2015-07-14 | |
テーマ:お寺 |
関連:採灯大護摩供法要(即成院) / 二十五菩薩お練り供養大法会(即成院) / |
即成院
今回ご紹介するのは
京都市東山区にある
即成院(そくじょういん)です!
即成院は、平安時代末期の武士である
那須与一(なすのよいち)ゆかりのお寺として知られ
通称『那須の与一さん』とも呼ばれ
親しまれているんですね~
那須与一についてはまた後ほど触れるとして
まずはお寺を簡単ではありますけれど
ご紹介したいと思います♪
即成院は、真言宗泉涌寺派総本山
泉涌寺(せんにゅうじ)の塔頭寺院で
992年(正暦3年)に恵心僧都(えしんそうず)源信(げんしん)が
伏見に創建したとされる光明院に始まるそうです
元光明山即成院と刻まれた石碑
その後、寛治年間(1087~1094年)になると
藤原頼通(ふじわらのよりみち)の息子であり
伏見長者と称された橘俊綱
(たちばなのとしつな)が
その場所に山荘を造営するんですね。
その際、光明院を持仏堂として移し
『伏見寺』、または『即成就院』と称したと
いわれています
※橘俊綱は、諸説ありますけれど、日本最古の庭園書『作庭記(さくていき)』の作者とされる人物でもあります。
また、1594年(文禄3年)になると
豊臣秀吉(とよとみひでよし)の
伏見城築城の為に深草大亀谷に移されるんですね
けれど明治初頭の
廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の影響を受けて
1872年(明治5年)に廃寺となってしまったそうです
※廃仏毀釈について詳しくは、お別れ地蔵の記事をご覧ください。
その際、仏像等は泉涌寺に引き取られたみたいですよ
その後、1887年(明治20年)に
泉涌寺大門辺りに仮のお堂が建てられ
1899年(明治32年)に泉涌寺の塔頭寺院
法安寺と合併
現在地へは1902年(明治35年)に
移されたといわれ、その後
1941年(昭和16年)になって
即成院として再興を果したんだそうです
ちなみに即成院という名称は
かつての名称である即成就院の略なんだそうで
その名前から『ポックリ信仰の寺』としても
知られているんですよ~
それでは早速、中に入っていきましょう
山門の上に安置されている鳳凰
山門をくぐり
右手方向に進んで行くと
手水舎(ちょうずや)があります。
手水舎(ちょうずや)
『与一の手洗い所』と書かれていました♪
そして正面にあるのが本堂になるんですね
本堂
本堂には、ご本尊である
阿弥陀如来坐像と二十五菩薩坐像が安置されています
阿弥陀如来坐像は、高さは5.5メートルあり
1094年(寛治8年)に平安時代の仏師である
定朝(じょうちょう)とその弟子達によって
造られたものなんだそうです
そして、こちらが那須与一のお墓です。
那須与一のお墓
冒頭でも少し触れましたけれど
ここで那須与一について簡単にご紹介したいと思います。
那須与一は、平家物語にも登場する
『源氏の三与一』の1人で
弓の名手として知られている人物なんですね
ちなみに与一というのは
十あまり一という意味で
十一男を表しているんだそうですよ
1180年(治承4年)に起こった治承・寿永の乱
(じしょう・じゅえいのらん:源平合戦)で
源義経(みなもとのよしつね)に従った与一は
讃岐の『屋島の戦い(やしまのたたかい)』に
参加をするんですけれど・・・
その戦いが始まる直前
平家が海に浮かぶ船上に扇の的を掲げ
「この扇を射抜いてみろ!」
と、源氏を挑発してきたんですね~
義経はこれに対して
与一に的を射抜くよう命令をするんですけれど
「失敗したら、源氏の恥になります!」
と、言って与一は1度断ります
そりゃそうですよね
ここで矢を外してしまったら
平家の笑い者になってしまいますから!
誰もやりたくないですよね
けれど義経から
「俺の命令に従えんのなら鎌倉に帰れ!」
と言われてしまい、与一は
覚悟を決めて馬上から一本の弓矢を放ちました
絵馬に那須与一が描かれています。
与一が失敗をしたら
間違い無く源氏の恥になるでしょうし
腹を切って償う他ありません
「南無八幡大菩薩!!!」
そう言って与一の放った一発の弓矢は
見事!扇の的を射抜いたんですね~
距離もそうですけれど
波で揺れ動く小さな的に当てるなんて
本当に凄いですよね
これには源氏のみならず
平家からも拍手喝采を浴びました
そんな与一なんですけれど
実は、治承・寿永の乱に参加する前
京都に向かう途中で病に倒れ
伏見で療養をしていたんだそうですよ
その時に信仰していたのが
即成院の阿弥陀如来だったそうで
阿弥陀如来に病気平癒を祈願し
病が治ったといわれているんですね
与一は戦いの後、即成院に戻り
この戦いで亡くなった者達の
菩提を弔って生活したとされ
34歳の時に亡くなったそうです。
即成院では、那須与一の功績にあやかろうと
朱色で扇に病気平癒や諸願成就といった
願い事を書いた『願い扇』が奉納され
毎年5月の第4日曜日の採灯大護摩供法要
(さいとうだいごまくほうよう)で
大願成就を祈りながら焚き上げます。
また、10月には
二十五菩薩お練り供養も行われているんですよ。
二十五菩薩お練り供養
という事で今回は
那須与一ゆかりのお寺である即成院をご紹介しました
お近くに来られた際には是非とも訪れてみて下さいね
即成院の場所はコチラ↓
最寄の交通案内
京阪電車 京阪本線 東福寺駅(とうふくじえき)
市バス 202・207・208系統 泉涌寺道(せんにゅうじみち)
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