今回ご紹介するのは
京都市左京区の田中門前町にある
百丸大明神(ひゃくまるだいみょうじん)です!
![百丸大明神(ひゃくまるだいみょうじん)](2017/01/10/01/2017-01-10-1.jpg)
百丸大明神は、もともと
百万遍知恩寺(ひゃくまんべんちおんじ)の境内に
お祀(まつ)りされていたそうですけれど
現在は、住宅地の中の一角に鎮座(ちんざ)されています
住宅地の中にあるという事で
こじんまりとしていると思っていたんですけれど
道路側に行って驚きました
![百丸大明神の西側](2017/01/10/01/2017-01-10-5.jpg)
百丸大明神の西側
なんと道路から見える鳥居の辺りからは
隆々としたクロマツの枝が
道路側に向かってニョキニョキと
伸びているではありませんか~
![百丸大明神のクロマツ](2017/01/10/01/2017-01-10-4.jpg)
百丸大明神のクロマツ
住宅地でこじんまりなんてとんでもなく
辺り一帯にその存在感を
誇示しているように見えましたよ~
それにしてもこの百丸大明神
どうしてこの地に
移動したのか気になりますよね
そこで百丸大明神の境内に貼ってあった由来書を見ると
土地の老人と思われる人物の話が載っていて
その謎がすぐに解けました
その老人はある夜、眠っていると
夢に百丸大明神が現れて
「門前町にお祀りして欲しい!」
と、言ったというんですね!
つまり夢枕に百丸大明神が立ったというワケです
![百丸大明神之由来](2017/01/10/01/2017-01-10-6.jpg)
百丸大明神之由来
由来書には、どんな姿をしていたとか
どんな声色だったとかという
百丸大明神の特徴がわかる記述は見つかりませんでしたけれど
おじいさんが百丸大明神とわかる何かがあったんでしょう
もしかすると自分が百丸大明神だと告げたのかもしれません
それはさておき、とにかく移動したいという事ですから
当時の役員が決意し、移動させる事になったようです
けれど、おそらく移動させる場所が無かった。
そこで役員は、熊谷善之助という人物に
頼み込み、彼に事の成り行きを語って
理解してもらった上で、彼の所有地に
お祀りされる事となったんですね
こちらは神社東側の鳥居です。
![神社東側の鳥居](2017/01/10/01/2017-01-10-1.jpg)
神社東側の鳥居
鳥居には「百丸大明神」と書かれた
額が掛けられています
![百丸大明神の額](2017/01/10/01/2017-01-10-2.jpg)
百丸大明神の額
鳥居をくぐって中に入ると
六畳くらいのスペースが空いていて
北側に百丸大明神がお祀りされています
![百丸大明神](2017/01/10/01/2017-01-10-3.jpg)
百丸大明神
こちらにも額が掛けられていて
「正一位(しょういちい)百丸大明神」
の文字が書かれていました
ちなみに正一位というのは
人や神社に与えられる位階(いかい)の最高位です
位階は、たんに位(くらい)ともいわれ
もともとは地位や身分、等級を表す
序列の事でしたけれど、現在では
国や地域に功績のあった人物が亡くなった際に
生涯の功績を称えて、追悼する目的で
授けられるそうです
その位階の中でも特に神社に与えられたものは
神階(しんかい)、または神位(しんい)と呼んだりします。
ここで再び百丸大明神の由来書を見ると
1879年(明治12年)頃に、世話役の3名が
伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)から
正一位の称号を頂いてきたと記載されています
お稲荷さんの総本社である
伏見稲荷大社が正一位の神社ですから
勧請された稲荷神社は正一位という事なんでしょうね
その百丸大明神は、家運隆盛や病気平癒
商売繁昌、入試合格にご利益があるそうですよ
![御祭神が書かれています](2017/01/10/01/2017-01-10-7.jpg)
御祭神が書かれています
そして百丸大明神の脇神(わきがみ)として
もともとのこの場所にご鎮座されていた
八大龍王(はちだいりゅうおう)が
お祀りされています
八大龍神は雨乞いの神様として
知られている事からも想像出来ますように
水や雨に関する水難防除や火難守護にご利益があるだけでなく
交通免禍、災厄転福といったものにもご利益があるそうです
という事で今回は
住宅地に佇む百丸大明神をご紹介しました
お近くに来られた際には是非、立ち寄ってみて下さいね♪
大きなクロマツがお出迎えしてくれるはずです!
百丸大明神の場所はコチラ↓