今回ご紹介するのは

京都市上京区にある

超圓寺

超圓寺(ちょうえんじ)です!


こちらの超圓寺には

大変珍しいお地蔵さんが

安置されているんですよ♪


その名も跡追地蔵(あとおいじぞう)です


もう名前だけで

興味を惹きますよね~


跡追地蔵については

また後ほどご紹介するとしまして

早速、中に入っていきましょう。


浄土宗 超圓寺

山門をくぐって

まっすぐ歩いて行くと

目の前に本堂があります。

本堂

江戸時代に書かれた

『拾遺名所図会(しゅういめいしょずえ)』によると

超圓寺は浄土宗のお寺で

百万遍知恩院に属していると書かれています。

※拾遺都名所図会とは、江戸時代後期に発行された京都名所案内ガイド本です。


そしてこちらの本堂には

ご本尊である阿弥陀仏が安置されているようですよ


慈母観音像

こちらは本堂前にある慈母観音像です。


さて、冒頭でお話したお地蔵さんは


地蔵堂

本堂前にある地蔵堂に安置されているんですね。

こちらが跡追地蔵です


このお地蔵さんは

先ほどご紹介した拾遺都名所図会には

もともとは江州(ごうしゅう・現在の滋賀県)の

堅田に観音像とともにあったと書かれていました


そんなお地蔵様が跡追地蔵と

呼ばれるようになった理由には

ある戦国武将が関係しているんですね~。


その戦国武将とは

織田信長(おだのぶなが)なんです


時は、1571年(元亀2年)

織田信長軍による比叡山延暦寺の焼き討ちが

行われました。

※焼き討ちの際に僧侶だけでなく子供や女性までの首を刎ねたと言われています。その数なんと3,000~4,000人!!比叡山焼き討ちについては延暦寺(西塔)の記事についてご紹介しています。


そんな中

蓮世弥(れんあみ)というお坊さんが

兵火によってお寺が滅びるのを嘆き

お地蔵さんと一緒に安置されていた

観音像だけを笈(おい・箱)の中に入れて

この場所に移したんだそうです。


しかしその後

不思議な事が起こります


近くに住んでいた

新兵衛という農民が夢の中で

置いていかれたお地蔵さんからの

お告げを聞いたというのです。


そのお告げとは・・・

「私も京都に行って観音像とともに、人々を救いたい」

というものだったそうですよ


その後、置いてきたお地蔵さんを

笈の中に入れ

この地で安置したそうです。


こういった事から

このお地蔵さんを跡追地蔵と

呼ぶようになったというわけなんですね~。


また、これとは違う話もお寺に

伝わっています


それによると、お地蔵さんは

もともとは九州の大宰府にあったそうです。


天満宮 跡追 地蔵尊と書かれた石碑

山門の前に建つ石碑。石碑には「天満宮 跡追 地蔵尊」と書かれています。


菅原道真(すがわらのみちざね)が亡くなってから

京都の北野天満宮(きたのてんまんぐう)に

道真が祀られることになり

その時にお地蔵さんは

「私もお供をして京都に行きたい!」

と、あるお坊さんにお告げをしたそうなんですね


そのお告げを受けたお坊さんが

九州の大宰府からこの場所に

安置したんだそうです。

それで跡追地蔵と呼んだとも言われています。

※菅原道真について詳しくは菅大臣神社 その1をご覧下さい。


どちらの話が本当なのかはわかりませんけれど

とにかくお告げをして

移ってきている事は間違いないようですね。

後、もしかすると京都好きかも知れませんよね


ちなみに超圓寺の跡追地蔵は

江戸時代中頃

洛陽48願所地蔵巡りの第11番に

数えられていたと言われています。

※洛陽48願所地蔵巡りとは、六地蔵以外で48ヶ寺の地蔵を順番に回って拝むというものです。


洛陽48願所地蔵尊は以下の通りです。

第1番 壬生寺(みぶでら)・縄目地蔵

第2番 光林寺(こうりんじ)・水那上地蔵

第3番 雀寺(きょうしゃくじ)・雀森地蔵(桶取地蔵)

第4番 悟真寺(ごしんじ)・養老地蔵

第5番 休務寺(きゅうむじ)・萬人講地蔵

第6番 成圓寺(じょうえんじ)・延命地蔵

第7番 昌福寺(しょうふくじ)・幸福地蔵

第8番 勝厳寺(しょうがんいん)・見返地蔵

第9番 祐正寺(ゆうしょうじ)・妻取地蔵

第10番 報土寺(ほうどじ)・腹帯地蔵

第11番 超円寺(ちょうえんじ)・跡追地蔵

第12番 地蔵院(じぞういん)・昆陽野地蔵(鍬形地蔵)

第13番 清和院(せいわいん)・玉体等身地蔵

第14番 浄福寺(じょうふくじ)・浄土引接地蔵

第15番 智恵光院(ちえこういん)・六臂地蔵

第16番 石像寺(しゃくぞうじ)・釘抜地蔵

第17番 上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)・天神同体地蔵

第18番 地蔵院(じぞういん)逆川地蔵(歯形地蔵

第19番 西林寺(さいりんじ)・木槿地蔵

第20番 西園寺(さいおんじ)・土止地蔵(槌留地蔵)

第21番 佛陀寺(ぶっだじ)・王城地祭地蔵

第22番 了蓮寺(りょうれんじ)・水落地蔵

第23番 真如堂南地蔵堂(しんにょどうみなみじぞうどう)・鎌倉地蔵

第24番 尊勝院(そんしょういん)・米野地蔵(米地蔵)

第25番 西方寺(さいほうじ)・衣通姫地蔵

第26番 三福寺(さんぷくじ)・夢見地蔵

第27番 檀王法林寺(だんのうほうりんじ)・袖取地蔵

第28番 矢田寺(やたでら)・那落化現地蔵(代受苦地蔵)

第29番 誓願寺(せいがんじ)・西院川原地蔵

第30番 光明寺(こうみょうじ)・常盤華地蔵

第31番 妙心寺(みょうしんじ)・醒井地蔵

第32番 常楽寺(じょうらくじ)・弟児地蔵

第33番 蛸薬師堂(たこやくしどう)・鯉地蔵

第34番 西光寺(さいこうじ)・腹帯地蔵

第35番 善長寺(ぜんちょうじ)・枕返地蔵(立江地蔵)

第36番 染殿院(そめどのいん)・染殿地蔵

第37番 仲源寺(ちゅうげんじ)・目疾地蔵

第38番 六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)・鬘掛地蔵

第39番 法観寺(ほうかんじ)・夢見地蔵

第40番 正法寺(しょうほうじ)・身代地蔵

第41番 清水寺(きよみずでら)・勝軍地蔵

第42番 退耕庵(たいこうあん)・玉章地蔵

第43番 専定寺(せんじょうじ)・獅子地蔵

第44番 福田寺(ふくでんじ)・乳房地蔵

第45番 蓮光寺(れんこうじ)・駒止地蔵

第46番 極楽寺(ごくらくじ)・手引地蔵(安産地蔵)

第47番 新善光寺(しんぜんこうじ)・来迎地蔵

第48番 本覚寺(ほんがくじ)・泥付地蔵


また、跡追地蔵は

室町時代後期の作品とされ

1710年(宝永7年)に修理された後があり

2002年にも再び修理され綺麗なお姿になっているので

気になった方は訪れてみてはいかがでしょうか


そんな超圓寺の場所はコチラ↓


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