今回ご紹介するのは
京都に古くからある伝説を
いくつかご紹介したいと思います
京都は、『魔界』と
表現する人がいるくらい
数々の伝説が各地に伝わっている
場所でもあるんですね
そしてそういった伝説は、うわさ話程度で終わらずに
能や狂言に取り入れられたりするものもあります
あなたの知らない京都が
まだまだあると思いますよ~
それでは早速、ご紹介していきましょう
■大井神社の鯉明神(おおいじんじゃのこいみょうじん)
場所:亀岡市大井町並河1丁目3-25
大井神社は、亀岡市大井町にある神社で
こちらの神使は『鯉』なんですね~
亀岡はかつて
『丹の湖(にのうみ)』とも呼ばれた
大きな湖だったんですけれど
ある時、国譲りの神で知られる
大国主命(おおくにぬしのみこと)が
水を吸い上げて平地にした事で
『丹の国(にのくに)』と呼ばれる国が
出来ました
この話を聞いた松尾に住む神々は
一度見てみたいと言って
亀に乗り、丹の国を目指して
川を上っていったというんですね
けれど途中、川の流れや勢いが増して
亀では川を上る事が出来なくなってしまったのです
困り果てた神々の前に登場したのが
『鯉』だったんですね~
鯉の額
鯉は「私の背中に乗って下さい!」と言って
見事に激流を駆け上り、神々を丹の国に
連れてやって来たといわれています
その後、神々はこの地に鎮座し
社が建てられる事となって
鯉は神使として崇められるようになったんですね
この伝説から神社のある亀岡市大井町では
鯉を食べたりとか、飼ったりする事はもちろんの事
触れたりする事も慎んでいるようです。
ちなみに子供の日の『鯉のぼり』も
掲げてはならないんだそうですよ
※詳しくは、大井神社の記事をご覧下さい。
■御辰稲荷神社の福石(おたついなりじんじゃのふくいし)
場所:京都市左京区聖護院円頓美町29-1
御辰稲荷神社には福石大明神
(ふくいしだいみょうじん)をお祀りする
小さいな祠があるんですけれど
こちらには、ある不思議な話が残されているんですね
その昔、とても貧しい夫婦の奥さんが
「いつか我が家にも幸せが来ますように!」と
御辰稲荷に百日祈願をしたそうです
満願の日、お参りが終わった彼女は
境内でウトウト寝てしまいました
どれくらい眠ったのかわかりませんけれど
彼女は襟首に冷たい風を感じて
ふと目を覚ますんですね
その時、彼女の右手には
1つの黒い石が握られていたそうです!
御辰稲荷神社の真黒小石
彼女は、この石を
「御辰稲荷が授けてくれた!」と思い
家に持ち帰り、大切に神棚にお祀りして
祈願したというんですね~
その後、彼女は娘を授かり
その娘がなんと!大名のお部屋様
(男児を産んだ側室の事)にまで
なったというんですよ~!
それによって貧しかった夫婦は
幸せに暮らせたといわれています
※詳しくは、御辰稲荷神社の記事をご覧下さい。
■鞍馬寺の大蛇退治伝説(くらまじんじゃのだいじゃたいじ伝説)
場所:京都市左京区鞍馬本町1074
鞍馬寺には、鞍馬寺の中興の祖といわれる
峯延(ぶえん)というお坊さんの
大蛇退治の話が伝わっています!
平安時代、峯延が
護摩修行を行っていた時
鞍馬の山から2匹のオスとメスの大蛇が
現れたそうなんです
峯延は、オスの大蛇を法力で見事に仕留め
もう1匹のメスの大蛇は
命を取らずに許したといわれています
その際、メスの大蛇には
鞍馬寺の本尊にお供えする
香水(こうずい)を絶やす事なく
守護する事を誓わせたそうです。
竹伐り会式(たけきりえしき)
鞍馬寺はこの話にちなんで
毎年6月20日に青竹を大蛇に見立て
『竹伐り会式(たけきりえしき)』が
行われています
※詳しくは、竹伐り会式 2012(鞍馬寺)の記事をご覧下さい。
■墨染寺の墨染桜(ぼくせんじのすみぞめざくら)
場所:京都市伏見区墨染町741
伏見区にある墨染寺の桜は
ある伝説から『墨染桜(すみぞめざくら)』と
呼ばれています
平安時代前期、初代関白で知られる
藤原基経(ふじわらのもとつね)が
この地に葬られました
その時、彼の死を惜しんだ歌人
上野峯雄(かんつけのみねお)は
「深草(ふかくさ)の 野辺の桜し 心あらば
今年ばかりは 墨染めに咲け」
と詠んだそうです
つまり彼は
『深草に咲く桜よ。お前にも心があり
藤原基経が亡くなり悲しんでいるのであれば
今年くらいは、白やピンクではなく
墨染め(すみぞめ・墨で染めた色で、灰色の事)色に咲いてみよ。』
と言ったんですね
※喪の色と言えば、現在では白と黒ですが、その昔、平安貴族などは喪服には灰色のものが用いられたそうです。
すると不思議な事に深草の桜が
墨染めの色に染まったといわれているんですね~
という事で、今回は
京都に古くからある伝説を
ご紹介させていただきました