2013-12-17 | |
テーマ:その他 |
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京ゆかりの言葉 その12
今回ご紹介するのは・・・
古都・京都ゆかりの言葉です
今でも使われる『言葉』の語源には
1200年の歴史を持つ京都ゆかりのものが
多数、存在しています。
今回は、そんな『京ゆかりの言葉』を
いくつかご紹介させていただきます。
・おべんちゃら
口先だけで機嫌をとろうとする言葉を「おべんちゃら」なんて言いますけど
この言葉はもともと・・・
祗園で使われていたそうです!
この、おべんちゃらは
『お』+『べん』+『ちゃら』から構成されていて
『お』とは、ものの始めに「お」をつける宮中言葉が起源となっています
※宮中言葉とは、その名の通り『宮中で使用されていた言葉』で、室町時代後期より、天皇の側に仕える女官によって使われ始めた言葉です。
こちらの辰巳神社は『祇園』の象徴として、TVドラマやCMなどにも登場している有名な神社なんですよ。
『べん(弁)』とは、ものの話しぶりや言い方を差す言葉です。
『ちゃら』は、江戸時代頃から使われている
でたらめで信用にあまり値しない言葉(嘘)という意味だそうです。
これを全て足して『おべんちゃら』という言葉が
明治頃に生まれたそうですよ~
・おなら
え!?あの・・おならが!?と思われる方もいるかもしれません。
これも室町時代初期頃から宮中で使われていた言葉(宮中言葉)だそうで
『鳴らし(鳴らす)』の頭に『お』が付けられたものが『おなら』の起源だと言われているんですね。
ここからは想像ですが、宮中の女性が思わず「おなら」をしちゃって
音が出てしまったのを誤魔化すために
「まぁ、私ったら、『お鳴らし』をしてしまいましたわ・・オホホ」なんて感じで
言っていたのではないでしょうか?
この『お鳴らし』が時代と共に変化し、『おなら』になったと言われています。
なんともお上品な言葉だったんですね~
ちなみに女官とは
宮中で仕える女性に対して使われる言葉です
歌人として有名な清少納言(せいしょうなごん)や
紫式部も女官の1人なんですよっ
※写真は、平安装束を身にまとい時代祭の行列に参加する清少納言です。
・図に乗る(ずにのる)
調子に乗る事を『図に乗る』なんていいますよね
この図って・・・絵の事じゃないんですよ!!
じゃぁ、何かと言うと、音楽の『調』の事なのです
もちろん音楽といっても、現代的な音楽ではなく・・・
声明(しょうみょう)と呼ばれる声楽の事なんですね。
声明は天台宗の僧・円仁(えんにん・平安時代中期)よって
日本に持ち込まれたもので
お経に節やリズムをつけた声楽(仏教音楽)の事を指します
こちらは大原・三千院エリア(京都市北東部)にある、声明が有名なお寺『実光院(じっこういん)』です。詳しくは、実光院 その1、実光院 その2の記事をご覧下さい。
この声明の中で
途中で転調し、調が変わる(曲の雰囲気が変わる)部分を
スムーズに上手くこなせた事を『図に乗る』と表現したんですね
これがいつしか、成功して調子に乗っている様を
『図に乗る』と言うようになったそうですよ~!
・得体(えたい)
「得体の知れない生き物がーーー!!」なんて
正体不明の者に対して『得体の知れない○○』と表現をしますけど
この「得体」ってそもそも何なのかご存知ですか?
諸説あるのですが、その1つとして
お坊さんが着ていた『衣体(えたい)』が転化したものではないか?
と考えられているんですね。
※衣体は、袈裟(けさ)や法衣(ほうえ)とも言います。
平安時代頃より、僧侶の身分や宗派なんかを
着ている衣体(袈裟)で色分けして分かりやすくしたと言われています
江戸時代初期、朝廷と幕府が対立した『紫衣事件(しえじけん)』は、お坊さんの着る衣体にまつわる事件です。朝廷が幕府に内緒で、紫衣(紫の衣体=高僧が着る衣体)を着る許可をお坊さんに与えていたんですね。詳しくは麟祥院(りんしょういん)の記事をご覧下さい。
つまり・・・
『衣体の分からないお坊さん』=『偉いのか偉くないのか正体が分からない』
といったような意味から『得体の知れない○○』という言葉が
生まれたのではないかと言われているそうですよ!
という事で今回は、京ゆかりの言葉をご紹介させていただきました
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