今回ご紹介するのは
京都市下京区にある
市比賣神社(いちひめじんじゃ)の名水
天之真名井(あめのまない)です!
天之真名井のある市比賣神社は
795年(延暦14年)に
藤原冬嗣(ふじわらのふゆつぐ)が
桓武天皇(かんむてんのう:第50代天皇)の勅命により
左京と右京の両京の官営市場である
市座(東市、西市)を守護する目的で
宗像三女神(むなかたさんじょじん)を勧請し
創建したといわれています
全ての御祭神が女神である事から
女性の守り神といわれ
女人厄除けの神社として
知られているんですね
※宗像三女神(むなかたさんじょじん)について詳しくは、美御前社の記事をご覧ください。
宗像三女神が祀られている本殿
創建当初は、西本願寺(にしほんがんじ)のある辺りに
建てられていたそうなんですけれど
安土桃山時代に豊臣秀吉(とよとみひでよし)によって
現在の場所へと移されたといわれています
※元の場所近くにある京都市中央卸売市場には、市比賣神社分社の市姫神社があります。
そんな市比賣神社の天之真名井は
古くから京都七名水の1つに数えられ
旧地にあった際には市比賣神社神宝である
『天之八塩(あめのやしお)』で
汲み上げられた若水(わかみず)を
清和天皇(せいわてんのう:第56代天皇)から
後鳥羽天皇(ごとばてんのう:第82代天皇)
までの27代の間、皇室の産湯として
使われていたそうですよ
そして室町幕府の将軍家は
産湯神として信仰していたと伝わっているんですね~
それにしても27代もの間、使われていたなんて
すごい歴史の長さを感じますよね
また、絵馬を掛けて
口に水を含んで祈願すると
1つの願いが叶うという事から
『一願成就(いちがんじょうじゅ)の井戸』
とも呼ばれています
ちなみに天之真名井という名称は
古事記(こじき)で
素戔嗚尊(すさのをのみこと)が
天照大神(あまてらすおおみかみ)の
疑いを解く為に行った
誓約(うけい)のシーンに登場します
高天原(たかまがはら)にあった
天の安の河(あまのやすのかわ)の
水の汲めるような所を
美称を使って天之真名井と表現しているですね
そして誓約の際に産まれた神様が
市比賣神社の御祭神である宗像三女神ですから
井戸の名前も天之真名井と
つけられたのではないでしょうか
※誓約について詳しくは、美御前社の記事をご覧下さい。
天之真名井
こちらに移ってきたからこれまで
天之真名井は1度も枯れる事なく地下60mから
汲み上げられているそうですよ!
こちらは井戸の上に置かれている
『姫みくじ』です!
人形の中におみくじが入っているんですね~
もともとは運を占うものだったようですけれど
今では願い事を書いて
井戸の上に置いていく人が増えたそうです。
さて、お待ちかねの天之真名井を
実際に少し飲んでみた感想は・・・
まったりとして柔らかく
とっても美味しいお水でした
せっかくの名水なので
どうやって持ち帰ろうかな~?
と考えていたら・・・
境内にはなんと
持ち帰り用の水汲み場があるんですね
近年、名水を持ち帰ろうとする方が増えた事から
このような場所を設けたんだそうですよ。
ありがたい話ですよね
そんな名水・天之真名井のある
市比賣神社の場所はコチラ↓