2016-02-15 | |
テーマ:カフェ・スイーツ |
一和(一文字屋和輔)(あぶり餅)
今回ご紹介するのは
京都市北区紫野(むらさきの)にある
一和(一文字屋和輔)
(いちわ(いちもんじやわすけ)の
あぶり餅です!
あぶり餅は、親指大にちぎったお餅を
今宮神社(いまみやじんじゃ)に奉納された
斎串(いぐし)に挿して、きな粉をまぶし
高級備長炭の炭火で炙った後
白味噌のタレを塗った餅菓子の事です
今宮神社の門前名物のお菓子として知られていて
今宮神社東門前の参道に向かい合うようにして建つ
2軒のお茶屋さんで振る舞われているんですね
その2軒のお茶屋さんのうち
北側に『一和(一文字屋和輔)』が
そして、南側に『かざりや』が
あるんですよ
一和(一文字屋和輔)とかざりや
そんなあぶり餅の歴史は古く
平安時代の中頃、一条天皇
(いちじょうてんのう:第66代天皇)の
時代にまで遡る事が出来ます
当時、都では度々天変地異が起こったり
疫病が流行ったりしていました
そこで!今宮神社の神前へ
疫除けの願いを込めて
あぶり餅をお供えしたのが
始まりとされているんですね
正本家 一和 名物 阿ぶり餅 元祖と書かれています。
それ以来、あぶり餅を食べれば
厄除けや無病息災のご利益があると
信じられています
また、あぶり餅は
玉のようなお餅である事から
お玉のご利益にあやかれるとも
いわれているいるんですよ~
ちなみにお玉というのは、徳川幕府5代将軍である
徳川綱吉(とくがわつなよし)の母
桂昌院(けいしょういん)の幼名の事で
『玉の輿』の語源になったといわれる人物です
西陣(にしじん)の八百屋の娘であったお玉は
格の高い由緒ある西陣の
大棚(おおだな:大店)である
本庄家(ほんじょうけ)に養女として出され
その後、江戸幕府第3代将軍
徳川家光(とくがわいえみつ)の側室となり
後の5代将軍となる綱吉を産んだんですね
お玉が京都から江戸に嫁ぐ際
江戸までの道程を
輿(こし)に乗って行った事から
玉の輿入れ(たまのこしいれ)という
諺(ことわざ)が
生まれたといわれています
まさに玉の輿!というワケですね
ちなみにお玉は今宮神社が戦国時代に荒廃した際
社殿を整えたり、途絶えていた『やすらい祭』の復興に
尽力したといわれているんですよ♪
さて、少し前置きが長くなってしまいましたけれど
今回ご紹介するのは、今宮神社東門前参道南側にある
あぶり餅正本家元祖を名乗る
『一和(一文字屋和輔)』のあぶり餅です!
一和(一文字屋和輔)
一和(一文字屋和輔)は
平安時代の1000年(長保2年)に
初代の一文字屋和輔が
香隆寺(こうりゅうじ)の名物
『おかちん』を作って
今宮神社の神前にお供えしたのが
始まりなんだそうで、現在
日本で現存する最も古い
和菓子店なんだそうですよ
※香隆寺は、今の上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)の事です。
いち和と書かれた暖簾
ちなみに西暦1000年頃と言えば
1008年(寛弘5年)頃に紫式部(むらさきしきぶ)による
源氏物語(げんじものがたり)が成立したり
1016年(長和5年)には、藤原道長(ふじわらのみちなが)が
摂政(せっしょう)となったりした時代です
その頃には、すでに一和(一文字屋和輔)が
あったという事にちょっとビックリしてしまいますよね
それにしても西暦1000年からとなると
すでに1000年以上続いているという事になって
1世紀どころか10世紀・・・
京都は、老舗店が多いと言われてはいますけれど
さすがに1000年とは
恐れいった!!という感じではないでしょうか
きっと皆さんが知っている歴史上の人物の何人かも
あぶり餅を1度は食べた事があると思います!!
そう思いを馳せると、なんともロマンを感じますよね
そこで気になったので少し調べてみると・・・
茶人として知られる千利休
(せんのりきゅう)がお茶菓子として
あぶり餅を振る舞った事があったり
幕末、新選組(しんせんぐみ)の
前身の組織である
浪士組(ろうしぐみ)を作った
清河八郎(きよかわはちろう)が
あぶり餅を食べながら今宮神社のやすらい祭を
見物したと伝わっているようです
平安時代から脈々と続く味だなんて
考えただけでもロマンがありますよね♪
そんな一和(一文字屋和輔)では
仕事ではなく、奉仕活動であるという事から
代々女性がお店を継いできたそうですよ
あぶり餅を炙っている様子
店の前では、あぶり餅を
高級備長炭で炙っていますので
今宮神社東門前周辺では、あぶり餅の
香ばしく美味しそうな匂いが
漂っているんですっ
ここを通りかかった参詣者の方は
匂いにつられて、お店の中へと
吸い込まれてしまうといった感じでしょうか♪
あぶり餅を竹串に挿す過程
さらに、冒頭でもご紹介しましたように
お茶屋さんが2軒が向かい合っていますので
呼び込みもまた見もので
こちらも名物となっているんですよ
「あぶり餅ならこっちにどうぞ!」
「こちらのあぶり餅はいかがどすか?」
といった具合ですね
さて、そんな歴史ある一和(一文字屋和輔)の
あぶり餅を実際に食べてみると・・・
四角いお皿に乗っている一和(一文字屋和輔)のあぶり餅
一口にサイズにちぎられたお餅を
口の中に入れた瞬間に
おこげの香ばしさ、白味噌の甘ダレが絶妙で
とっても美味しいんですっっ
また、あぶり餅と一緒に振る舞われている
お茶とも合うんですね~
ちなみに一和(一文字屋和輔)のお茶は
店舗内にある井戸から汲まれた井戸水で
入れられているんだそうです
一和(一文字屋和輔)の井戸
こちらが井戸になるんですけれど
井桁(いげた)の無い井戸としては
洛中で最古のものなんだそうです
※井桁とは、「井」の字の形に組んだもの。
そして、こちらはお土産用のあぶり餅です!
3人前からの注文となっています!
一和(一文字屋和輔)のお土産用あぶり餅
あぶり餅を包んでいる包装紙には
やすらい祭の様子が描かれていました
一和(一文字屋和輔)のお土産用の包み紙
という事で今回は、1000年以上の歴史を持つ
日本最古の和菓子屋店『一和(一文字屋和輔)』の
あぶり餅をご紹介しました~
是非とも足を運んでお店まで足を運んでみて下さい♪
一和(一文字屋和輔)の場所はコチラ↓
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