2015-03-31 | |
テーマ:京の名水 |
関連:白峯神宮 / 春季例大祭・淳仁天皇祭(白峯神宮) / 観月祭(白峯神宮) / 伴緒社祭(白峯神宮・伴緒社) / |
飛鳥井
今回ご紹介するのは
白峯神宮(しらみねじんぐう)の境内にある名水
飛鳥井(あすかい)です!
白峯神宮は
蹴鞠(けまり)で知られる飛鳥井家の
屋敷があった場所に
建てられている神社です
と言う事は・・・
飛鳥井家の屋敷の中に
名水・飛鳥井はあったんですね~
恐らくですけれど
飛鳥井家にあった事にちなんで
飛鳥井と名付けられたんでしょうね。
ちなみに江戸時代に書かれた
『拾遺名所図会(しゅういめいしょずえ)』
によれば、もともとは
万里小路(までのこうじ:現在の柳馬場通)
二条の南、東側の人家の裏にあったそうです。
※現在の白峯神宮から南東へ2kmほどの場所です。
そして飛鳥井から湧き出る水は
平安時代に和歌に詠まれる程
名水として有名だったようですよ
光厳天皇(こうごんてんのう・北朝初代天皇)が親撰した
風雅和歌集には為実が詠んだ
「あすか井の春の心はしらねども宿りしぬべき花の陰かな」
という歌が収録されていたり
百人一首を選定した人物として有名な
藤原定家(ふじわらのていか、または、さだいえ)が
自撰した拾遺愚艸(しゅういぐそう)には
定家自らが詠んだ
「いかでなほ我手にかけてむすびみん只飛鳥井の影ばかりだに」
が収められているんですね
また、清少納言(せいしょうなごん)は
『枕草子(まくらのそうし)』で
「井はほりかねの井。たまの井。はしり井は逢阪なるがをかしきなり。山の井、などさしもあさきためしになりはじめけん。飛鳥井は「みもひもさむし」とほめたるこそをかしけれ。千貫(ちぬき)の井。少将井(しょうしょうのい)、さくら井、后町(きさきまち)の井。」
と9つの名水をあげ、その中で
飛鳥井は
「水の冷たさ」を褒めているのが面白い!
と、取り上げています
飛鳥井の説明書
名立たる歌人に愛された
名水だったんですね~
そんな名水・飛鳥井は
現在どうなっているのかといいますと
実は参拝した事がある人なら誰もが
名水に触れているんですよ
神社に参拝して絶対に触れる水といえば・・・
え!?まさか!!
と思うかも知れませんけれど
そうなんです♪
白峯神宮の手水として利用されていて
誰でも汲む事が出来るんですね
手水舎
平安時代から絶える事なく
湧き出ている名水で
清める事が出来るなんて
なんだかとても贅沢な気分になりますよね。
ちなみに毎年11月23日の献茶式では
煎茶道方円流家元による
飛鳥井の水で点てられた
お茶が献じられるそうです
水そのもののの味は
すっきりなめらかとしていて評判がいいようです
また、白峯神宮の境内には
もう1つの名水である潜龍井(せんりゅうい)が
湧き出ている事でも知られています
こちらは飛鳥井から
50メートル程しか離れていないそうですけれど
水脈は別のものなんだそうです。
参拝に訪れた際は
2つの名水の違いを
比べてみてはいかがでしょうか
そんな飛鳥井のある白峯神宮の場所はコチラ↓
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