2014-11-07 | |
テーマ:お寺 |
檀王法林寺
今回ご紹介するのは
京都市左京区にある
檀王法林寺(だんのうほうりんじ)です!
檀王法林寺は浄土宗のお寺で
正式には無上法林寺(むじょうほうりんじ)と言うんですよ
ちなみに山号は朝陽山(ちょうようざん)と言い
院号は栴檀王院(せんだんおういん)です。
お寺のはじまりは
左京区の聖護院蓮華蔵町(しょうごいんれんげぞうちょう)にあった
蓮華蔵寺(れんげぞうじ・蓮華蔵院とも)という天台宗のお寺を
1272年(文久9年)に道光(どうこう:望西楼了恵(ぼうせいろうりょうえ))が
浄土宗に改め、悟真寺(ごしんじ)と称したことに
よるんだそうです
けれど1467年から始まる
応仁の乱(おうにんのらん)や
鴨川の氾濫によって衰え
永禄年間(1558年~1570年)に
廃絶となってしまうんですね。
その後、1611年(慶長16年)に
袋中(たいちゅう・僧)がこの地で再興し
現在の名前である
無上法林寺としたんだそうです。
袋中については
後ほど詳しくご説明しますね。
それでは早速、中に入っていきましょう
こちらの山門は
1888年(明治21)に建立された
三条通に面している南門で
『三条門』と言います。
ちなみに川端通りに面している西門を
『川端門』といいまして
こちらは1766年(明和3年)
有栖川音仁親王(ありすがわのみやよりひとしんのう)の 寄進によるものなんだそうですよ。
通称、赤門や開運門とも呼ばれていて
京都市指定有形文化財に指定されています
三条門を抜けると
目の前には二層楼門である
望西楼(ぼうせいろう)がありました。
望西楼には
四天王である持国天(じこくてん)
増長天(ぞうじょうてん、またはぞうちょうてん)
広目天(こうもくてん)
多聞天(たもんてん・別名:毘沙門天)が
安置されているんですよ
※四天王は、仏教における4人の守護神の事で、それぞれ東西南北の方位を守護しています。
そしてさらに進むと
本堂があります。
本堂には、ご本尊である
阿弥陀如来立像が安置されていて
こちらは恵心僧都(えしんそうず)源信(げんしん)の作と
伝わっているんですね~
また、主夜神尊(しゅやじんそん)という
神様もお祀りされています。
主夜神尊は、もともとの名前を
婆珊婆演底主夜神(ばさんばえんていしゅやじん)といって
『主夜』が『守夜』と転じて
夜を守る神様と崇められたそうです
そして夜を守るという事から
盗難や火災を防いでくれると
いわれているんですね~。
本堂右横の庫裏です。
1603年(慶長8年)3月15日
袋中が別行(べつぎょう・特別に行う仏事や修行)で
念仏を唱えていた際
なんと、光明の中から
赤い服に青い袍(ほう)を着た
主夜神尊が現れたんだそうです
主夜神尊は
「私は華厳経に説かれる婆珊婆演底主夜神です。専修念仏の行者を擁護しなさい。」
と言うと袋中に
護符を授けたと言われているんですね。
※専修念仏とは、ひたすら念仏だけを唱える事を言います。
ちなみに毎年12月の第1土曜日には
主夜神法要が行われ
秘仏である主夜神像がご開帳となります。
※主夜神法要は、1998年に約50年ぶりに復活したんだそうです。
そしてこちらは
『右手招き猫』です
招き猫としてはかなり珍しく
右手をあげていて
黒色をしているんですね~
一説には檀王法林寺の招き猫は
寺社関連の招き猫として
最古のものとされているそうですよ!
猫は古くから
主夜神のお使いであると
信じられていたそうで
江戸時代の中頃には
主夜神尊の銘を刻んだ招福猫が
作られていたと伝わっています
こちらは観音堂になります。
十一面観音立像を安置していて
平安時代後期の作なんだそうです。
さて、ここで
袋中について簡単ではありますけれど
ご紹介したいと思います
袋中は、1552年(天文21年)に
磐城国(いわきのくに・現在の福島県いわき市)に生まれ
その後、明に渡るために琉球王国に行きました。
袋中は、渡明を果たすことは出来ませんでしたが
琉球の地で渡明の船を探す傍ら
浄土宗の布教に努めたと言われています。
本堂前にある『袋中上人御親筆大名号碑』です。袋中が4m以上の料紙に書いたものを実物大に刻印したものです。
ちなみに当時の琉球国王である
尚寧王(しょうねいおう)は
袋中のために桂林寺を建立し
深く帰依したんだそうですよ。
その事がわかるものとして
檀王法林寺には
尚寧王の親筆である
『袋中上人図像』が残されているんです
また、浄土宗の教えである
「ただ念ずることによって救われる」というものは
広く琉球の一般民衆にまで影響を及ぼしたそうで
沖縄に古くから伝わっている
伝統芸能エイサー踊りにも
念仏踊りの影響がみられるんだそうです。
沖縄では、袋中の事を
エイサーの祖と考えている人も多いみたいなんですね。
そんな事から今でも沖縄の方が
京都を訪れた際には
檀王法林寺に
お参りに来られる事も多いとか
また境内には保育園があり
日本で最初に夜間保育を始めた事でも
知られています。
この辺りは歓楽街が近いこともあり
多くの子供が預けられているそうです。
ちなみに『どげざ前』などとして
京都でも有名な待ち合わせスポットにもなっている
高山彦九郎先生皇居望拝之趾(たかやまひこくろうせんせいこうきょぼうはいのあと)
が直ぐ近くにあるんですよ
そんな檀王法林寺の場所はコチラ↓
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