今回ご紹介する神社は、京都府亀岡市にある・・・

大井神社

大井神社(おおいじんじゃ)です


この神社のある亀岡市大井町には

「鯉のぼりを掲げてはならない」という少し珍しい風習があります

これは大井神社の祭神の使い(神使)が『鯉』である事が

理由に挙げられ

この地域では、鯉を飼ったり、触れたりする事も慎んでいるそうです


鯉の石碑

鳥居右手にも巨大な鯉の石碑があります。


茅の輪

境内には茅の輪も出ていました。ちょうど夏越祓(なごしのはらえ)の時期でした。半年の穢れを祓う『夏越祓』について、詳しくは大茅の輪奉製・取り付け 2013(北野天満宮)の記事をご覧下さい。


大井神社に祀られている神々は

松尾(京都市北西部)から川を上ってやって来たとされ

連れて来たのが

神使と言われる『鯉』だったんですね


拝殿

正面鳥居から一直線に拝殿、そして奥に本殿が並びます。


鯉の額

拝殿に掲げられた鯉の額です。


伝承によりますと

かつて、この亀岡という地は『丹の湖(にのうみ)』とも呼ばれた

大きな湖でした。

これを、国譲りの神で知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)が

見事に水を吸い上げて、平地にしたそうです。

※大国主命については出雲大神宮の記事をご覧下さい。


こうして『丹の国(にのくに)』と呼ばれる国が生まれたんですね

※『丹波国』の由来も、この丹の国からきているそうです。


本殿(拝所)

こちらが本殿(拝所)です。2010年には、鎮座1300年を記念して本殿が修復されたそうですよ。


摂末社

本殿の裏手に並ぶ摂末社です。松尾神社、愛宕神社、厳島神社など9つの祠が並んでいます。


阿弥陀如来像

この他にも、阿弥陀如来像がありました。かつて境内にはお寺(東光寺)もあったそうで、そこで祀られていたものだそうですよ。


ちなみに、現在の地名である『大井』とは

湖が引いた後も、残った井戸が、干ばつでも枯れなかった事から

『大いなる井戸』と称された事から付いた名前だそうです

丹の湖は、赤色をしていたようで

『丹』という字は朱色の丹塗(にぬり)の色の事を指すのでしょう。


丹の池

境内には巨大な池(神泉)もあります。

これは丹の湖に由来する『丹の池』です。


宅地開発の影響もあり、現在は枯渇してしまったようで

地下から水を汲み上げられています。

さて、お話を戻しまして・・・

この話を聞いた、松尾に住む神々は、一度見てみたいと

亀に乗って、丹の国を目指し川を上っていきました。

※松尾(京都市北西部)と丹の国(現在の亀岡市・綾部市一帯)は、山を隔てて川で繋がれたエリアです。この川を保津川と言い、有名な『保津川下り(ほづがわくだり)』はこの川を船で下るんですね。


ちなみに、この神々というのが

現在、大井神社に祀られている祭神です


・木俣命(きのまたのみこと)

大国主命と、彼の最初の奥さんである八上比売(やがみひめ)との間に生まれた神様です

大国主命が後に正室をとった事から

八上比売は自分の立場をわきまえ、彼の前から姿を消したと言われています。

その際に2人の間に出来た子供(木俣命)を、木の俣に挟んで置いて帰った事から

この名前が付いたと言われています。

※木俣命は、別名・御井神(みいのかみ)とも呼ばれています。


・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)

美人の神様として知られ、弁財天とも同一視されています

出雲神話にも登場する素盞嗚命(すさのおのみこと)が持っていた剣から

生まれた神様です。


・月読命(つくよみのみこと)

国産みの神で知られる伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が

黄泉の国(あの世)から戻り

穢れを祓った際に生まれた神様だと言われています。

※ちなみに、市杵島姫命や、月読命は松尾にある松尾大社(まつのおたいしゃ)の境内摂社にも祀られているんですよ。


天満宮社

天満宮社です。祀られているのは、学問の神様で知られている菅原道真(すがわらのみちざね)ですね。彼について詳しくは京の天満宮巡りの記事をご覧下さい。


亀は松尾大社の神使とされている生き物で

当初は、これに乗って

丹の国を目指していたのですが

途中から川の流れや勢いが増し、亀では川を上る事が出来なくなってしまったのです。

そんな困り果てた神々の前に登場したのが

・・・鯉だったんですね!!


鯉は「私の背中に乗って下さい」と言い

見事に激流を駆け上り

丹の国に神々を連れてやって来たと言われています

こうして、神々はこの地に鎮座し、社が建てられる事となり

鯉は神使として崇められるようになったんですね。


鳥居

天満宮社から更に奥に続く道があります。鳥居がずらりと並ぶその先にはあるのは松山稲荷大明神です。


松山稲荷大明神

こちらが松山稲荷大明神のご神体です。


松山稲荷大明神

隣には祠もありましたよ。


この時、建てられた社こそが、後の大井神社だそうで

一度は川の氾濫により流されてしまいますが

710年に元明天皇(げんめいてんのう・第43代女帝天皇)により

大井神社が創建される事となりました。


この事から、大井神社に祀られている祭神は

別名・鯉明神とも呼ばれているそうで

亀岡市の大井町の産土神として崇敬を受けているそうですよ~

そんな大井神社の場所はコチラ↓


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