今回ご紹介するのは・・・

古都・京都ゆかりの言葉です


今でも使われる『言葉』の語源には

1200年の歴史を持つ京都ゆかりのものが

多数、存在しています。

今回は、そんな『京ゆかりの言葉』を

いくつかご紹介させていただきます!


・ぜんざい

ぜんざいと言えば

砂糖で甘く煮た小豆に、お餅などを入れた食べ物ですよね

この『ぜんざい(善哉)』という名前が付けられた

きっかけとなったのが

ある人物の一言だったと言われています!


その人物とは・・・・

一休宗純(いっきゅうそうじゅん)なのですっ

『アニメ一休さん』のモデルにもなった、室町時代中期のお坊さんです。


大徳寺

一休宗純にゆかりのあるお寺として知られる『大徳寺』です。応仁の乱より、荒廃していたお堂を再建し、一休はここで住職を務めたんですね。


地蔵院(竹の寺)

こちらは一休が幼少の頃を過ごしたと言われる地蔵院です。彼について詳しくは地蔵院(竹の寺)の記事をご覧下さいっ。


ぜんざいとは、漢字で『善哉』と書き『よきかな』とも読み

仏教用語で『すばらしい』という意味がある言葉です。

つまり!この料理をもてなされた一休が

・・・一言


『善哉此汁。(よきかなこのしる)』

と言った事から『善哉』という名が付けられ

現在でも『ぜんざい』の名称で親しまれているというワケなのです。

※『ぜんざい』の語源は、この他にも説があり、一説では出雲大社の神在餅(じんざいもち)が訛り、京都でこの餅を『ぜんざいもち』と呼んだと事が起源とも言われています。


・えっさえっさ

ひたむきに作業する事を

『えっさえっさと○○する。』なんて言いますよね。

この『えっさ』とは、あるお坊さんの事を指していると

言われているんですよ


そのお坊さんとは・・・

鎌倉時代初期の僧・栄西(えいさい)です!


彼は、臨済宗の開祖として知られる高僧で

中国から日本にお茶を持ち帰ったお坊さんとしても有名です


建仁寺

京都・祇園にある『建仁寺』は、鎌倉幕府2代将軍・源頼家(みなもとのよりいえ)から土地の寄進を受けて、栄西が開基しました。


ある日、何をしても動かない巨大な岩に

難儀していた農民達を見かけた栄西が

ある助言をしたのです。


それは・・・

「私の名前を唱えながら動かしてみなさい。」というものでした。


これを聞いた農民達は言われるがまま

「栄西、栄西」と唱えながら岩に手を掛けると

・・・あら不思議!

それまで動かなかった岩が、動いたのです!


つまりこれは法力の一種という事なのでしょう。

この事から、作業をする際の掛け声として

「栄西、栄西」という言葉が度々使われたようで

徐々にこれが変化し『えっさ、えっさ』と言われるようになったそうです。

※調べてみると、こうした掛け声には様々な語源があり『えっさ』という掛け声全てが、これにあてはまるものではないようですが、栄西の話は伝承の1つとして伝わっているのは確かなようです。


・田楽(でんがく)

田楽と言えば、皆さん何を思い浮かべますか!?

焼いた豆腐や蒟蒻(こんにゃく)に味噌を塗った食べ物をイメージしますよね?

この食べ物の田楽、実は・・・

平安時代中期に生まれた日本の伝統芸能に由来する

名前だったのです


『田楽』の『田』とは、まさに田んぼの事であり

田楽とは、田植えの際に豊作を祈る『田舞(たまい)』が

発達した芸能だと言われています。


綾部八幡宮の春季大祭

田植えに関する神事は、様々な神社で行われています。これは綾部八幡宮で行われた春季大祭の一場面です。詳しくは春季大祭 2013(綾部八幡宮)をご覧下さい。


伏見稲荷大社の田植祭

こちらは伏見稲荷大社で行われる田植祭です。田んぼを前に舞の奉納なども行います。詳しくは田植祭 2012(伏見稲荷大社)の記事をご覧下さい。


では、どうして食べ物に、その名が付けられたのか?と言いますと

串に刺さった豆腐や蒟蒻の見た目が

田楽の演目の1つ『高足(こうそく)』に似ていたからなんですね!


高足は、一本足の竹馬のようなものに乗り

何度も飛び跳ねながら、曲技を披露する演目です


こうした事から、高足をイメージさせるような見た目の

豆腐や蒟蒻が串に刺さった食べ物を『田楽』と呼んだそうです


・水に流す

『過去の事は水に流して~』なんて言いますけど

一説には、この言葉は京都から生まれた言葉だと言われています!


では、この『流す』とは何か言うと

『穢れを流す』という意味なんですね!!


・・・穢れ??

と、聞いてもピンとこないかもしれませんが

手水舎

神社に行くと、手水舎(てみずしゃ)や手水鉢(ちょうずばち)が

ありますよね?

これは参拝前に手や口を清めるものです。


つまり神前を前に

この水で、穢れを流す意味があるんです


この穢れを水に流す行為は、もともと宮中にて行われていたもので

季節の変わり目などに疫病が流行りやすい事から

その穢れを祓う為、その身体を水で洗い流していたのです。


みたらし祭

下鴨神社で行われる『みたらし祭』は、この故事に基づき行われる神事で、この日だけ特別に開放された『みたらし池』に皆さん足をつけて、穢れを落とすんですよ。詳しくは、みたらし祭 2012(下鴨神社)をご覧下さい。


日本神話においても

黄泉の国に行って、穢れてしまった身体を清める為に

阿波岐原(あわぎがはら)の池で身体を洗い流し禊(みそぎ)を行っています


つまりこうした事がルーツとして

『水に流す』という言葉が生まれたというワケなんですねっ。


という事で今回は京ゆかりの言葉をご紹介させていただきました。

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