2013-07-04 | |
テーマ:神社 |
大井神社
今回ご紹介する神社は、京都府亀岡市にある・・・
大井神社(おおいじんじゃ)です
この神社のある亀岡市大井町には
「鯉のぼりを掲げてはならない」という少し珍しい風習があります
これは大井神社の祭神の使い(神使)が『鯉』である事が
理由に挙げられ
この地域では、鯉を飼ったり、触れたりする事も慎んでいるそうです
鳥居右手にも巨大な鯉の石碑があります。
境内には茅の輪も出ていました。ちょうど夏越祓(なごしのはらえ)の時期でした。半年の穢れを祓う『夏越祓』について、詳しくは大茅の輪奉製・取り付け 2013(北野天満宮)の記事をご覧下さい。
大井神社に祀られている神々は
松尾(京都市北西部)から川を上ってやって来たとされ
連れて来たのが
神使と言われる『鯉』だったんですね
正面鳥居から一直線に拝殿、そして奥に本殿が並びます。
拝殿に掲げられた鯉の額です。
伝承によりますと
かつて、この亀岡という地は『丹の湖(にのうみ)』とも呼ばれた
大きな湖でした。
これを、国譲りの神で知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)が
見事に水を吸い上げて、平地にしたそうです。
※大国主命については出雲大神宮の記事をご覧下さい。
こうして『丹の国(にのくに)』と呼ばれる国が生まれたんですね
※『丹波国』の由来も、この丹の国からきているそうです。
こちらが本殿(拝所)です。2010年には、鎮座1300年を記念して本殿が修復されたそうですよ。
本殿の裏手に並ぶ摂末社です。松尾神社、愛宕神社、厳島神社など9つの祠が並んでいます。
この他にも、阿弥陀如来像がありました。かつて境内にはお寺(東光寺)もあったそうで、そこで祀られていたものだそうですよ。
ちなみに、現在の地名である『大井』とは
湖が引いた後も、残った井戸が、干ばつでも枯れなかった事から
『大いなる井戸』と称された事から付いた名前だそうです
丹の湖は、赤色をしていたようで
『丹』という字は朱色の丹塗(にぬり)の色の事を指すのでしょう。
境内には巨大な池(神泉)もあります。
これは丹の湖に由来する『丹の池』です。
宅地開発の影響もあり、現在は枯渇してしまったようで
地下から水を汲み上げられています。
さて、お話を戻しまして・・・
この話を聞いた、松尾に住む神々は、一度見てみたいと
亀に乗って、丹の国を目指し川を上っていきました。
※松尾(京都市北西部)と丹の国(現在の亀岡市・綾部市一帯)は、山を隔てて川で繋がれたエリアです。この川を保津川と言い、有名な『保津川下り(ほづがわくだり)』はこの川を船で下るんですね。
ちなみに、この神々というのが
現在、大井神社に祀られている祭神です
・木俣命(きのまたのみこと)
大国主命と、彼の最初の奥さんである八上比売(やがみひめ)との間に生まれた神様です
大国主命が後に正室をとった事から
八上比売は自分の立場をわきまえ、彼の前から姿を消したと言われています。
その際に2人の間に出来た子供(木俣命)を、木の俣に挟んで置いて帰った事から
この名前が付いたと言われています。
※木俣命は、別名・御井神(みいのかみ)とも呼ばれています。
・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
美人の神様として知られ、弁財天とも同一視されています
出雲神話にも登場する素盞嗚命(すさのおのみこと)が持っていた剣から
生まれた神様です。
・月読命(つくよみのみこと)
国産みの神で知られる伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が
黄泉の国(あの世)から戻り
穢れを祓った際に生まれた神様だと言われています。
※ちなみに、市杵島姫命や、月読命は松尾にある松尾大社(まつのおたいしゃ)の境内摂社にも祀られているんですよ。
天満宮社です。祀られているのは、学問の神様で知られている菅原道真(すがわらのみちざね)ですね。彼について詳しくは京の天満宮巡りの記事をご覧下さい。
亀は松尾大社の神使とされている生き物で
当初は、これに乗って
丹の国を目指していたのですが
途中から川の流れや勢いが増し、亀では川を上る事が出来なくなってしまったのです。
そんな困り果てた神々の前に登場したのが
・・・鯉だったんですね!!
鯉は「私の背中に乗って下さい」と言い
見事に激流を駆け上り
丹の国に神々を連れてやって来たと言われています
こうして、神々はこの地に鎮座し、社が建てられる事となり
鯉は神使として崇められるようになったんですね。
天満宮社から更に奥に続く道があります。鳥居がずらりと並ぶその先にはあるのは松山稲荷大明神です。
こちらが松山稲荷大明神のご神体です。
隣には祠もありましたよ。
この時、建てられた社こそが、後の大井神社だそうで
一度は川の氾濫により流されてしまいますが
710年に元明天皇(げんめいてんのう・第43代女帝天皇)により
大井神社が創建される事となりました。
この事から、大井神社に祀られている祭神は
別名・鯉明神とも呼ばれているそうで
亀岡市の大井町の産土神として崇敬を受けているそうですよ~
そんな大井神社の場所はコチラ↓
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