今回ご紹介するのは
京都市中京区にある
安養寺(あんようじ)です。
こちらの安養寺は
呼ばれているんですよ~
実は安養寺という名前のお寺は
たくさんありまして…
今回ご紹介する安養寺は
京都市中京区にあるものです
※東山区にある安養寺は、安養寺(東山区)の記事をご覧下さい。
後ほどお話するとしまして
まずはお寺について簡単ではありますけれど
ご紹介しますね。
安養寺は
浄土宗西山禅林寺派のお寺で
山号を八葉山といいます。
恵心僧都(えしんそうず)源信(げんしん)が
大和国葛城郡(かつらぎぐん)當麻(たいま)郷に
建てた蓮華院が始まりと伝わっています
そして源信の妹である
安養尼が2世となり
お寺の名前も安養寺と
改められたんだそうですよ。
その後、天永年間(1110~1113年)に
ご本尊のお告げによって
隆暹(りゅうせん)が
京都の樋ノ口六条(現在の西本願寺の北あたり)へ
移したといわれています。
そして現在地へは
天正年間(1573~1592年)に移ってきたんだそうですよ
それでは早速、中に入っていきましょう♪
こちらが山門です。
山門をくぐると
すぐ目の前にはお地蔵さんや
弁財天や子育地蔵を
安置しているお堂があります。
そして奥に進むと
北向地蔵があります。
ちなみに安養寺の建物は
鉄筋コンクリート造りで
現代風になっていましたよ
本堂はどこにあるのかと言いますと
2階になるんですね~。
山門右手から本堂前につながる
階段がありますので
そちらから上がっていきます。
本堂には、ご本尊である
阿弥陀如来立像が安置されていました!
実はこの阿弥陀如来立像が
呼ばれるゆえんだったりするんですよ
この阿弥陀如来立像には
あるエピソードがありまして・・・
昔、ある老婆が浄土三部経(じょうどさんぶきょう)を読んでいると
1つの疑問が生じたんだそうです。
※浄土三部経とは浄土宗の教えのよりどころとする経典です。
その疑問というのは
お経の48願の18番には
男女等しく往生出来ると書かれているのに
35番を見ると、再度女性は往生出来ると
書かれている事なんですね
※48願とは阿弥陀如来が、仏になる為の修行をする際に立てた48個の大願の事です。
つまり何故、女性だけ
また改めて書かれているのか?
という事なんです。
確かに不思議ですよね
そして、疑問に思った老婆はどうしたのかと言いますと
なんと!春日明神に祈って
その答えを知ろうと
17日間の祈願をしたんだそうです!
凄い行動力ですね
その後、満願の日になると
夢の中である老人が夢の中に出てきます♪
皆さんも気になる答えが
やっとわかった!のかと思いきや・・・
「家に帰りなさい」
と告げたというんですね
これを聞いた老婆は
ただ家に帰れというのも変だなと思いながらも
仏のお告げだと思って
家に帰ったそうですよ。
すると家には1丈(約3.03メートル)ほどもある
材木が家族も知らぬ間に置かれていたんですね!
その後、しばらくすると1人の
年老いたお坊さんが訪れ
今晩泊めて欲しいと願い出たそうです。
老婆はこれも仏の導きに違いないと
お坊さんを泊めてあげるんですけれど
そのお坊さん
なんと仏像を作りたいと言い出すんですね~。
これにピーン!ときた老婆は
知らぬ間に置かれていた材木を差し出して
これで作って下さいと渡したそうです
お坊さんは材木を受取ると
完成するまで中は覗かないよう
老婆に言ったといわれています。
そんなワケで次の日から
お坊さんは仏像を造りはじめたんだそうですよ。
しかし不思議な事に
1人で造っているはずなんですけれど
何人もいるような音がしていたみたいです
昔から覗かないでっていうと
覗いてしまうのが昔話ですよね。
それでも老婆は気になりながらも
耐えたみたいなんですけれど
しばらくすると
ノミの音などがしなくなったので
とうとう中を覗いてしまいます!!
すると・・・
お坊さんはすでに居なくなっているようで
そこには光を放った立派な仏像が
あったんだそうです
あれれ?中を覗いちゃったのに
何も起きないの?と思った人も多いと
思うんですけれど
不思議な事は、その後に起きるんですね~
老婆は立派な阿弥陀さんが出来たと喜び
早速、安置する為に
仏師に台座を造るように言います。
けれど不思議な事に
台座に阿弥陀さんを乗せると
台座にヒビが入ったんですね
仕方ないので別の台座を用意し
阿弥陀さんを安置するんですけれど
やはり台座にヒビが入ってしまったそうです。
その後も同じようにヒビが入り
結局、3回とも台座にヒビが入ってしまうんですね
その後、困り果てた老婆の夢の中に
阿弥陀さんが現れ
通常の台座とは違って
蓮の花を下向きにした物を
作るよう言います
え!?逆さ向き!!
と思いますよね。
阿弥陀さんは
「往生する際、男性は蓮の花が上向きに咲くけれど
女性は下向きに咲くので往生できないというものもいる。
私は女性が往生出来る事を証明する為に
蓮の花を通常とは逆向きにする。
この逆の台座で往生出来る証拠としなさい。」
という理由だったそうなんですね。
山門前の石碑
これは古来、仏教では
女性は往生できないという事が
広まっていたそうなんですけれど
阿弥陀さんは、そんな事は言ってなくて
誤った考えを正す為
その証拠として逆さの台座を作られたと
いわれているんですよ
ちなみに冒頭でご紹介した
48願で女性の往生について2回書かれているのは
女性は本当に往生出来るから安心してね
という意味で書かれているそうです。
私の解釈を交ぜながら
ご紹介したので
間違っている所もあるかも知れないんですけれど
恐らく学校の先生が
大事な部分を念押しで
2回言うのと同じ事なんだと思いますよ
もし女性が往生出来ない!
と思っている方が身近にいらっしゃったら
その証拠の阿弥陀さんがいるので
ぜひ、ご紹介してあげてくださいね~
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