今回ご紹介するのは

京都市左京区にある

檀王法林寺

檀王法林寺(だんのうほうりんじ)です!


檀王法林寺は浄土宗のお寺で

正式には無上法林寺(むじょうほうりんじ)と言うんですよ


浄土宗 だん王と書かれた石碑

ちなみに山号は朝陽山(ちょうようざん)と言い

院号は栴檀王院(せんだんおういん)です。


お寺のはじまりは

左京区の聖護院蓮華蔵町(しょうごいんれんげぞうちょう)にあった

蓮華蔵寺(れんげぞうじ・蓮華蔵院とも)という天台宗のお寺を

1272年(文久9年)に道光(どうこう:望西楼了恵(ぼうせいろうりょうえ))が

浄土宗に改め、悟真寺(ごしんじ)と称したことに

よるんだそうです


こま札

けれど1467年から始まる

応仁の乱(おうにんのらん)や

鴨川の氾濫によって衰え

永禄年間(1558年~1570年)に

廃絶となってしまうんですね。


その後、1611年(慶長16年)に

袋中(たいちゅう・僧)がこの地で再興し

現在の名前である

無上法林寺としたんだそうです。


袋中については

後ほど詳しくご説明しますね。


それでは早速、中に入っていきましょう


こちらの山門は


三条門

1888年(明治21)に建立された

三条通に面している南門で

『三条門』と言います。


ちなみに川端通りに面している西門を

『川端門』といいまして


川端門

こちらは1766年(明和3年)

有栖川音仁親王(ありすがわのみやよりひとしんのう)の 寄進によるものなんだそうですよ。


通称、赤門や開運門とも呼ばれていて

京都市指定有形文化財に指定されています


三条門を抜けると

目の前には二層楼門である

望西楼(ぼうせいろう)がありました。


望西楼

望西楼には

四天王である持国天(じこくてん)

増長天(ぞうじょうてん、またはぞうちょうてん)

広目天(こうもくてん)

多聞天(たもんてん・別名:毘沙門天)が

安置されているんですよ

※四天王は、仏教における4人の守護神の事で、それぞれ東西南北の方位を守護しています。


そしてさらに進むと

本堂があります。


本堂

本堂には、ご本尊である

阿弥陀如来立像が安置されていて

こちらは恵心僧都(えしんそうず)源信(げんしん)の作と

伝わっているんですね~


また、主夜神尊(しゅやじんそん)という

神様もお祀りされています。


主夜神尊は、もともとの名前を

婆珊婆演底主夜神(ばさんばえんていしゅやじん)といって

『主夜』が『守夜』と転じて

夜を守る神様と崇められたそうです


そして夜を守るという事から

盗難や火災を防いでくれると

いわれているんですね~。


庫裏

本堂右横の庫裏です。


1603年(慶長8年)3月15日

袋中が別行(べつぎょう・特別に行う仏事や修行)で

念仏を唱えていた際

なんと、光明の中から

赤い服に青い袍(ほう)を着た

主夜神尊が現れたんだそうです


主夜神尊は

「私は華厳経に説かれる婆珊婆演底主夜神です。専修念仏の行者を擁護しなさい。」

と言うと袋中に

護符を授けたと言われているんですね。

※専修念仏とは、ひたすら念仏だけを唱える事を言います。


ちなみに毎年12月の第1土曜日には

主夜神法要が行われ

秘仏である主夜神像がご開帳となります。

※主夜神法要は、1998年に約50年ぶりに復活したんだそうです。


そしてこちらは

『右手招き猫』です


右手招き猫

招き猫としてはかなり珍しく

右手をあげていて

黒色をしているんですね~


一説には檀王法林寺の招き猫は

寺社関連の招き猫として

最古のものとされているそうですよ!


猫は古くから

主夜神のお使いであると

信じられていたそうで

江戸時代の中頃には

主夜神尊の銘を刻んだ招福猫が

作られていたと伝わっています


こちらは観音堂になります。


観音堂

十一面観音立像を安置していて

平安時代後期の作なんだそうです。


さて、ここで

袋中について簡単ではありますけれど

ご紹介したいと思います


袋中は、1552年(天文21年)に

磐城国(いわきのくに・現在の福島県いわき市)に生まれ

その後、明に渡るために琉球王国に行きました。


袋中は、渡明を果たすことは出来ませんでしたが

琉球の地で渡明の船を探す傍ら

浄土宗の布教に努めたと言われています。


袋中上人御親筆大名号碑

本堂前にある『袋中上人御親筆大名号碑』です。袋中が4m以上の料紙に書いたものを実物大に刻印したものです。


ちなみに当時の琉球国王である

尚寧王(しょうねいおう)は

袋中のために桂林寺を建立し

深く帰依したんだそうですよ。


その事がわかるものとして

檀王法林寺には

尚寧王の親筆である

『袋中上人図像』が残されているんです


また、浄土宗の教えである

「ただ念ずることによって救われる」というものは

広く琉球の一般民衆にまで影響を及ぼしたそうで

沖縄に古くから伝わっている

伝統芸能エイサー踊りにも

念仏踊りの影響がみられるんだそうです。


沖縄では、袋中の事を

エイサーの祖と考えている人も多いみたいなんですね。


そんな事から今でも沖縄の方が

京都を訪れた際には

檀王法林寺に

お参りに来られる事も多いとか


また境内には保育園があり

日本で最初に夜間保育を始めた事でも

知られています。


この辺りは歓楽街が近いこともあり

多くの子供が預けられているそうです。


ちなみに『どげざ前』などとして

京都でも有名な待ち合わせスポットにもなっている

高山彦九郎先生皇居望拝之趾(たかやまひこくろうせんせいこうきょぼうはいのあと)

が直ぐ近くにあるんですよ


そんな檀王法林寺の場所はコチラ↓


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