今回ご紹介するのは
京都市山科区にある
徳林庵(とくりんあん)です!
近くには諸羽神社(もろはじんじゃ)や
十禅寺(じゅうぜんじ)があるエリアになります
徳林庵は、臨済宗南禅寺派のお寺で
山号を柳谷山というそうで
室町時代、天文年間(1532~1555年)に
南禅寺(なんぜんじ)の260世住職である
雲英正怡(うんえいしょうい)が
仁明天皇(にんみょうてんのう:第54代天皇)
の第四皇子である
人康親王(さねやすしんのう)の
隠棲した故地に親王の菩提を弔う為
創建したのが始まりと伝わっています
ちなみに徳林庵のあるこの辺りの地名を
『四ノ宮(しのみや)』というんですけれど
これは人康親王が第四皇子
つまり四ノ宮にちなんでいるんですね
※諸説あって、諸羽神社が山科十八郷の4番目の社であった説もあります。
親王は、病気によって失明していた事から
859年(貞観元年)に出家をし
法性(ほっしょう)と号して(ごうして)
この辺りに山荘を造って隠棲したそうです
その頃から琵琶の名手といわれ
多くの盲人に琵琶を教えていた事から
『琵琶法師の祖神』として
崇められていたそうですよ
その為、徳林庵は
『琵琶法師の聖地』とも呼ばれています
もともとは現在の場所よりも
北にあったようですけれど
戦国時代の兵火によって
この場所に移転したんだそうです
それでは早速、中に入っていきましょう
境内
まず、境内左手にある手水舎です。
手水舎
手水鉢(ちょうずばち)には
『定飛脚 宰領中 文政四年巳年六月吉日』
と刻まれていました
そしてその隣には
地蔵尊を安置する地蔵堂があるんですね!
地蔵堂
こちらの地蔵堂の中には
山科地蔵(やましなじぞう:四ノ宮地蔵)が
安置されています
山科地蔵
山科地蔵は、『京の六地蔵めぐり』の
1つに数えられているんですよ
京の六地蔵とは、平安時代に
小野篁(おののたかむら)が
木幡山(こはたやま)の桜の一木から
彫った6体のお地蔵さんの事です
その後、6体のお地蔵さんを
後白河法皇(ごしらかわほうおう・第77代天皇)が
都に邪気が入ってくるのを防ぐ目的で
街道の6ヶ所に六角堂を建てさせ安置しました
京の六地蔵めぐりとは
その安置された六地蔵を巡る習慣の事で
毎年8月22日~23日に行われているんですね♪
6つの街道に安置された地蔵菩薩を巡礼し
無病息災等のご利益を得るというものなんですよ
また、それぞれの場所で
六地蔵尊お札を頂き
それを家の玄関の入り口に吊るして
1年中の厄病退散や福徳招来の
護符とするんですね
徳林庵の玄関にも
六地蔵尊お札が吊るされていました
六地蔵尊お札
※京の六地蔵めぐりについて詳しくは、京の六地蔵めぐり 2015の記事をご覧下さい。
京の六地蔵めぐりの日になると
徳林庵の前の通りである
旧三条通りの東海道は
歩行者天国となって露天が出たりと
とっても賑やかなるんですよ~
人康親王蝉丸供養塔(さねやすしんのうせみまるくようとう)
こちらは六角堂の右後にある
『人康親王蝉丸供養塔
(さねやすしんのうせみまるくようとう)』
と刻まれた人康親王供養塔である宝篋印塔です!
蝉丸塔とも呼ばれているそうですよ
※蝉丸は、平安時代前期の歌人であり琵琶法師として知られています。
そして、最後にご紹介するのは
地蔵堂のちょうど真裏
山門の前に安置されている
6体のわらべ地蔵
わらべ地蔵です
6体のお地蔵さんで
向かって一番右に安置される
お地蔵さんの前掛けをめくると・・・
なんと琵琶を持っているんですね
琵琶を持っている姿は
是非お寺を訪れて確認してみて下さいね
という事で今回は
人康親王ゆかりの地にある
徳林庵をご紹介しました~
徳林庵の場所はコチラ↓