今回ご紹介するのは・・・
京のユニークな地名です
京都に残る、一味違った
ユニークな地名や町名、通りの名前を
ご紹介したいと思います
では、早速いってみましょう~。
・キトロ町
なんとカタカナ!黄色いトロ?・・・なんてワケでは無いようです。
ちなみに、このキトロ町というのは
伏見区(京都市南部)の深草にある町名の1つです
深草にある神社で有名なのが『藤森神社(ふじのもりじんじゃ)』です。5月にはアクロバティックな駈馬神事(かけうましんじ)が行われる事で有名なんですよ。詳しくは藤森祭 2012 駈馬神事(藤森神社)をご覧下さい。
さて、このキトロ町という名前は、近くを流れる
『キトロ川』より取られたものだそうです
語源には諸説あるそうですが、この川がかつて
黄色い泥のようだった事から黄泥→キドロ→キトロとなったようです。
ちなみに、この深草にはカタカナの町名が多い事でも有名で
『ヲカヤ町』『ススハキ町』『ケナサ町』『フケノ内町』
などがあるんですね。
名前の由来が分からないものも多いそうですが
『ケナサ町』は、草の生えない砂地だった事から
植物が生えない→毛が無い→ケナサ
・・となったと一説では言われているんですよ
・田中春菜町(たなかはるなちょう)
え!?これ人名じゃん!?と思わず言ってしまいそうなこちらの町名っ。
実際に同姓同名の人も多くいるのではないでしょうか?
こちらは左京区(東山の北側)にある町名で
百万遍(ひゃくまんべん)という交差点に建つ『知恩寺(ちおんじ)』から700メートルほど北側になります。
『田中春菜町』と書いてしまうと、人名に見えますけど
このあたりは古くから田中という地であり、近くには叡山電鉄の
『元田中』などもあります。平安時代には、このあたりは狩場だったようで
春の花(菜)が咲いていたなんて事が名前の由来になっているのかも
しれませんね。
ちなみに、人名のような地名って以外とありまして
京都府舞鶴市(まいづるし・京都府北部)には
岡田由里(おかだゆり)、高野由里(たかのゆり)、河辺由里(かわべゆり)なんていう地名もあるんですよっ。
ユニークですよね~。
・綾部市(あやべし)
こちらは、京都府北部にある地域です
中国から渡来した機織の技術者・漢氏(あやし・あやうじ)が
『綾部』という名前の由来となっているそうです
生地の織り方の1つである
『綾織り』もここから来ていると思われます。
こちらは綾部市にある綾部八幡宮です。石清水八幡宮の別宮として平安時代後期に建てられました。
以後、現在にいたるまで綾部市は
繊維・織物技術を中心とした産業が盛んなんですね。
ちなみに、肌着メーカーである
『グンゼ(株)』発祥の地でもあるんですよ~
・吉田泉殿町(よしだいずみどのちょう)
なんだか、とっても豪快な名前ですけど
こちらはかつてこの地にあった
吉田泉殿と呼ばれる建物に由来する名前なんだそうです
ちなみに、『吉田』とは吉田神社や吉田山のある京都市左京区にある地名で
吉田神道(よしだしんとう)発祥の地なんですよ
※吉田神社や吉田神道について詳しくは吉田神社の記事をご覧下さい。
さて、この吉田泉殿町とはどんな建物かと言いますと
鎌倉時代初期の公家で、太政大臣だった西園寺公経(さいおんじきんつね)の
別荘だった建物で、歌会をはじめ
公家の遊興(ゆうぎょう・お酒や色事を楽しむ場所)の地だったそうです。
現在、この建物はすでになく、吉田泉殿町に石碑を残すのみとなっています
ちなみに、彼の末裔でもある西園寺公望(さいおんじきんもち)は
明治期に『私塾立命館』を開校し、現在の立命館大学の礎となったんですね。
という事で今回は、京のユニークな地名をご紹介させていただきました。
場所はコチラ↓
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