今回ご紹介するのは
藤森神社(ふじのもりじんじゃ)で行われている
紫陽花祭(あじさいまつり)の
![蹴鞠奉納](2013/06/16/01/2013-06-16-6.jpg)
蹴鞠奉納(けまりほうのう)です
※期間中、蹴鞠など様々な催し物が奉納されます。
『紫陽花の宮』として知られる藤森神社では
毎年、紫陽花が咲く時期に
境内の『紫陽花苑』が一般開放されます。
それに合わせて、平成元年より紫陽花祭が行われ
期間中は神楽や蹴鞠、琵琶演奏、居合道など
様々な催し物が奉納されるんですよ
ちなみに昨日は
献花・献茶や
![豊栄の舞](2013/06/15/01/2013-06-15-2.jpg)
神楽『豊栄の舞(とよさかのまい)』が
奉納されました。
※15日に行われた紫陽花祭について詳しくは、紫陽花祭 2013 献花・献茶・神楽奉納(藤森神社)の記事をご覧ください。
![藤森神社](2010/06/17/01/2010-06-17-1.jpg)
藤森神社についても、簡単にご説明しますと
神功皇后(じんぐうこうごう)により
創建された神社です。
※祭神には神功皇后を始め、十二柱が祀られています。
神功皇后は
お腹に『応神天皇(おうじんてんのう・第15代)』を宿しながら
新羅の国(現在の朝鮮半島の東側)へと出兵し
凱旋を果たしたと言われています
※詳しくは、藤森神社、祇園祭 船鉾(八坂神社)の記事をご覧ください。
そして、この藤森神社にある
紫陽花苑は境内に2ヶ所あり
![紫陽花](2013/06/15/01/2013-06-15-6.jpg)
約40種、3500株の紫陽花が植えられているんですよ
※9時~16時に開苑されています。
今回行われる蹴鞠奉納は
烏帽子(えぼし)を被った水干(すいかん)姿の
蹴鞠保存会(しゅうきくほぞんかい)の方により行われます
藤森神社に作られる鞠庭(まりにわ・建横10メートルほどの広さ)は
年度によって場所が違い
今年は拝殿西側に設けられていました。
『飛鳥井流(あすかいりゅう)』を受け継ぎ
活動されています
※詳しくは、蹴鞠初め 2013(下鴨神社)や春季例大祭・淳仁天皇祭 2012(白峯神宮)の記事をご覧下さい。
それでは早速レポートしていきましょう。
13時より本殿前に蹴鞠保存会の方々が並ぶと
![修祓](2013/06/16/01/2013-06-16-1.jpg)
修祓(しゅばつ・お祓い)や
祝詞(のりと・宣言)などの神事が行われます。
![藤森太鼓演奏奉納](2013/06/16/01/2013-06-16-7.jpg)
藤森太鼓演奏奉納
午前中には
藤森太鼓保存会の皆さんにより
藤森太鼓演奏奉納が拝殿で行われていました
その後、鞠庭へと移動し
最初に『解鞠(ときまり)の儀』が行われます。
本殿でお祓いされた枝鞠(えだまり)を
![目代](2013/06/16/01/2013-06-16-2.jpg)
神職から目代(もくだい)へ渡され
解役(ときやく)が受け取ります。
枝鞠とは鞠と枝が紙縒(こより・紐)で結び付けられた物で
枝は紫陽花が使われていました
※通常は、松や桜、桃、楓など季節毎の枝が使われているそうです。
解役は南西の方角から
国家安泰や五穀豊穣を願いながら
鞠庭の中央付近までゆっくりと移動すると
![解役](2013/06/16/01/2013-06-16-3.jpg)
しゃがみ込んで枝から鞠を解き、鞠を設置します。
![解役から目代へと紫陽花が渡されます](2013/06/16/01/2013-06-16-4.jpg)
解役から目代へと紫陽花が渡されます。
解鞠が終わると蹴鞠保存会の方々8人が
1番偉い長老から1人ずつ鞠庭へと入ります。
8人全員が揃うまでは
![蹲踞の姿勢](2013/06/16/01/2013-06-16-5.jpg)
蹲踞(そんきょ・鞠の前で片膝を曲げた状態)の姿勢で
待機するんですよ
※この時、入る順番が偶数番目(2人目、4人目、6人目、8人目)になるメンバーは奇数(1人目、3人目、5人目、7人目)の人の対角線上に座らなくてはならないそうです。
ちなみに長老から入るのは、かつて坪庭(建物の間にある庭)で行われていた頃
水溜りや直射日光の当たる場所を避けて
自分の座る場所を偉い人から決めていたのが名残りだと言われています。
8人が定位置に着くと
『小鞠(こまり・試し蹴り)』を行います。
※使用される鞠は直径約20センチ程の大きさで鹿の革を使って作られています。
この時、下位である8番目の人から
7番目の人に鞠を渡し
7番目から長老へと鞠が渡されます。
長老が1番偉いので
下位の者が直接は渡さないそうです。
そして、いよいよ『蹴鞠の儀』が始まります
![蹴鞠の儀](2013/06/16/01/2013-06-16-6.jpg)
ちなみに蹴鞠は一般的な競技のように
勝敗を決めるわけではなく
『相手が受取りやすく蹴り、いかにラリーが長く続けられるか』
という事に重点が置かれています。
※打ち返せなかった人よりも打ち返しにくい鞠を渡した方が悪いという考えのようですよ
またラリーもただ続けるのではなく
『一段三足(いちだんさんそく)』で返すのが
良いとされています。
一段三足とは
『受取鞠(うけとるまり・鞠を受け止め)』
『手分の鞠(てぶんのまり・体制を整え)』
『渡す鞠(わたすまり・相手へ渡す)』
というように3回、鞠を蹴ってから
打ち返し易いように相手へと鞠を渡します。
※掛け声も独特で「アリ」「ヤア」「オウ」と言いながらラリーを続けます。
言葉でこのように説明しましたが
実際は、とても難しいようで
思うように続いていない事もありました。
しかし、ラリーが
長く続いた際には
参拝に来ていた方から歓声があがっていましたよ
こうして1座(1グループで15分ほど)が合計2座行われると
1時間ほどで蹴鞠奉納は終了しました。
その後、境内では雅楽や舞楽の披露が
拝殿で行われていましたよ。
蹴鞠の様子は動画でご覧ください。
そんな紫陽花祭の今後の奉納行事は
と言いますと・・・
・6月22日(土)
13時~琵琶演奏奉納
15時~山城舞楽奉納
・6月23日(日)
11時~居合道奉納
13時~琴演奏奉納
となっています。
これから先、紫陽花も見頃になってくるので
奉納行事に合わせて
見に行かれてはいかがでしょうか?
そんな紫陽花祭が開催中の藤森神社の場所はコチラ↓
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