今回ご紹介するのは
京都市上京区にある
清浄華院(せいじょうけいん)境内
山王権現社(さんのうだいごんげんしゃ)の
山王大権現御火焚祭
(さんのうだいごんげんおひたきさい)です!
清浄華院境内にある鎮守社
山王権現社で毎年11月28日に行われる火祭で
日頃の鎮守に感謝すると共に
伽藍安穏(がらんあんのん)と
寺門興隆(じもんこうりゅう)
そして、参拝者の無病息災や火災除けを
祈願するものなんですね
ちなみに山王大権現御火焚祭は
長い間、途絶えていたそうなんですけれど
なんと2011年(平成23年)
140年振りに復興したんです
また、この日は秘仏である
『陀枳尼天尊像(だきにてんそんぞう)』
もご開帳されるんですよ~
陀枳尼天尊像(だきにてんそんぞう)
陀枳尼天尊像は
かつて山王権現社が
勅使門の北側にあった頃に
隣にあった稲荷社『浄華稲荷明神』の
ご神体なんだそうです
そもそもお火焚というのは
旧暦の11月頃に神社やお寺
民間等で行われている火祭の事で
主に関西を中心に行われているんですね
その起源は神楽(かぐら)の際に焚く
篝火(かがりび)の庭燎(にわび)や
秋に取れた収穫物に感謝する収穫祭の
新嘗祭(にいなめさい)といわれ
御神酒や米等をお供えして火を焚き
五穀豊穣に感謝すると共に
火の霊力で罪穢れ(つみけがれ)を祓って
願い事を祈願するというものです。
お火焚をする場合には
願い事の書かれた
火焚串(ひたきぐし)や
護摩木(ごまぎ)等を
井桁(いげた)のように組んで
お炊き上げをするのが一般的なんですよ!
山王権現社の火床
そして、火が衰えてきた火床に
ミカンや饅頭(まんじゅう)を投げ入れ
参拝者に授与したりするんですね
それでは早速、レポートしていきましょう
※写真は過去のものを使っています。
午後16時頃、境内に着くと
大殿(御影堂)前にある山王権現社には
多くのお供え物が供えられ
お火焚の準備が整えられていました
山王権現社と火床
この山王権現社は、清浄華院創建の際に
平安時代の僧である
慈覚大師(じがくだいし)円仁(えんにん)が
山王権現を勧請(かんじょう)し
建てたものなんだそうです
※勧請とは、神様の分霊をお迎えしてお祀りする事。
ちなみに山王権現は
比叡山(ひえいざん)の神様で
通称『ひよっさん(日吉さん)』とも
呼ばれています
山岳信仰と神道、天台宗が融合した
神仏習合の神様でもあるんですよ。
しばらくすると
お坊さんが出てこられて
お祭が始まります
まずは儀式を行う前に
法具や火床に清浄な水である
酒水(香水)を散らして清めます
酒水(香水)
続いて『懺悔文(さんげもん)』や
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と
10回唱える『十念(じゅうねん)』
『般若心経(はんにゃしんぎょう)』等が
唱えられ、用意された火床に火が点けられるんですね!
法要の様子
火床に火がつけられると
お坊さんをはじめ、参拝者全員で
大祓詞(おおはらえことば)を唱えます
火床に火がつけられる様子
火床には途中
ミカンが入れられていました
その後、約30分程で
山王大権現御火焚祭は終了します!
大祓詞を唱える様子
という事で今回は
清浄華院の鎮守社、山王権現社で行われた
山王大権現御火焚祭をご紹介しました
お火焚
山王権現社のある清浄華院の場所はコチラ↓