こんにちは京子です!
さて、本日ご紹介するのは
隨心院(ずしいんいん)で行われました・・・
はねず踊りです♪
小野小町邸跡として知られる隨心院では
毎年、小町を偲び3月の最終日曜日に行っているイベントです
境内ではぜんざいが振舞われていました♪
小野小町と言えば
「花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせし間に」
で有名な平安時代の女流歌人ですよね♪
ちなみに、どういう意味かと言うと
長雨によって桜の色は移ろい、色褪せてしまったようね。
私自身も物思いにふけっている間に、美しかった頃を過ぎてしまったわ・・・。
と歌われているんですね
絶世の美女と言われた小野小町にちなみ
美人である人に対して
『小町娘』や『○○小町』と呼んだりするんですね
では、そんな小町ゆかりの『はねず踊り』を
早速レポートしたいと思います♪
10時前に到着した京子。
境内の藥医門の前に特設ステージが組まれ
すでに多くの参拝者の方で賑わっています
笠の縁が赤く緑色の裾が小野小町の役で、笠の縁が白いのが深草少将の役です。
ステージには
小学生高学年の女の子たちが
花笠を被り、小袖(こそ・袖口の小さい着物)姿で登場
歌に合わせみんなで一斉に踊ります
時折、腰に挿した梅の枝を使いながら
可愛らしい振り付けで参拝者を魅了します♪
※公演は11時、12時30分、13時30分、15時の全4回行われています。
ちなみに、うす紅色の事を古くは『はねず』と言ったんですね。
さて、この踊りに合わせて流れている歌は
かつて、この土地に伝わる童謡だったものです。
歌の内容はと言いますと
その昔、小町に恋をした深草少将(ふかくさしょうしょう)という男性が
「百夜(100日の間)、毎日私の元へ通い続けてくれたら一緒になってあげてもいいわよ♪」
と小町に言われ・・・毎夜、山を越えて通ったというものです
このエピソードを『百夜通い(ももやがよい)』と言います。
※百夜通いに関して詳しくは欣浄寺の記事をご覧下さい。
はねず踊りで流れる歌の中では
百夜通いの話の終わりが違うんですね
広く一般に知られているお話では
少将が100日目の日に雪山で凍死してしまい
想いが成就する事がなかったというストーリーです
※能舞台ではこの話しをモチーフにした作品『通小町・かよいこまち』『卒都婆小町・そとばこまち』があります。これらは思いを達成出来なかった少将の怨霊が登場し小町を苦しめるものです。
しかし隨心院に伝わる『はねず踊り』の歌では・・・
(小町の元に98夜通いつめた少将は
99夜目、大雪を理由に代役を立たせる事にしました
代役は小町にバレないように彼女の元へと向かい
大雪の中、なんとか到着しますけれど・・・
そこで、小町は「100夜には足りないけれどお上がりなさい」と
部屋に招き入れるんですね
しかし、そこで代役である事がバレてしまい
( ´Д`)少将はフラれちゃったというお話です
小町はその後、少将の事をすっかりと忘れ
近所の子供たちと老後まで楽しく過ごしたという歌になっています。
この他にも、歌詞の中には
少将が通い続けた日数を、小町はカヤ(榧)の木・榧の木の実で数えていた
なんてエピソードも織り込まれています。
そんな『はねず踊り』の歌や踊りが、この地に長らく伝わり
かつてはこうした宴が開催されてようです
しかしその後、しばらく行われなかった時期もあったようですね・・。
ですが、復活を願う人たちの声に応え
昭和48年の春より
再び、こうしてイベントが開催されるようになりました
歌詞や曲、舞なども語り継がれたものに手直しを加え
見事に現代の『はねず踊り』が誕生したのです
さて、15分ほどのステージが終わった後は
白拍子(しらびょうし)による『今様(いまよう)の舞』が披露されました
琴の演奏と歌に併せて、2人の白拍子が
華麗に舞っています♪
白拍子とは平安~鎌倉時代にかけての歌舞の一種で
それを舞う人の事を指します
今様の舞が、おおよそ5分ほどで終了し
次に行われたのは
京都府の無形文化財である出雲風流花踊り(いずもふりゅうはなおどり)です。
1月から12月までの花をあしらった花笠をかぶり、バチと太鼓でリズムをとって踊られました
この踊りは雨乞いの踊りと言われているのですが
ちょうどその頃、空からポツポツと雨が・・・
こうして、はねず踊り・今様の舞・出雲風流花踊りを堪能した京子は
境内にある梅園も覗いて来ました~♪
『小野梅園』は梅の香りに包まれる中
うす紅色以外にも、濃い赤や白など多様な梅の花の色が
綺麗な花を咲かせていました
梅園の梅の木には和歌や俳句が書かれた短冊を吊るしているものもありました。
参拝者の方でも、良い句が出来れば吊るしていいみたいですよ
この梅園の梅は別名『はねず梅』とも呼ばれているんですよ。
という事で
梅の季節に併せて行われる小町ゆかりの『はねず踊り』が
行われた隨心院の場所はコチラ↓
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