今回は京都に古くから伝わる

習わし(風習)をご紹介したいと思いますっ


なんとなく聞いた事はあるけど・・

詳しくは知らなかった!!という方の為に

いくつか、ご紹介したいと思います。


・神社仏閣に『〇〇さん』を付けて呼ぶ

京都の人は清水寺の事を『清水さん』なんて呼んだりするんですよね。


え?なんで!?建物に『〇〇さん』付けるの!?

なんて思いませんか?


清水寺

『清水さんは、いつもようけ(多く)、人が来たはりますねぇ~。』なんて会話を耳にします。


この他にも、伏見稲荷大社や稲荷社全般に対して

『お稲荷さん』と呼んだり

八坂神社の事を『八坂さん』と言ったりします。


八坂神社

こちらも京都の人気スポット、八坂さんです。京都の人は『今から、八坂さんにお参りしはるん?』なんて言ったりするんですよ。


ただ・・何でもかんでも、付けるワケじゃないんですよね。

例えば金閣寺の場合は・・金閣寺さんとは言いません(汗)

そのまんま『金閣寺』なんですよね。


この『さん』を付ける習わしは、御所ことば(公家などが使った言葉使い)を基にした

女房詞(にょうぼうことば)が起源だそうで

宮中に仕えた女性(女官)らが『〇〇さん』を付けるようになったと言われています

※最初は食物に対して『〇〇さん』を付けていたそうで、その後、こうした言葉使いが庶民に広まったみたいですね。


この他にも、頭に『お〇〇』を付けるのも

御所ことばや女房詞が起源なんだそうですよ

※『お箸』『お花』『お米』『お砂糖』など。


・ひな壇のお内裏様とお雛様の並びが逆

ひな壇

世間一般では、向かって左にお内裏様

そして向かって右にお雛様を飾りつけますよね?

でも京都は・・逆なんです!


しかし、これは京都が逆と言うよりも

その昔は全てこの並べ方だったみたいですよ~!

では何故なのか?それをご説明したいと思います


そもそも『内裏(だいり)』とは、宮中(御所)の中心的エリアで

天皇の住居などもある場所です。この事からも分かる通り

お内裏様は『天皇』を指し、お雛様とは『皇后』を表すんですね。


古来日本では

上の位の人が『向かって右』に立ちました。

なので、以前は内裏様が向かって右、お雛様が左でした。


しかし西洋では

上の位の人が『向かって左』に立つものだったんですね

明治以降、西洋文化を取り入れてきた日本では

これに習い、昭和天皇即位の際に

初めて、向かって左に天皇、右に皇后が並んだそうです。


ひと雛

こちらは、平安装束に身を包み再現される豪華な『ひと雛(びな)』です。市比賣神社の雛祭のイベントにて毎年行われています。詳しくはひいなまつり 2012(市比賣神社)の記事をご覧下さい。


この事から、ひな壇も

その順に並べられるようになったそうですが

京都だけは古来の風習を守っているというワケなんです


・お雑煮は白味噌

全国的には、お雑煮と言えば・・・

『すまし汁』でいただくのが一般的ですよねっ

しかし京都を中心とした関西では

お雑煮は白味噌でいただくんですね~。


雑煮の発祥は京都であり、室町時代に公家や武家の間で

食された事を起源としています。

当時、上流階級の間では白味噌が重宝されていた為

雑煮にも使われました

※雑煮は、めでたい日に神前にお供えした餅や野菜を煮て食べていた事を起源とするそうです。


をけら詣り

京都では、をけら詣りの火を使って雑煮を食べると一年間、無病息災で過ごせると言われています。詳しくはをけら詣り 2011(八坂神社)の記事をご覧下さい。


庶民が雑煮を食べるようになったのは

江戸時代からのようで

関東を中心に、すまし汁で食べるようになりました。


ちなみに関東で白味噌が使われなかった理由については

様々な諸説があり

・武家社会では『味噌をつける(失敗する)』といった理由で使われなかった。

・醤油の産地が近かった為、すまし汁で食べた。

・江戸において味噌が不足がちであった。

といった事が挙げられるそうです


結果的に江戸における『すまし汁の雑煮』が

全国に広まったというワケです。


・玄関先に粽(ちまき)を飾る

粽

粽というと・・食べ物の方を想像されている方も

いると思いますけど

この粽は、祇園祭の際に、各山鉾にて販売される

笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守りです!


京都の家では、祇園祭の際にこの粽を買い

一年間、玄関先に飾り付けておくのが習わしとされています


ではどうして、粽を玄関先に飾っておくのか?

これは蘇民将来(そみんしょうらい)の子孫である事の印であり

粽を飾る事で

「我が家は蘇民将来の子孫なんで

どうか病気や災いから守って下さいね。」

と言っているんですね。


この習わしの起源は

備後国風土記(びんごのくにふどき)に記された話が

由来とされていて

日本神話にも登場する神様・素戔嗚尊(すさのおのみこと)が

おもてなしをしてくれた蘇民将来(そみんしょうらい)に対し

感謝を込めて「あなたの子孫をこれからもお守りしますよ」

目印代わりに『茅の輪』を腰に付けさせた事にちなむものです


この茅の輪は『茅(ちがや・植物)』を束ねて巻いたものであり

『茅巻(ちまき)』と呼ばれ、粽(ちまき)の元となったんですね

※『粽』や、その元となった『茅の輪』について詳しくは祇園祭 2012 疫神社夏越祭(疫神社)の記事をご覧下さい。


という事で、今回は京都に古くから伝わる

習わし(風習)をご紹介させていただきました!

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