今回ご紹介するのは
久世郡久御山町(くぜぐんくみやまちょう)にある
常盤神社(ときわじんじゃ)です
久世郡久御山町は
京都の南部に位置しています。
実はこの久御山町
かつては大部分が
『巨椋池(おぐらいけ)』と呼ばれる
大きな池だったんですよ
どのくらい大きかったのかと言いますと
なんと京都御苑の約4倍!の大きさだったんですね。
京都府下で最大だったようですよ
そんな久御山町にある常盤神社は
かつて牛頭天王社(ごずてんのうしゃ)といって
牛頭天王(ごずてんのう)を
お祀りしていた神社だったと言われています。
牛頭天王というのはインドで
釈迦が説法を行った場所である
祇園精舎の守護神とされています
ちなみに中国では
『道教の神様』
朝鮮半島では
『牛頭山(ごずやま)の神様』と言われているんですよ。
そして日本で
牛頭天王と同一視されているのが
素戔嗚尊(すさのをのみこと)なんです
素戔嗚尊は
古事記(こじき)、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の話で有名ですよね。
※詳しくは貴船祭 2012(貴船神社)の記事をご覧ください。
お釈迦様は仏教で
神社は神道ですから
神道と仏教が結びついた
神仏習合だったというわけです。
こういった神仏習合というのは
昔は珍しいものではなく
1868年に明治政府が出した
神仏分離令までは習慣としてありました
神仏分離令では
牛頭天王社という名前が
仏号ということから
野村神社へと名前を改めることになったそうです。
かつては境内の中に
長福寺や地蔵院を抱える程
広大な敷地だったと言われています。
※東西二十三間(約41メートル)、南北八十間(約145メートル)ほどあったそうですよ。
しかし境内地の多くを政府に没収される
『上地(あげち)』が行われ
現在の大きさになったそうです
※神仏分離令について詳しくは泉涌寺 その1の記事をご覧下さい。
その後、名前を常盤神社と改称して
現在に至るそうですよ。
こちらはおそらく舞殿だと思います。
そしてその舞殿の周りには・・・
立派な大木がありました~
凄く大きいですよね~?
こちらはご神木の
楠(くすのき)なんですけれど
実は、戦前に少し切られちゃったそうなんですよ
切られちゃった理由は
その昔、この近くに軍の滑走地があったそうで
飛行機の離発着の際に
邪魔になったみたいなんです!
それで「エィ!」と
上の方を切っちゃったみたいです。
戦前に切られたとはいえ
そんな事を感じさせないくらい
凄く立派な大木ですよね。
まさに霊験あらたかといった感じです
こちらが本殿になります。
本殿ななめ横には稲荷社もありました。
こちらが蔵王社(ざおうしゃ)です。
かつては蔵王権現社と呼ばれていたそうで
今でも親しみを込めて、
「ざおうさん」と呼ぶ
氏子の方もいるそうですよ
蔵王社では、3月6日の春祭りで
鉢巻飯(はちまきめし)といった
珍しい神饌をお供えする神事が行われます。
※鉢巻飯について詳しくは、春祭り 2014(蔵王社)の記事をご覧下さい。
また常盤神社では、10月16日の秋祭りで
竹串に柿や栗、柚を刺した、珍しい神饌が
お供えされるそうです
京都市内では見る事の出来ない珍しい神饌を
常盤神社では見ることが出来るんですね。
そんな常盤神社の場所はコチラ↓
大きな地図で見る