本日ご紹介するのは
![匂天神社](2014/06/05/01/2014-06-05-1.jpg)
匂天神社(においてんじんしゃ)です
こちらの匂天神社は
なんと京都銀行のビルの中に
あるんですよ
写真を見ていただいたらわかるとおり
とても小さな祠です。
![鉄格子の中にある匂天神社](2014/06/05/01/2014-06-05-2.jpg)
しかも鉄格子のような格好で・・・
ご祭神は天神様ということで
もちろん菅原道真(すがわらみちざね)ですよね。
道真は平安時代に活躍した人で
遣唐使を停止させた人として
知っている方も多いのではないでしょうか
「白紙(894年)に戻そう遣唐使!」と
覚えた人も多いと思います。
道真は幼少より学問に励み
文章博士(もんじょうはかせ)
という中国の歴史や漢文を教える先生になったと
言われています。
※文章博士は学者の最高位なんですよ!
また天皇に重用されて
蔵人頭(くろうどのとう・秘書的な役割)になるんですね~
しかし、天皇が
自分を買ってくれていた
宇多天皇(うだてんのう・第59代天皇)から
醍醐天皇(だいごてんのう・第60代)へ変わると
大宰府(現在の九州)へ左遷されてしまいます。
その後、道真は都へ帰れないまま
不遇の死を遂げたんですね。
※菅原道真について詳しくは菅大臣神社 その1をご覧下さい。
そんな道真を祀るこの匂天神社なんですけれど
創建など詳しいことはわかっていないみたいです
![駒札](2014/06/05/01/2014-06-05-3.jpg)
祠の奥にあった駒札を見てみると
祇園御旅所大政所(ぎおんおたびしょおおまんどころ)の敷地に勧請されたそうで
明治には洛陽天神二十五社の1つに
数えられたみたいですよ
※祇園御旅所大政所は、江戸時代に行われていた祇園祭で神輿が置かれていた場所です。詳しくは、祇園祭 2012 還幸祭(八坂神社)の記事をご覧下さい。
洛陽天神二十五社とは
菅公聖蹟二十五拝(かんこうせいせきにじゅうごはい)という
京都から大宰府までの間にある
道真にゆかりのある25社を選んで
順番に参拝する風習の京都版なんです
つまり京都市内で道真にゆかりのある
25社を順番に参拝するというわけですよね。
この25社は時代によって
場所や順番が違ったりするようです。
ちなみに下に書いたものは
江戸時代末期の1852年に
数えられていたものです。
1.菅大臣天神(かんだいじんてんじん)
![菅大臣天神](2012/03/26/01/2012-03-26-4.jpg)
京都府京都市下京区菅大臣町187-1(白梅殿社)
2.北菅大臣天神(きたかんだいじんてんじん)
![北菅大臣天神](2014/06/05/01/2014-06-05-6.jpg)
京都府京都市下京区菅大臣町190(紅梅殿社)
3.筑紫天神
京都府京都市下京区松原西洞院西入天神前351(五條天神宮)
4.一夜天神(いちやてんじん)
![一夜天神](2014/06/05/01/2014-06-05-7.jpg)
京都府京都市中京区壬生梛ノ宮町(壬生寺)
5.神泉苑天神(しんせんえんてんじん)
6.火除天神(ひよけてんじん)
![火除天神](2012/01/19/01/2012-01-19-7.jpg)
京都府京都市下京区貞安前之町613
7.菅原院天神(すがわらいんてんじん)
![菅原院天神](2011/08/26/01/2011-08-26-12.jpg)
京都府京都市上京区堀松町408
8.安楽寺天神(あんらくじてんじん)
![安楽寺天神](2014/04/10/01/2014-04-10-4.jpg)
京都府京都市上京区北町
9.北野天神(きたのてんじん)
![北野天神](2010/10/07/01/2010-10-07-11.jpg)
京都府京都市上京区馬喰町
10.水火天神(すいかてんじん)
![水火天神](2011/03/31/01/2011-03-31-7.jpg)
京都府京都市上京区扇町722-10
11.上御霊天神(かみごりょうてんじん)
![上御霊天神](2010/01/22/01/2010-01-22-4.jpg)
京都府京都市上京区上御霊竪町495(御霊神社)
12.梶井天神(かじいてんじん)
13.菅家天神(かんけてんじん)
京都府京都市上京区信富町(下御霊神社)
14.雪天神(ゆきてんじん)
15.梅宿菴天神
京都府京都市東山区林下町(知恩院)
16.天拝天神(てんぱいてんじん)
17.梅丸天神(うめまるてんじん)
![梅丸天神](2014/06/05/01/2014-06-05-8.jpg)
京都府京都市東山区下弁天町70(安井金比羅宮)
18.綱敷天神(つなしきてんじん)
京都府京都市東山区下河原町(高台寺)
19.若宮天神(わかみやてんじん)
京都府京都市東山区五条橋東5丁目480(若宮八幡宮)
20.紅梅天神
京都府京都市下京区本塩竈町526(萬年寺)
21.綾子天神(あやこてんじん)
京都府京都市下京区天神町400
22.西念寺天神(さいねんじてんじん)
![西念寺天神](2014/06/07/01/2014-06-07-7.jpg)
京都府京都市下京区堺町35(西念寺境内・千喜万悦天満宮)
23.法然寺天神(ほうねんじてんじん)
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺立石町1-1(法然寺)
24.大雲院天神(だいうんいんてんじん)
京都府京都市下京区貞安前之町613(火除天満宮)
25.錦天神(にしきてんじん)
京都府京都市中京区中之町
江戸末期に数えられたものの中には
匂天神社は含まれていませんでしたけれど
明治時代の初め頃には
![匂天神と書かれた石碑](2014/06/05/01/2014-06-05-4.jpg)
この匂天神社も入っていたと
駒札には書かれていたんですね
![高辻通烏丸東入匂天神町](2014/06/05/01/2014-06-05-5.jpg)
こちらはこの辺りの町名を
指しているものなんですけれど
匂天神町と書かれています!
なんと匂天神社は
町名の由来にもなっているというわけですね。
明治2年6月に南北の小さな小路で
北側を竹之辻子
南側を随音辻子と呼んでいたものが
それぞれ竹之辻子町、随音辻子町となり
2つの町を合わせて
匂天神町としたようですよ。
※辻子(ずし・図子とも)は、家と家の間を通るような細い道の事です。
ちなみに8番目にご紹介しました
勉強の神様としてではなく
呪いの神、農耕の神としての道真を祀っている
珍しい神社なんですよ
そんな珍しい神社もあるので
この機会に25社巡りをされてみてはいかがでしょうか。
※現在では無くなっている所もあります。
そんな匂天神社や25社の場所はコチラ↓
より大きな地図で 匂天神社 を表示