今回ご紹介するのは

京都市北区の衣笠(きぬがさ)にある


鏡石(かがみいし)

鏡石(かがみいし)です!


近くに金閣寺(きんかくじ)や

わら天神等があるエリアになります


ちなみに鏡石の前の通りを鏡石通
そして、この辺りの町名を鏡石町と
言うんですよ


衣笠鏡石町と書かれた標識

衣笠鏡石町と書かれた標識


鏡石通の左手、山際に

大きな巨石が露出しているんですけれど

これが今回ご紹介する鏡石なんですね


鏡石通

鏡石通


鏡石というのは普通の石では無くて
石の表面が水晶のごとく
その名の通り、鏡の様に光輝いて
色々なものを写す名石、霊石の事です


そんな不思議な石ですから

江戸時代には大変な観光名所と

なっていたようですよ


その様子は1780年(安永9年)に刊行された

京都の観光本とも言える

『都名所図会(みやこめいしょずえ)』

からもわかります


都名所図会巻六の鏡石の挿絵

都名所図会巻六の鏡石の挿絵


昔、中国には仙人鏡という

人の五臓を写す石があったみたいで

病気のある人の場合は

その臓器を写す事が出来たそうです


※五臓とは、心臓、肝臓、肺臓、腎臓、脾臓の事です。


そして今回ご紹介している鏡石も

その仙人鏡と同じような石だと

書かれているんですね


つまり、鏡の様に写すだけで無く
病気を知らせてくれる石だったんです


これは不思議な石ですよね。

当時の人もみんな訪れたのではないでしょうか


また、一説によると
この鏡石は、源義経(みなもとのよしつね)が
自分の姿を写したとされる
姿見の石ともいわれています。


そして古今和歌集(こきんわかしゅう)に載っている

紀貫之(きのつらゆき)が詠んだ

「うばたまの我が黒髪や変るらむ鏡の影に降れるしらゆき」

という歌は、この鏡石の前で

詠んだものと伝わっているんですよ


※意味としては、「私の黒髪が白髪に変わったのかな。鏡に写るこの白雪は。」といった感じになるんだと思います。


とっても由緒ある石だという事がわかりますよね♪


で、実際にその石を見てみると・・・


鏡石

見た所、鏡の様にはなっていませんし
全く何も写してはくれません


鏡石アップ

一応、さらに近寄って見ると

確かに表面が平面に切り落とされた様になっていて

鏡の様ではあるんですけれど

やはり何かを写せるといった感じはありませんでした


そうなんです!残念な事に現在は
鏡の様に写す事が
出来なくなってしまったんですね


これは近年、行商等の荷物を運ぶ牛が

鏡石の前を通る際に驚き、止まってしまう事があったそうで

牛が止まって動かなくなっては仕事になりませんから

松葉で鏡石の表面をいぶして失わせたといわれています。


それ以来、鏡の様に人を写すことも

無くなったというワケなんです。


今となっては残念と言う他ないんですけれど

見た所、磨けば再び鏡の様になりそうですから

いつの日か鏡石を復活させる事が

出来るかもしれませんね


それにしても自分の姿に驚いた牛は
この時、自分の病気を
知ってしまったのでしょうか
とっても気になる所ですよね


ちなみにこのような不思議な鏡石というのは

京都だけで無く、全国的にあるそうですので

ご興味のある方は近くで探して見るのも

面白いかもしれませんよ


※京都には、貴船神社(きぶねじんじゃ)や勝持寺(しょうじじ)にも鏡石という名の石があります。


そんな鏡石のある場所はコチラ↓

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