今回ご紹介するのは
京都市下京区の松原中之町
(まつばらなかのちょう)にある
![松原中之町八坂神社(旧・祇園床)](2015/06/12/01/2015-06-12-4.jpg)
松原中之町の八坂神社(やさかじんじゃ)は
かつて祗園床(ぎおんどこ)という床屋だった
民家の奥庭にあるんですね
![祗園床](2015/06/12/01/2015-06-12-1.jpg)
祗園祭(ぎおんまつり)の長刀鉾(なぎなたほこ)と
大変ゆかりがあるんですよ
祗園祭の山鉾は明治の始め頃まで
山鉾を持つ山町・鉾町以外に
山鉾を持たない氏子町が山鉾を支える
『寄町(よりちょう)』という制度によって
運営されていました
ここ松原中之町は
長刀鉾の寄町の1つだったそうで
松原中之町の町会所(まちかいしょ)として
祗園床が使われていたというんですね
それにしても町会所が
床屋だなんてとっても珍しいですよね
![祇園床の跡](2015/06/12/01/2015-06-12-2.jpg)
祇園床の跡が残っています。
松原中之町では
かつて京の都で疫病が流行った際に
町内に八坂神社の頓宮(とんぐう)を建て
牛頭天王を勧請して祈願した所
疫病が鎮まったと伝わり
その時の頓宮が現在の
松原中之町の八坂神社だと思われます
※頓宮とは、一時的なお宮の事です。
こちらは長刀鉾の御神体である
三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)作の大長刀を
複写した拓本(たくほん)です。
※三条小鍛冶宗近については、合槌稲荷神社の記事をご覧下さい。
![三条小鍛冶宗近作の大長刀の拓本](2015/06/12/01/2015-06-12-5.jpg)
三条小鍛冶宗近作の大長刀の拓本
大長刀は現在、長刀鉾保存会によって管理され
非公開となっている為、見る事が出来ませんけれど
拓本があるおかげで本物を少しイメージできますよね
※ちなみに今、長刀鉾につけられているのは、木製に銀箔をつけたものです。
ちなみに拓本は
この他に数枚作られたそうですけれど
現在残っているのは
この1枚だけみたいです
とっても貴重なものというワケですね♪
![略記録](2015/06/12/01/2015-06-12-6.jpg)
拓本に書かれた略記録
そんな松原中之町八坂神社では
祇園祭期間中の7月14日になると
長刀鉾の稚児や
八坂神社の神職の方を招待して
古式一里塚松飾式が行われているんですよ!
![古式一里塚松飾式](2015/06/12/01/2015-06-12-7.jpg)
昭和30年まで祗園祭の山鉾巡行が
松原通りを通っていた時
長刀鉾が松原中之町に差し掛かると
松原中之町の方達が出迎えて
氷を入れた水たての薄茶(抹茶)を
振る舞う儀式が行われていたそうです
巡行ルートが変わった今でも
その時の名残として
古式一里塚松飾式が行われ神事の後
氷を入れた薄茶(抹茶)が
振る舞われるんですね
※詳しくは、祇園祭 2012 古式一里塚松飾式(祗園床)の記事をご覧下さい。
ちなみに古式一里塚松飾式は
祇園祭の正式な神事ではなく
松原中之町の行事として
行われているようです
ですから神事で祝詞をあげるのも
松原中之町の役員の方なんだそうですよ。
京都はもうすぐ祗園祭の季節ですけれど
ご興味のある方は今年
古式一里塚松飾式を見に
訪れてみてはいかがでしょうか
より一層お祭を楽しめる事間違い無しですよ!