メモ2013-08-16
テーマ:祭り・イベント

吉原の万灯籠(舞鶴市吉原)

今回ご紹介するのは・・・

回る万灯籠

吉原の万灯籠(よしわらのまんどろ)です


約300年の歴史を持つ祭で

魚の形を表現した、高さ14メートル・幅4.5メートルもの

万灯籠に神火を灯し

川の中に立て、ぐるぐると何度も豪快に回転させながら

海上安全・大漁を祈願する火祭です

※毎年8月16日に行なわれています。


まず『吉原の万灯籠』が行なわれる

京都府舞鶴市(まいづるし・京都府北部)の吉原について

ご説明させていただきますっ!

吉原は舞鶴湾に面する地区で、昔から漁業の町として栄えてきました

※現在も漁師の方を中心に、海産物の加工業者などが軒を連ねています。


祭が始まるきっかけとなったのは

この地区(村)に起こった『いくつかの悲劇』が理由に挙げられます。


まず1つが、村を襲った大規模な大火事です。

それに加えて

海に巨大クラゲが大量発生した事や

海上の事故が相次ぎ

結果的に・・・漁業が思うように出来なくなったんですね。


火事にクラゲに海上事故・・

これは海の神様が怒っているに違いない!

という事で、そんな神様の怒りを鎮める為に始められたのが

この万灯籠なのです。

でも、どうして火祭なのか?と言いますと

一説では、大火事が起こった事から

村には、火除けのご利益がある『愛宕信仰(あたごしんこう)』が広まっていったと言われています。

※愛宕信仰とは、愛宕神社(あたごじんじゃ)から生まれた火除け(火伏せ)の信仰です。簡単に言うと、迦遇槌命(かぐつちのみこと)を祀る事によって、火事から守ってもらおうという考え方です。詳しくは例祭 2012(愛宕神社)の記事をご覧下さい。


この事から、この火には

京都の『愛宕神社』に対して、献灯の意味があると言われているんですよっ。

※この他にも、火を灯す事で、漁業によって収穫した魚に対する鎮魂(灯明)の意味があったりするそうです。


では早速レポートしたいと思います~!!

今回の万灯籠が行なわれるのは

伊佐津川(いさづがわ・舞鶴湾に繋がる川)に架かる大和橋近辺です。

※詳しい場所は、この記事の下部にあるマップにてご確認下さい。


ここでは、朝から今回の主役と言える

『万灯籠』作りが行なわれていたんですね。

大小様々な竹を組み合わせ、紐で縛りつけたもので

当日の早朝より、地元の方によって製作されます。

※竹は半年間かけて、燃えやすいように乾燥させて準備するそうですよ。


朝代神社にてお祓い

そして19時頃

まずは近くにある朝代神社(あさしろじんじゃ)で

参加者のお祓いを済ませます。

続いて男性達は、隣にある円隆寺(えんりゅうじ)に移動します

ここで神火を授かるんですね。

この火を使って万灯籠に点火するというワケですっ!

※ご神火は愛宕神社より、かつて分けられたものなんだそうです。


松明を持って走る青年

ご神火の灯る松明を受け取ると

地区の青年達(少年を含む)20名ほどが

駆け足で万灯籠のある大和橋上流の岸辺に移動します

※途中、もう一本ずつ松明を受け取り、会場までの道のり約1キロを駆け抜けます。



ちなみに、ドコで万灯籠に火を点けるのか?と言いますと

なななーなんと・・・

川に入る青年

川の中なのです!

ワイルドですね~っ

松明を持った青年達に続いて

万灯籠が川の中に運び込まれます


万灯籠

ゆっくりと慎重に、川の水に付けないように注意しながら

万灯籠が運び込まれると

万灯籠

計14箇所にご神火を灯します

続いて、万灯籠を立てる作業に入ります!


引き起こされる万灯籠

万灯籠にくくりつけたワイヤーを引っ張ったり

長い棒で支えながら、グッと万灯籠を引き起こします~っ。

回る万灯籠

なんとか無事に成功すると、観客席からも大きな拍手が上がっていました


しかーーーし!

これだけではありません。

回る万灯籠

見所はなんといっても万灯籠をグルグルと回すところですよねっ。

※一説では、この回った回数が多ければ、その分願い事も叶いやすくなるなんて言われているそうです。


万灯籠の軸を持ち、グルグルと回す担当と

火の粉から彼らを守る為に川の水をかける担当の

二手に分かれ

ワーッショイワーッショイと声を上げながら行ないます。

※会場の皆さんも、同様にワーッショイワーッショイとおっしゃってましたよ。


こうして

万灯籠が見事に回り始めます~っ。

回す時間や回数は決まっていないので

より多く、より長く回る方が良いとされているみたいですよ。

※例年、約10分~15分ほど回し続けるそうです。



そして、最後は音頭取りの方が

万灯籠のてっぺんに付いている御幣を取り

川の中に叩きつけるように万灯籠を倒して終了します!


倒れる瞬間はみなさん「あーーー!」と残念そうでしたけれど

万灯籠や、それを支える方々に

惜しみない拍手が送られていましたよ


引き上げられた万灯籠

万灯籠を川岸に引き上げて、祭は終了しました。


近年では、漁業関連の仕事も減り

地元を離れる若者も多いですが

万灯籠を見に、吉原(舞鶴)に帰省する方もいるようで

そういった意味でも

祭を続けていく事や、伝統文化を継承していく事って

すごく大事だと感じました~!


ちなみに、舞鶴を中心とした映画(ニワトリははだしだ・2004年)が過去に

あったそうで

映画の最後の方には、この吉原の万灯籠も出てくるそうですよ

気になる方は是非チェックしてみて下さいね。

そんな吉原の万灯籠が行なわれた場所はコチラ↓


より大きな地図で 吉原の万灯籠 を表示

1 ■マンドロは素晴らしい!

よく分かる写真入りで、詳しく説明していただいて、ほんとうにうれしい。吉原の若者たちの心意気がよく伝わってきました。愛宕さんへの祈りを捧げるこのマンドロはほんとうに素晴らしい行事だと思います。舞鶴に生まれ育った者として、とても誇らしい思いがします。もともと吉原の人たちの家内安全・大漁満足・海月退散を願うものでしたが、今では見る人みんなの無事・平和を祈る火祭りになっていると思います。
 (地図の伊佐津川大和橋上手の場所が違っています)

アキラさん 2018-11-13 17:49:10


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