今回は京都に古くから伝わる
独特の習わし(風習)をご紹介したいと思いますっ
食文化から、一部の地域に残る伝統的な行事など
幅広く取り上げてみましたので、是非ご覧下さい~。
では早速いってみましょう!
・冬至の日には『ん』の付く食べ物を2つ食べる
一年でもっとも日照時間が短く
夜が長いとされる冬至の日(毎年12月22日頃)には
ゆず湯に入ったり、かぼちゃを食べたりするのが一般的に
知られていますよねっ。
しかし、京都ではこの日に『ん』の付く食べ物を2つ食べると運気が付くと言われているんです!
実は、かぼちゃもその食べ物の1つですが
一般的に『冬至の日にかぼちゃを食べる理由』には別の意味があります
それは、緑黄色野菜の摂取が不足がちになる冬に
栄養価の高いかぼちゃを食べて
中風(ちゅうふう・脳障害による半身不随や言語障害、手足のしびれ)除け
をするというものなんですね
冬至の日に合わせて行われる、不思議不動院の『かぼちゃ大師供養』です。参拝者には甘く煮立てた『かぼちゃ』が振舞われるんですよ。詳しくはかぼちゃ大師供養 2012(不思議不動院)の記事をご覧下さい。
では、冬至の日に運気を付ける理由とは何なのか?と言いますと・・
冬至の日より、再び日照時間が長くなる事から
一陽来復(いちようらいふく)の日とも言われています。
※一陽来復とは『冬が終わり春が来る事』『物事が好転する事』などを意味する言葉です。
つまり、この時に『ん』の付く食べ物を食べて
さらに運気を上げよう!という事なんですね。
京都には『冬至の七種』と言われる食べ物があり
この中から2つを食べると良いとされているんですよ
・なんきん(南瓜 かぼちゃの事)
・にんじん(人参)
・きんかん(金柑)
・れんこん(蓮根)
・ぎんなん(銀杏)
・かんてん(寒天)
・うんどん(うどん)
この風習は、公家文化が起源となっているそうです。
ちなみに、かぼちゃ事を『なんきん』と呼ぶのは
近畿地方や西日本独特だそうですね~。
・夏には鱧(はも)を使った料理を食べる
鱧?何それ?と関東の方は思われるかもしれませんが
これは京都の夏の風物詩と言われる魚なんですよ
ちなみに、この鱧が食べられる時期と、祇園祭の期間が重なる事から、祇園祭の事を別名『鱧祭(はもまつり)』と言ったりするそうですよ。
この鱧は、小骨の多い魚で調理も大変なのですが
なぜ京都で多く食されていたのかと言うと・・
強い生命力がポイントなんですね!
その昔、海が近くに無い京都では遠方より魚が持ち込まれました。
しかし夏場になると、多くの魚は道中で
死んでしまったのです。
しかし、生命力の強い鱧は
夏場でも生きたまま持ち込めた事から
京都の料理人に重宝され、好んで調理されるようになり
京の食文化に欠かせないものとなりましたっ
・お寺では大念仏狂言が奉納される
京都に伝わる芸能文化の1つ『大念仏狂言』とは、通常の狂言と違い
言葉を一切発しない(セリフの無い)無言劇です!
※京都を代表する大念仏狂言の中で『本ゑんま堂大念佛狂言(せんぼんえんまどうだいねんぶつきょうげん)』のみセリフが入ります。
起源は鎌倉時代にまでさかのぼるのですが
どうして無言なの!?と言いますと
・・・一度に多くの人に伝えたかったから!なんですね
清凉寺でも毎年、春と秋の2回、公演が行われています。
当時は、マイクも拡声器もない時代です。
セリフが入ったものでは、数千人、数万人に一度に伝えるのは
不可能だったんですね。
そこで、あえてセリフは入れず
身振り手振り(今で言うパントマイム)だけで、多くの人に分かりやすく伝えようとした事が理由にあるそうです。
ちなみにお寺で奉納される理由は
大念仏狂言の起源はお坊さんの説法を分かりやすく伝える為の
宗教劇だったからだそうです。
※現在でも壬生寺や千本ゑんま堂(引接寺)、清凉寺で奉納が行われています。詳しくは京都3大念仏狂言の記事をご覧下さい。
・洛北の地では『松上げ(まつあげ)』と呼ばれる火祭が行われる
京都の洛北を中心とした各山村に伝わるのが『松上げ』です
毎年8月後半に行われ
燈籠木(とろぎ)と呼ばれる10~20メートル程の木の棒の先端に
カゴを取り付け、そこに火の点いた松明(地松・じまつとも言います。)を
投げ入れ、点火させるというものです。
※雲ヶ畑(くもがはた)にて行われる『松上げ』のみ、松明の投げ入れは行っていません。
弧を描きながらいくつもの松明が、夏の夜空に交差する、京都独特の火祭なんですよ~。
点火される前の松明です。放り投げやすいように紐が付いています。
松上げの起源は古く、平安時代後期には行なわれていたとも言われ
松上げには『火難除け』や、お盆に迎えた精霊を送る『送り火』の意味があるそうです。
それぞれのエリアにて行われる松上げの詳細について
詳しい事は『京の松上げ巡り』の記事をご覧下さい
という事で、京都独特の習わし(風習)を
ご紹介させていただきましたっ!