今回ご紹介するのは
京都市左京区にある
菓祖神社(かそじんじゃ)です!
菓祖神社は
1957年(昭和32年)11月11日に
京都菓子業界の創意によって建てられた
吉田神社境内にあるお社なんですけれど
参拝した事のない方の為にも
まずは簡単に場所をご紹介します
吉田山にある吉田神社には本殿の他
全国の神々を合祀した大元宮があります。
大元宮
その大元宮は中腹にある本殿から
さらに登った所にあるんですけれど
途中、道が左右に分岐している所があるんですね
その道を左に行けば
今回ご紹介する菓祖神社です
石碑
菓祖神社に祀られているのは
菓子の祖神である
田道間守命(たじまもりのみこと)と
林浄因命(はやしじょういんのみこと)の
2柱なんですね~
こま札
お菓子の神様をお祀りしている神社なので
グリム童話のヘンゼルとグレーテルに出てきそうな
お菓子の家ならぬ、お菓子のお社を想像していたんですけれど
そこは、しっかりとしたお社でした
ここでお菓子の神様について
簡単ではありますけれどご紹介しますね♪
田道間守命は
垂仁天皇(すいにんてんのう・第11代天皇)
から、食べれば永遠の命をもたらす
不老不死の力を持った
非時香木実(ときじくのかくのこのみ:非時香菓)を常世国(とこよのくに)へ行って持って来るよう命じられた人物です
※常世国とは、古事記等に記述される海のはるか彼方にあるといわれる不老不死の国の事です。
狛犬:阿形(あぎょう)
その後、やっとの事で往復10年かけて
非時香木実を見つける事が出来たんですけれど・・・
帰ってきた時には既に垂仁天皇は
崩御していたんですね
やっとの思いで見つけたのに崩御されていたなんて
想像を絶するショックですよね
あまりにも嘆き悲しんだのか田道間守命は
そのまま亡くなってしまったといわれているんですよ
田道間守命が死んだという事は
非時香木実を見つけても食べていなかったんですね
どうして食べてなかったの!田道間守命!
とツッコミはさておき
狛犬:吽形(うんぎょう)
それにしても永遠の命をもたらす
食べ物って非常に気になりませんか?
実は非時香木実は
ミカン科の食べ物である
橘(たちばな)と考えられているんですよ♪
ちなみに、ここを読まれている方なら
橘と聞くと真っ先に
『右近の橘(うこんのたちばな)!!』
と、頭をよぎったと思うんですけれど
何を隠そう京都御所に植えられている橘は
この田道間守命が持ち帰った橘ともいわれているんですね!!
本殿
その後、果物を菓子と呼んでいた事から
田道間守命はお菓子の神様として
信仰されるようになったそうです
そして、もう一方の神様である
林浄因命は
中国浙江省(せっこうしょう)の生まれで
1349年の室町時代に日本を訪れ
日本で始めて餡入りの饅頭を
作ったといわれる人物です
もともと饅頭は、諸葛孔明(しょかつこうめい)が
川を鎮める為に作った肉饅頭だったそうで
日本へは、平安時代に伝来したんですね。
それまでの饅頭とは違って
餡を入れたものはすぐに好評を博し
宮中に献上するまでに
なったそうですよ
その後、林浄因命は日本に帰化し
その末裔が烏丸三条下がった辺りで
『塩瀬(しおぜ)』を営み
大変栄えたと言われています。
19代まで続いたそうですけれど
現在は無くなり、饅頭屋町(まんじゅうやまち)と
地名だけが残っています
最後にお菓子業者から篤い信仰を集めている
田道間守命と林浄因命を祀る菓祖神社では
毎年、4月19日には春祭が
11月11日には秋祭が行われているので
是非参加してみてはいかがでしょうか
そんな吉田神社の末社
菓祖神社の場所はコチラ↓