今回ご紹介するのは
京都市右京区西院（さいいん）にある
西院春日神社（さいいんかすがじんじゃ）の境内末社
還来神社（もどろきじんじゃ）で行われた
火焚祭（ひたきさい）です！
還来神社の火焚祭は
毎年11月18日に行われている火祭で
ミカンや饅頭、おこしをお供えして
五穀豊穣（ごこくほうじょう）に感謝し
無病息災や家内安全等
お願い事の書かれた火焚串（ひたきぐし）を
お焚き上げするというものなんですね
還来神社（もどろきじんじゃ）
ちなみに西院春日神社では
11月11日にも春日神社のお火焚を行っていて
今回ご紹介している
11月18日の還来神社のお火焚と合わせて
2度行われているんですね～
西院春日神社では、このお火焚の事を
『みしたき』や『おしたき』と呼ぶようです
そもそもお火焚とは、何なのかと言いますと・・・
旧暦の11月頃に神社やお寺
民間等で行われている火祭の事で
主に関西を中心に行われているんですね
お火焚の起源は諸説あるんですけれど
神楽（かぐら）の際に焚く
篝火（かがりび）の庭燎（にわび）や
秋に取れた収穫物に感謝する収穫祭の
新嘗祭（にいなめさい）が
始まりといわれています
御神酒（おみき）や米等をお供えして火を焚き
五穀豊穣に感謝すると共に
火の霊力で罪穢れ（つみけがれ）を祓って
願い事を祈願するんですね
ちなみに神社で、お火焚をする場合は
社殿の前に参拝者からのお願い事の書かれた
火焚串（ひたきぐし）や
護摩木（ごまぎ）等を井桁（いげた）のように組んで
お炊き上げをするのが一般的です！
場所によっては、お神楽（かぐら）や
湯立神事（ゆたてしんじ）が
行われたりするんですよ
ここで還来神社についても
簡単にご紹介しますと・・・
還来神社
還来神社は、淳和天皇
（じゅんなてんのう：第53代天皇）の
皇后であられた正子内親王
（まさこないしんのう）が火の手から逃れ
再び淳和天皇の離宮
淳和院（じゅんないん）に
戻ってこられた事を感謝し
お祀りした事に始まる神社です
『もどろき』とは
旅から無事に戻ってくるという意味で
現在も、天皇皇后両陛下が
海外にご訪問される際には
お守りが献上されているそうですよ
それでは早速、レポートしていきましょう
※写真は過去のものを使っています。
午後16時頃、西院春日神社境内に着くと
還来神社の前には
火床が用意されていました
還来神社の火床
還来神社の火床では
お供え物を乗せる台の
三方（さんぽう）のようなもので
作られていました！
たぶん11日に行われたお火焚で
参拝者からの火焚串は
お焚き上げされたからだと思います！
しばらくすると神職の方が来られ
還来神社で神事が始まります！
神様へのお供え物である
神饌（しんせん）を用意して
火床を祓ってから祝詞（のりと）が
奏上（そうじょう）されます
火床をお祓いしている様子
祝詞奏上（のりとそうじょう）
そして還来神社での神事がお納めされると
神社からのご神火である
忌火（いみび）を持って火床に移動をします
忌火（いみび）を持って火床に移動
火床の前に着くと
お火焚の際に唱える大祓詞（おおはらえことば）が
唱えられるんですね～
大祓詞（おおはらえことば）を唱える様子
この大祓詞というのは
奈良時代から続く
祝詞（のりと）の1つで別名
『中臣の祓（なかとみのはらえ）』
と言うそうです
そしていよいよ
火床に火が点けられます！
火が点けられている様子
火床に火が点けられると
ミカンや饅頭、おこしがお供えされ
一緒に焚き上げされるんですよ～
お火焚祭
その後、無事にお火焚祭がお納めされると
参拝者の方にお下がりとして
先程のミカンや饅頭、おこしが
頂けるんですね
お火焚祭でのミカンは
風邪を引かないといわれていますので
皆さん、ありがたく頂戴するというワケです！
という事で、今回は西院春日神社の
境内末社である還来神社のお火焚祭を
ご紹介しました
京都では、いろんな場所でお火焚が
行われていますので、ご興味のある方は
お近くの神社で探してみるといいですよ～
火焚祭が行われた還来神社のある
西院春日神社の場所はコチラ↓
