メモ2013-03-31
テーマ:祭り・イベント
関連:はねず踊り 2012(隨心院) / はねず踊り奉納法会(隨心院) / 隨心院 / 

はねず踊り(隨心院)

こんにちは京子です

本日ご紹介するのは

隨心院

隨心院(ずいしんいん)で行われた・・・

はねず踊り

はねず踊りです


平安時代中期の歌人で、絶世の美女と言われる

小野小町(おののこまち)が

晩年を過ごしたと言われる隨心院にて行なわれるイベントで

この地(小野)に伝わる童歌『はねず踊り』を奉納します。

※小野小町については補陀洛寺の記事をご覧下さい。


はねず踊りとは

小野小町と深草少将(ふかくさしょうしょう)に

まつわるエピソード『百夜通い』をベースにした

童歌です。

100日もの間、毎晩

山を越えて少将が小町の元へ会いに行ったと言われる

『百夜通い(ももやがよい)』のエピソードは

能などでも演じられる程、有名なお話です

※百夜通いについて詳しくは欣浄寺の記事をご覧下さい。


はねず踊り

世間一般に知られている話の結末は

少将が100日目の日に雪山で凍死してしまい

想いが成就する事がなかったという悲しいストーリーです。

※能舞台ではこの話しをモチーフにした演目『通小町・かよいこまち』『卒都婆小町・そとばこまち』があります。これらは思いを達成出来なかった少将の怨霊が登場し小町を苦しめるというお話です。


しかし、隨心院に伝えられる童歌・はねず踊りでは

大雪を理由に

99夜目の夜に少将は代役を立て、小町の元へと行かせますが

それが小町にバレてしまい、フラれるんですね


その後、小町は少将の事を忘れ

近所の子供たちと、隨心院にて

楽しく過ごしたという歌なんです。


この童歌が語り継がれ

はねずの咲く季節に

隨心院のお庭で子供達が歌い踊っていたそうです。

※「はねず」とは薄紅色という意味です。また、隨心院の梅を「はねず」と呼んでいたそうです。


その後、はねず踊りは途絶えてしまいますが

復活の声に応える形で

昭和48年より『はねず踊り』が

隨心院にて毎年開催されるようになりました


今年はちょうど40年目にあたる年であり

『はねず踊り保存会』が結成し10年目を迎えたそうです。


はねず踊り

開催日は3月最終日曜日です。

境内には梅や桜が咲く中

藥医門前の特設ステージにて『はねず踊り』が行われます

では早速レポートしていきましょう!


多くの観覧者が見守る中

小町役4人・少将役4人・傘持ち2人が登場します

メンバーは小学生3年~6年生の女の子で

1日で4回(11時・12時半・13時半・15時)踊りを披露するんですよ。


はねず踊り

小町役は、笠の縁が赤で裾が緑色の女の子です。少将役は笠の縁が白です。


登場した瞬間

観客席からは「かわいい~」という声が上がっていました。


はねず踊り

伴奏と歌に合わせて

小町役と少将役が踊り始めます。

※手に持っているのは梅の枝(はねず)ですね。


はねず踊り

ちなみに、どのような歌詞で歌われているのか

一部抜粋してご紹介しますと・・・

『少将様が深草(ふかくさ・京都市伏見区の地名の1つ)から通うてござる

『榧(かや)の木の実で9つ10と、日数を数えて今日もてくてく、よーお通いじゃ

と、1番では歌っています。


はねず踊り

ちなみに2番では少将が代役を立てた事が

小町にバレてしまいます。

『雪の夜道をとぼとぼと、今日でどうやら九十と九夜

『百夜まだでも まぁお入りと・・開けてびっくり、お代わりじゃ!』

といった内容です。


動画でじっくりとご覧下さい。


こうして10分程の踊りが終了すると

今度は白拍子(しらびょうし)による

今様(いまよう)が披露されます。


白拍子

今様は平安時代~鎌倉時代の歌舞で

主に貴族の前で披露されていたものです

当時は伴奏が無く、拍子だけで舞っていた事から

白拍子と呼んだんですね。


小学生の時にはねず踊りを踊っていた子が、大きくなると白拍子役になるそうですよ。


はねずと同様に小町と少将について歌った歌詞に

琴の伴奏を付けて舞います。

こうして今様が5分ほどで終了しました。


ちなみに

今年のはずね踊りでは、この後に


石見神楽(いわみかぐら)の奉納もありました。

※出雲神楽は11時と13時半の2回のみです。この石見神楽は毎年行なわれるものではありません。


石見の国(現在の島根県西部)に伝わる神楽で

今回は、数ある演目の中から

『大蛇(おろち)』が演じられました。

※演じたのは京都造形大学の方々で、石見神楽の習得・研究・創作をされているそうです。


お話は神話(古事記)に基づくもので

スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治するというものです


8つの峯、8つの谷に渡る程の大きさの化け物

ヤマタノオロチに

7人の娘を生贄に捧げた老夫婦がいました。


そして、とうとう

最後の娘であるクシナダヒメを捧げなければいけない

という状況だったのです。


そんな時に登場したのがスサノオノミコトです!

彼は出雲の国に向かう途中で、この夫婦と出会ったんですね。

事情を聞いたスサノオノミコトは1つの提案をします。


ヤマタノオロチを退治した際は

クシナダヒメを嫁にしてもいいか?というものです。

もちろん、老夫婦は「生贄に捧げるくらいなら嫁に貰ってくれ」とOKの返事を出しました。


ちなみにスサノオノミコトは

ヤマタノオロチに酒を呑ませ、酔わせて動きが鈍くなったところを

やっつけるという作戦を立てて実行します。

スサノオノミコト

演目の見所はなんと言っても、息の合ったヤマタノオロチの登場シーンやスサノオノミコトが成敗するシーンですね。


酒を呑むヤマタノオロチ

スサノオオノミコトは

まんまと罠に引っかかったヤマタノオロチを見て

剣を振りかざして戦いに挑みます!


こうして見事に次々とヤマタノオロチの首を取ると

会場からは拍手が巻き起こっていました

※大蛇のお話について、詳しくは貴船祭 2012(貴船神社)の記事をご覧下さい。


そんな『はねず踊り』が行なわれた

隨心院の場所はコチラ↓


大きな地図で見る


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