こんにちは京子です。
本日は世界遺産である下鴨神社で行われました
蹴鞠初め(けまりはじめ)をご紹介します。
蹴鞠は1470年程前に中国(アジア)から伝わったと言われ
当時は鞠を蹴り上げるというよりも
サッカーの様に蹴り合う形だったかも知れないそうです。
平安中期には貴族の間で流行っていましたけれど
鎌倉時代には武士の間で
室町時代から江戸時代になると庶民の間でも普及したそうですよ
舞殿と神服殿の間に設けられた鞠庭(まりにわ・縦横15メートルほどの広さ)で
水干(すいかん)や烏帽子(えぼし)を身に着けた蹴鞠保存会(しゅうきくほぞんかい)の方々により蹴鞠を奉納するというイベントです
※使用される鞠は直径約20センチ程の大きさで鹿の革を使って作られています。
蹴鞠保存会の方々は
蹴鞠の流派『飛鳥井流(あすかいりゅう)』を受け継がれているんですよ。
※詳しくは、春季例大祭・淳仁天皇祭 2012(白峯神宮)の記事をご覧ください。
それでは早速レポートしていきましょう。
14時に下鴨神社に到着すると
お正月という事もあり既にたくさんの人で賑わっていました
しばらくすると神官や蹴鞠保存会の方々が入場し
所定の位置に座ると
『解鞠(ときまり)の儀』が行われます
どういう儀式なのかと言いますと
枝鞠(えだまり)から鞠を解き放つという儀式です。
枝鞠は鞠と枝が紙縒(こより)と呼ばれる紐で結び付けられた物を言い
使われる枝は時期によって、松や桜、桃に楓など季節毎の枝が使われているそうです
具体的にどの様な事をするのかと言いますと
13時半、本殿でお祓いされた枝鞠を
神官から保存会の方が受け取り
1番偉い長老へと渡します。
長老は枝鞠を受け取ると
南西の方角から国家安泰や五穀豊穣を願いながら
ゆっくりと鞠庭の中央付近まで移動します
そしてしゃがみ込むと
枝鞠を袖で覆って枝から鞠を外します。
解鞠が行われる様子は動画で見て下さいね♪
解鞠が終わると長老は鞠を中央に置いて
舞殿横の座っていた場所へと戻ります。
その後、1番偉い長老に続いて
合計8人のメンバーが鞠庭へと入って行きます
※この時、入る順番が偶数番目(2人目、4人目、6人目、8人目)になるメンバーは奇数(1人目、3人目、5人目、7人目)の人の対角線上に座らなくてはならないそうです。
長老(1番目)から先に入るのは
坪庭(建物の間にある庭)で行われていた頃
水溜まりや直射日光の当たる場所を避けて
偉い人が自分の座る場所を決めたのが名残りだと言われています
さて8人が位置に着くと
鞠の感触を確かめる為に
長老から『小鞠(こまり・試し蹴り)』を行います。
この時、8番目の人が鞠を7番目の人に渡し
7番目の人から1番目(長老)の順番で鞠を渡します。
※長老が1番偉いので直接は渡さないそうです。
その時の様子は動画でご覧ください。
この後いよいよ『蹴鞠の儀』が始まるのですけれど
先に蹴鞠のルールをご紹介しちゃいます
蹴鞠には一般的な競技にある様な
勝敗があるわけではありません
「じゃぁ、どうやって勝負するの?」と思うかも知れませんけれど
蹴鞠は勝負をするのではなく
ラリーが長く続けられるかという事に重点を置いています。
それ故に時間の区切りもないんですよ
と言っても永遠に続けるのではなくメンバーの様子を見て
休みたくなった頃にやめるという仕組みなんです。
※1グループを1座と言い、だいたい10分~15分で終わると言われています。
またラリーもただ続けばいいというわけではなく
雅さが大事なんです。
鞠を蹴る時は次の人が打ち返し易い鞠を渡し
返す人も
『受取鞠(うけとるまり・鞠を受け止め)』
『手分の鞠(てぶんのまり・体制を整え)』
『渡す鞠(わたすまり・相手へ渡す)』
という3回蹴って次の人へ渡す
『一段三足(いちだんさんそく)』が良いと言われています。
※打ち返せなかった人よりも打ち返しにくい鞠を渡した方が悪いという考えのようです。
その他にも
・上半身は動かさない
・鞠が落ちる寸前に右足の指の付け根くらいで蹴る
・足の裏は見せない
・後ろ向きで蹴り返さない
といった作法もあるんですよ。
また蹴鞠の時の掛け声も独特で
「アリ」「ヤア」「オウ」と言いながら
ラリーを続けられます。
長く続いたラリーは場内から
歓声が沸きあがっていましたよ
1座の終わりは長老に鞠を渡して
鞠が中央に置かれると終了となります。
この後も保存会の方が2座(15人が8人ずつ2回)に分けて
蹴鞠を披露されていましたよ。
実際の蹴鞠の様子は是非、動画でご覧ください♪
途中、雪が降りすぎて中止になるかも知れなかったのですけれど
徐々にやんで幻想的な雰囲気の中、行われた蹴鞠は
とっても雅で皆さん魅了させられているようでした
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