メモ2013-08-03
テーマ:神社
関連:小正月祭(花山稲荷神社) / 初午祭(花山稲荷神社) / 

花山稲荷神社

今回ご紹介する神社は・・・

花山稲荷神社

花山稲荷神社(かざんいなりじんじゃ)です


京都市山科区にある、こちらの神社は

平安時代初期、醍醐天皇(第60代天皇)が

夢の中で受けたお告げがきっかけとなり

建てられましたっ


こま札

903年3月、醍醐天皇の

曽祖父(そうそふ・ひいおじいさん)にあたる

宮道弥益(みやじいやます)の邸宅が山科にあった事から


醍醐天皇が、この地を訪れたと言われ

その際に、この辺りの美しい景色に見とれて

車を止めたと言われています。


ちょうどその頃は、桜の季節ですからね~。

山間に咲く、綺麗な桜に思わず目を奪われたのかもしれないですねっ


この事が理由にあるのか定かではありませんが

その夜、白髪で白ヒゲの老人(神様)が夢の中に現れ

「私をあの地に祀れば、国民と国土をお守りしましょう。」

という神託を受けたそうです。

醍醐天皇は、その時に、名前を尋ねると・・

「私は宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)であるっ!」

と、答えたそうです。


拝殿の奥に本殿

拝殿と奥に本殿です。


この神様は『稲荷大明神』とも言い

全国の稲荷神社に祀られている神様なんですね。

この他にも、穀物の神様とも言われています。

※稲荷神社でよく見かける『狐』は宇迦之御魂大神の神使(しんし・神様の使い)とされています。


こうした事がきっかけで

宇迦之御魂大神の神託通りに

この地に社殿を建てて、神託通りに宇迦之御魂大神を含む

三柱を祀ったんですよ

※この他、宇迦之御魂大神の母親である神大市比売大神(カムオオイチヒメノオオカミ)などが一緒に祀られています。


花山神社

ちなみに、神社の名前にもなっている『花山』とは

この辺りの旧地名であったり

花山稲荷神社を篤く崇敬したと言われる

花山天皇(かざんてんのう・第65代天皇)の名から

取られたとも言われています

※ちなみに、醍醐天皇はこの他にも、山科の地に勧修寺も建てているんですよ。


大石内蔵助良雄寄進の鳥居

こちらの本殿裏にある鳥居は

『赤穂浪士討ち入り事件』で有名な

大石内蔵助良雄(おおいしくらのすけよしお)が

寄進した物と言われています。


通常、木製の鳥居は根元が腐ってしまえば撤去されるそうなんですけれど

根接(ねつぎ・柱の根元の腐った部分を新しい物と取り替える事)をしてまでも

残された鳥居なんだそうです。

※赤穂浪士討ち入り事件について詳しくは、山科義士まつり 2010(大石神社)の記事を大石内蔵助良雄について詳しくは、義士会法要 2011(法住寺)の記事をご覧ください。


この他にも

断食石

断食石


断食をしてまでも討ち入りの策を考えたと言われている石です。

もともとは藪(神社背面)の中にあった

巨岩(10畳程)で古くは岩座(いわくら)だったと言われています

※岩座とは、神様が宿る(座る)場所(石)を意味する言葉です。


農地開発で耕作の邪魔になり爆破されたそうですけれど

内蔵助の話が失われるのを惜しんだ当時の神主が

破片の中でも1番大きかった物を境内に置いたそうですよ。


血判石

こちらは同志の心底を試したと言う

『血判石』です。


この石の上で志の固さを示す為

四十七士は自らの血で判を押したという事なんですね


大石内蔵助良雄は

山科近辺に隠れていた事は有名ですよね。


花山稲荷神社を崇敬し

大願成就を祈願したと言われているんですよ


境内にはいくつか摂社がありますので

ご紹介したいと思います。


熊丸神社

熊丸神社(くままるじんじゃ)


海の神様として知られる速秋津比売大神(はやあきつひめのおおかみ)を祀っています。

本殿にお参りする前に、『穢れ』を海水で流す意味で

「まずは熊丸神社で参拝を済ましてからいらしてください」

との事です。


達光宮

達光宮(たつこうのみや)


ここには、金山比古大神(かなやまひこのおおかみ)らを祀っています。

この神様は金属の神様と言われているんですが

実際にここに参拝したというのが・・・

平安時代後期の刀工『三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)』です


彼は名刀工と言われ

祇園祭の長刀鉾のてっぺんに付いている鉾を

作った事でも知られています。

※詳しくは祇園祭 長刀鉾八坂神社)の記事をご覧下さい。


そんな彼のお話で謡曲『小鍛治』でも語り継がれる

有名なエピソードが

名刀『小狐丸』を作り上げたお話です


「都を守る為の名刀を作りなさい。」

という神のお告げを受けた

一条天皇が、三条小鍛治宗近に依頼をする事から

始まるお話で

彼が童子の姿をした狐と協力して

名刀『小狐丸(こぎつねまる)』を作るんですね~。

※詳しいお話の内容に関しては合槌稲荷神社の記事をご覧下さい。


その際に、この達光宮を参拝したと言われています。

ちなみに毎年11月には、三条小鍛冶宗近にまつわる

ふいご祭(火焚祭)が行なわれています

※『ふいご』は漢字で鞴と書きます。これは火の燃焼を調整する為の工具で、鍛冶仕事で使われる器具のひとつなんですね。

この地にて、刀作りをしたと言われている事から

境内には『塚(稲荷塚)』が建っています。


四社神社

四社神社(ししゃじんじゃ)


四柱を祀る神社です。中でも

久久之智大神(くくぬちのおおかみ)は

草木の神様・家屋の神様と言われています。

この他にも土や肥料の神様などを祀っているそうですよ。


水分社

水分社(みくまりのやしろ)


こちらには、水の神様と言われる

国之水分大神(くにのみくまりのおおかみ)など

水にまつわる神様を祀っています


御嶽山御塚

御嶽山御塚(おんたけさんおつか)


ここには、国譲りの神で知られる

大国主命(おおくにぬしのみこと)や

薬の神様で知られる

少彦名命名(すくなひこなのみこと)を祀っています。

ちなにに神話によると、この2人が強力して

国作りを最初に行なったといわれています

※詳しくは北白川天神宮の記事をご覧下さい。


そんな『大石内蔵助良雄』ゆかりの物がある

花山稲荷神社の場所はコチラ↓


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