺の中門

西光寺の中門

西光寺(さいこうじ)です!


西光寺は通称『寅薬師(とらやくし)』と

呼ばれているんですよ~。


西光寺 寅薬師

なぜ寅薬師と呼ばれているかについては

後ほどご説明させていただきますね


さて、こちらの西光寺は

浄土宗西山深草山に属するお寺で

山号を北亀山というそうです。


西光寺と書かれた提灯

詳しい創建の年はわかっていないそうなんですけれど

およそ700年程前だと思われます。

ですから時代で言えば

鎌倉時代という事になりますよね~


その後、お寺は

1788年(天明8年)の天明の大火や

1864年(元治元年)の禁門の変(蛤御門の変)

また1911年(明治44年)の火災で

焼失と再建を繰り返したと言われています。


現在の建物は

1913年(大正2年)に再建された

仮建築のものなんだそうです


では早速、中に入っていきましょう!


まず山門を抜けると中門があり

中門の先に本堂がありましたよ。


本堂

こちらの本堂の中には

ご本尊である阿弥陀如来が安置されています。


阿弥陀如来は運慶(うんけい)の弟子

安阿弥(あんあみ)の作と

伝えられているそうです。


そんなご本尊の阿弥陀如来像、右側には

寅薬師と呼ばれる寅薬師如来像が

安置されているんですね


西光寺の通称名が

寅薬師と呼ばれる理由は

この寅薬師如来像にあります!


なんでも寅薬師如来像は

弘法大師(こうぼうたいし)空海(くうかい)の作と

伝えられているそうで

空海は仏像を彫るたびに

3回礼拝して彫ったと言われているんですよ


そして、そんな仏像が完成したのが

十二支で言うところの寅の日

寅の刻であった事から

『寅薬師』と呼ばれるというワケなんですね~

※寅の日とは、12日ごとに巡ってくる日の事です。寅の刻とは、午前3~5時頃の事を指すんですよ。


ちなみにこちらの寅薬師如来像は

開運繁栄、無病息災などのご利益があると

言われています。


寅薬師如来像は当初

宮中に御倉堂(みくらどう)を建てて

その中に安置されていたそうです。

宮中では歴代の天皇の信仰を集めたそうですよ


その後、1280年(弘安3年)に

後宇多天皇(ごうだてんのう・第91代天皇)が

誓願寺第12世である傳慶法印に

下賜(かし)されたと言われています。

※下賜とは、身分の高い人が身分の低い人に物を与える事を言います。


ちなみに寅薬師如来像は

京都十二薬師霊場の第11番目に

数えられているんですね~


十二薬師霊場会のぼり

十二薬師霊場会とは

平安時代から続く京の町の風習で

信仰を集めた12ヶ所の霊場を

薬師如来に無病息災・病気平癒などを

祈願して順番に巡るというものです


約80年もの間

途絶えてしまっていたそうなんですけれど

2012年(平成24年)の5月12日に

復興したようですよ。


京都十二薬師霊場は以下の通りです。


第1番 平等寺(びょうどうじ)・因幡薬師

第2番 東寺(とうじ)・金剛薬師

第3番 水薬師寺(みずやくしじ)・水薬師

第4番 壬生寺(みぶでら)・歯薬師

第5番 地福寺(ちふくじ)・日限薬師

第6番 福勝寺(ふくしょうじ)・峰薬師

第7番 雙林寺(そうりんじ)・東山薬師

第8番 大超寺(だいちょうじ)・鍬形薬師

第9番 薬師院(やくしいん)・不来乎薬師

第10番 大福寺(だいふくじ)・菩提薬師

第11番 西光寺(さいこうじ)・寅薬師

第12番 永福寺(えいふくじ)・蛸薬師


となっています。


さて、そんな西光寺には

あるお地蔵さんも安置されています


そのお地蔵さんとは

腹帯地蔵(はらおびじぞう)です!


腹帯地蔵尊と書かれた提灯

この腹帯地蔵は

もともとは西光寺の南隣の

清帯寺(せいたじ)というお寺に

あったそうです


しかし度重なる大火によって廃寺となり

腹帯地蔵は西光寺へと移されることになりました。


腹帯地蔵は行基(ぎょうき・奈良時代の僧)の作と

伝えられていて

安産や子宝授かりのご利益があるそうで

西光寺は腹帯も授与されているみたいです


そんな腹帯地蔵は

江戸時代中頃

洛陽四十八願所地蔵巡りの第10番に

数えられていたと言われています。

※洛陽四十八願所地蔵巡りとは、六地蔵以外で48ヶ寺の地蔵を順番に回って拝むというものです。


洛陽四十八願所地蔵尊は以下の通りです


第1番 壬生寺(みぶでら)・縄目地蔵

第2番 光林寺(こうりんじ)・水那上地蔵

第3番 雀寺(きょうしゃくじ)・雀森地蔵(桶取地蔵)

第4番 悟真寺(ごしんじ)・養老地蔵

第5番 休務寺(きゅうむじ)・萬人講地蔵

第6番 成圓寺(じょうえんじ)・延命地蔵

第7番 昌福寺(しょうふくじ)・幸福地蔵

第8番 勝厳寺(しょうがんいん)・見返地蔵

第9番 祐正寺(ゆうしょうじ)・妻取地蔵

第10番 報土寺(ほうどじ)・腹帯地蔵

第11番 超円寺(ちょうえんじ)・跡追地蔵

第12番 地蔵院(じぞういん)・昆陽野地蔵(鍬形地蔵)

第13番 清和院(せいわいん)・玉体等身地蔵

第14番 浄福寺(じょうふくじ)・浄土引接地蔵

第15番 智恵光院(ちえこういん)・六臂地蔵

第16番 石像寺(しゃくぞうじ)・釘抜地蔵

第17番 上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)・天神同体地蔵

第18番 地蔵院(じぞういん)逆川地蔵(歯形地蔵

第19番 西林寺(さいりんじ)・木槿地蔵

第20番 西園寺(さいおんじ)・土止地蔵(槌留地蔵)

第21番 佛陀寺(ぶっだじ)・王城地祭地蔵

第22番 了蓮寺(りょうれんじ)・水落地蔵

第23番 真如堂南地蔵堂(しんにょどうみなみじぞうどう)・鎌倉地蔵

第24番 尊勝院(そんしょういん)・米野地蔵(米地蔵)

第25番 西方寺(さいほうじ)・衣通姫地蔵

第26番 三福寺(さんぷくじ)・夢見地蔵

第27番 檀王法林寺(だんのうほうりんじ)・袖取地蔵

第28番 矢田寺(やたでら)・那落化現地蔵(代受苦地蔵)

第29番 誓願寺(せいがんじ)・西院川原地蔵

第30番 光明寺(こうみょうじ)・常盤華地蔵

第31番 妙心寺(みょうしんじ)・醒井地蔵

第32番 常楽寺(じょうらくじ)・弟児地蔵

第33番 蛸薬師堂(たこやくしどう)・鯉地蔵

第34番 西光寺(さいこうじ)・腹帯地蔵

第35番 善長寺(ぜんちょうじ)・枕返地蔵(立江地蔵)

第36番 染殿院(そめどのいん)・染殿地蔵

第37番 仲源寺(ちゅうげんじ)・目疾地蔵

第38番 六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)・鬘掛地蔵

第39番 法観寺(ほうかんじ)・夢見地蔵

第40番 正法寺(しょうほうじ)・身代地蔵

第41番 清水寺(きよみずでら)・勝軍地蔵

第42番 退耕庵(たいこうあん)・玉章地蔵

第43番 専定寺(せんじょうじ)・獅子地蔵

第44番 福田寺(ふくでんじ)・乳房地蔵

第45番 蓮光寺(れんこうじ)・駒止地蔵

第46番 極楽寺(ごくらくじ)・手引地蔵(安産地蔵)

第47番 新善光寺(しんぜんこうじ)・来迎地蔵

第48番 本覚寺(ほんがくじ)・泥付地蔵


ちなみに西光寺は近年

寅年生まれの人の参拝も多く

寅年生まれの守護仏として信仰されているようですよ。


境内では可愛らしい寅の置物が売られているので

ご利益目的でなくても

十二支の置物を揃えている方は

訪れてみてはいかがでしょうか

※腹帯は予約が必要みたいですから事前にお問合せくださいね。


そんな西光寺の場所はコチラ↓


大きな地図で見る


イベントカレンダー

祇園祭のイベント一覧

京都検定過去問

萩の名所巡り

京の茅の輪巡り

半夏生の名所巡り

一初の名所巡り

山吹の名所巡り

椿の名所巡り

桜の名所巡り

梅の名所巡り

雑談掲示板 新着