今回ご紹介するのは
京都市上京区にある俵屋吉富(たわらやよしとみ)の
雲龍(うんりゅう)です!
俵屋吉富は、江戸時代の
1755年(宝暦5年)
雑穀商を営んでいた俵屋惣兵衛が
『澤屋播磨御菓子司』に奉公し
お店を継いだ事に始まる
創業250年以上続く老舗和菓子屋です!
俵屋吉富
1845年(弘化2年)には
御室御所(おむろごしょ)から
優秀である事が認められ名誉号である
播磨大掾(はりまだいじょう)を受領し
また、『澤屋播磨一房』の名を
賜ったそうです
※大掾とは、律令制度が崩壊した後、職人や芸能人等に与えられた名誉号の事。国名が付いた名を名のる事が許されました。
そして、1924年(大正13年)に跡を継いだ
7代目である石原留次郎が
屋号を『俵屋吉富』と改称したんですね
雑穀商であった時代の名残が残された俵屋吉富の俵の紋。
今回は、その俵屋吉富の代表銘菓である
雲龍をご紹介しますよ~
復刻版 京名菓 雲龍の箱。
雲龍は、1920年(大正7年)に
俵屋吉富7代目の石原留次郎が
臨済宗の相国寺(しょうこくじ)にある
狩野洞春(かのうどうしゅん)が描いた
『雲龍図(うんりゅうず)』に魅せられ
長年に渡り構想を練って
雲に乗る龍のたくましさ、勇ましさを
表現したものといわれています
※相国寺法堂の天井龍である、狩野光信(かのうみつのぶ)が描いた蟠龍図(ばんりゅうず)ではありません。
ちなみに『雲龍』という名は
石原留次郎が師と仰いだ相国寺の住職
『山崎大耕(やまざきたいこう)』が
名付けたそうですよ
1951年(昭和26年)に
戦後初めて京都大丸百貨店で開かれた
京菓子博覧会では、雲龍が大好評を博したそうで
市長賞を受けたというんですね~
本店の雲龍の陳列
さて、その雲龍を実際に食べてみると・・・
「の」の字に巻かれた雲龍
外側の村雨餡(むらさめあん)の
ホロホロとした食感と
内側の小倉餡(おぐらあん)の
しっとりとした食感が面白く
甘さ控えめで、とっても美味しいんです!!
見た目以上に食べ応えもあるんですよ~♪
ちなみに雲龍は、実は2種類ありまして
今回頂いているのは、直営店限定の
『復刻版 京名菓 雲龍』で
その他のお店では、通常の雲龍になります。
復刻版の雲龍は、昭和末期までの製法を
再現して作られているそうで
丹波大納言小豆を使った小倉餡と
雲に見立てた村雨餡を
手巻きにしたものなんですね
一方、復刻版ではない通常の雲龍は
丹波大納言小豆ではなく
北海道産小豆が使われているそうです。
最後に烏丸店に隣接される京菓子資料館
『龍宝館(りゅうほうかん)』をご紹介します
京菓子資料館「龍宝館(りゅうほうかん)」
龍宝館では、俵屋吉富に代々伝わる
お菓子作りの資料等を
見る事が出来るんですね~
1階に裏千家好みのお茶室
『祥雲軒(しょううんけん)』があって
和菓子を頂く事が出来る他
2階に展示室、そして3階には
弥勒菩薩(みろくぼさつ)を安置する
御堂『菓仙堂』があるんですよ
祥雲軒(しょううんけん)
俵屋吉富のお菓子に関する資料だけでなく
飴細工で作られたとは思えない
数々の展示品があるので一見の価値ありです
祥雲軒で頂いた雲龍
という事で今回は、俵屋吉富の代表銘菓である
雲龍をご紹介しました
京都御所(きょうとごしょ)や
相国寺の近くですので、お近くを訪れた際には
足を運ばれてみてはいかがでしょうか
俵屋吉富の場所はコチラ↓