今回ご紹介するのは
京都に古くからある伝説を
いくつかご紹介したいと思います!
京都は、『魔界』と
表現する人がいるくらい
数々の伝説が各地に伝わっている
場所でもあるんですね
そしてそういった伝説は、うわさ話程度で終わらずに
能や狂言に取り入れられたりするものもあります
あなたの知らない京都が
まだまだあると思いますよ~
それでは早速、ご紹介していきましょう
■円隆寺の放れ駒(えんりゅうじのはなれごま)
円隆寺は、京都府舞鶴市にある
真言宗御室派の寺院です。
その円隆寺の本堂に安置される
ご本尊の後ろの羽目板には
平安時代の宮中の画家
巨勢金岡(こせのかなおか)が描いたとされる
『放れ駒』の絵があったそうなんですけれど
この絵には、ある変わったお話が
伝わっているんですね
その変わったお話とは、なんと
この絵の馬が夜になると抜け出して
あたりの田畑を荒らし回ったというんです
そこでこの馬の絵の額に綱を描いて
繋ぎ駒にしたところ
田畑を荒らし回る馬は出なくなったんだとか・・・
なんとも不思議なお話ですよね
■賀茂社の賀茂伝説(かもしゃのかもでんせつ)
賀茂社とは、上賀茂神社(かみがもじんじゃ)と
下鴨神社(しもがもじんじゃ)の事です
ある日、賀茂建角身命
(かもたけつぬみのみこと)の娘である
玉依姫命(たまよりひめのみこと)が
瀬見の小川(せみのおがわ)で遊んでいたところ
川上から1本の丹塗矢が流れてきたそうです
その矢を玉依姫命は持ち帰り
寝床の近くに置いておいたら
あら不思議!なんと玉依姫命は懐妊して
男児を授かったというんですね~
この男児こそが上賀茂神社のご祭神である
賀茂別雷神(かもわけいかずちのかみ)です
矢取神事
毎年立秋の前日に下鴨神社で行われる
『矢取神事(やとりしんじ)』は
賀茂伝説にちなんで行われている神事で
矢に見立てられた斎串(いくし)を
裸男(はだかおとこ)と呼ばれる男達が
境内の『みたらし池』で
取り合うというものなんですね
※矢取神事について詳しくは、夏越神事 2012(下鴨神社)の記事をご覧下さい。
■禅定寺の古老柿(ぜんじょうじのころがき:孤娘柿)
禅定寺のある宇治田原には
渋柿を乾燥させた干し柿の
古老柿(孤娘柿)という名産があります
この古老柿には、ある伝承が伝わっています
この地には昔から
『鶴の子柿(つるのこがき)』という
柿があったんですけれど
これが大変な渋柿で
食べる事が出来なかったそうです
そんなある年の飢饉の際に
食物が無くなり困り果てた村人達が
鶴の子柿をどうにか食べる事が出来ないかと
思案していたところ
見た事も無い1人の娘が現れたんですね
その娘は、各地で白い粉を帯びた
甘い干し柿を売り歩き
その際に甘い干し柿の作り方を
村人達に教えて、去っていったそうです
村人は、立ち去った娘の後を
追ったんですけれど
禅定寺の裏山にある大きな岩の側で
突然、姿が消えたかと思ったら次の瞬間
なんと観音様が姿を
現したというんですね~
それ以来、この甘い干し柿の事を
1人の娘の柿という事で
『狐娘柿(ころうがき)』と
呼ぶようになったんだそうです
禅定寺では、あの時の娘が
観音様の化身であったとして
1991年(平成3年)に禅定寺裏山に
『おとめ観音』を建てたそうですよ
■善想寺の泥足地蔵(ぜんそうじのどろあしじぞう)
善想寺には、泥足地蔵(どろあしじぞう)と呼ばれる
珍しいお地蔵さんが安置されています
どうして泥足地蔵なんて
ユニークな名前が付いているのかと言いますと・・・
このお地蔵さんが京都に安置される前
滋賀県の坂本にあった頃の
エピソードに由来しています
ある時、日照りが長く続き
坂本村の村人は田植えが出来ずに困っていたそうです。
そこで作兵衛という農民が
日頃から信仰しているお地蔵さんに
「雨を降らせてくだせい!!」と
3日3晩雨乞いの祈願をしたところ
お地蔵さんが願いを聞き入れてくれたのか
祈願し始めてから3日後
とうとう雨が降ったそうなんですね
待ち望んだ雨に喜んだ他の農民達は
急いで田植えをしたんですけれど・・・
肝心の作兵衛は急な腹痛によって
田植えが出来ずにいたそうです
そんな作兵衛に代わって
村人達が田植えをしてやろうと
作兵衛の田んぼに行ってみると
不思議な事に田植えが既に
終わった状態だったんですね~
その後、お地蔵さんにお参りをしに行くと
なんとビックリ!!
お地蔵さんの腰のあたりから
足元まで泥がベッタリと
ついているではありませんか
泥足地蔵
作兵衛は、きっと自分の代わりに
このお地蔵さんが田植えをしてくれたに
違いないと思ったそうで
この話が村人達にも伝わり
いつしか泥足地蔵と呼ばれるようになったと
言われているんですね
この他にも不思議なエピソードが
善想寺のお地蔵さんにはいくつもあるので
ご興味のある方は、善想寺の記事を見て下さいね♪
という事で、今回は
京都に古くからある伝説を
ご紹介させていただきました