今回ご紹介するのは
八坂神社境内の南門側に店を構える
![二軒茶屋 中村楼](2014/07/30/01/2014-07-30-0.jpg)
二軒茶屋 中村楼(にけんちゃやなかむらろう)です!
7月1日から始った祇園祭も
残すところ31日の疫神社夏越祭(疫神社(蘇民将来社))のみと
なりましたね~
そこで今日は
この祇園祭の7月13日から31日までの間
二軒茶屋で食べられる稚児餅(ちごもち)を
![稚児餅](2014/07/30/01/2014-07-30-2.jpg)
ご紹介したいと思います
ちなみに稚児餅は
中村楼が祇園祭に際して
男性だけで作り、八坂神社に代々献じてきた
お餅の事なんですよ
![二軒茶屋の店内の様子。](2014/07/30/01/2014-07-30-3.jpg)
二軒茶屋の店内の様子。
この稚児餅は
拾遺都名所図会(しゅういみやこめいしょずえ)にも
書かれており
「毎年6月朔日には炙餅(あぶりもち)を
串にさして豆腐に合わせ味噌引きとし
これを合餅(あわせもち)という氷餅(こおりもち)に准へしもの」
と載っています
※拾遺都名所図会とは、江戸時代後期に発行された京都名所案内ガイド本です。
7月13日の午前に
長刀鉾(なぎなたほこ)に乗る稚児が
八坂神社に社参をし
御位貰いの儀(おくらいもらいのぎ)で
![長刀鉾稚児の社参](2012/07/13/01/2012-07-13-6.jpg)
長刀鉾稚児の社参
神の使いとなります。
※長刀鉾稚児の社参について詳しくは、祇園祭 2012 長刀鉾稚児社参(八坂神社・長刀鉾保存会)の記事をご覧ください。
そして午後になると
今度は久世稚児(くぜちご)が八坂神社に社参をし
![久世稚児の社参](2013/07/13/01/2013-07-13-4.jpg)
久世稚児の社参
神役の奉仕をする宣状を受け取ります。
※久世稚児の社参について詳しくは、祇園祭 2012 久世駒形稚児社参(八坂神社)の記事をご覧ください。
それぞれの稚児は八坂神社の帰りに
中村楼で休憩を取るんですけれど
そこで振舞われるのが
稚児餅なんですね♪
そして、この稚児に振舞われる稚児餅と
同じものが期間限定で
食べられるというわけなんです
写真を見ればお分かり頂けると思うんですけれど
稚児餅は2本に割った竹串に刺され
細長いお餅の表面には味噌を塗り炙ってあるんですね~
![味噌を塗り炙ってある稚児餅](2014/07/30/01/2014-07-30-2.jpg)
食べた感想としては味噌のお焦げが香ばしく
素朴な味わいでとてもおいしかったです。
ちなみに稚児餅を食べると
夏やせをしなくなることや
疫病を除ける事が出来ると言われているそうですよ~
お持ち帰りも出来るみたいですから
ご興味のある方は足を運ばれてみてはいかがでしょうか
ここで少し二軒茶屋 中村楼についても
少しご紹介しておきますね。
二軒茶屋という名前からも想像できますように
もともと八坂神社の南門には
二軒の茶屋があったと言われています。
![中村楼](2014/07/30/01/2014-07-30-1.jpg)
1つは今回ご紹介している中村楼です。
中村楼は、南門の東側に店を構え
もともとは柏屋という名前だったようですよ。
そして、西側には
藤屋と呼ばれる茶屋があったんだそうです
※藤屋は明治になるとなくなってしまい、名残は井戸しかありません。
![井戸](2014/07/30/01/2014-07-30-5.jpg)
井戸
その二軒の茶屋があった事から
二軒茶屋というんですね
歴史をもう少し紐解いてみると
藤屋が先にこの地で茶屋を営んでいたみたいで
その後に柏屋が出来たそうですよ。
![説明書き](2014/07/30/01/2014-07-30-4.jpg)
2つの茶屋は大変流行っていたようで
藤屋は、比叡山の阿閣梨(あじゃり・徳の高い僧)が
洛中に来た際に立ち寄るのが慣例になっていたそうです。
そして柏屋には、オランダ国公使が京都に来た際
名物の豆腐切りを見物していくのが決まりになっていたと伝わっています。
ちなみに豆腐切りとは
江戸時代中期、柏屋の豆腐田楽『祇園豆腐(ぎおんとうふ)』が
大変人気で、豆腐を店前で切るパフォーマンスの事です
二軒茶屋は田楽豆腐発祥の茶屋と言われ
現在も豆腐田楽は食べることが出来るんですよ~
最初の方で少しご紹介しましたけれど
明日は八坂神社の西門を入ってすぐの所にある
疫神社で半年の穢れを祓う
疫神社夏越祭が行われます。
稚児餅は明日までしか食べれないので
行かれる際は神事に参加してみてはいかがでしょうか
※疫神社夏越祭について詳しくは、祇園祭 2012 疫神社夏越祭(疫神社)の記事をご覧ください。
そんな二軒茶屋 中村楼の場所はコチラ↓
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