今回ご紹介するのは
京都市下京区の室町通高辻にある
![軟式野球発祥の地](2014/08/08/01/2014-08-08-1.jpg)
軟式野球発祥の地(なんしきやきゅうはっしょうのち)です!
え!?
野球発祥の地ってアメリカじゃないの~
って思っている方がいるかと思いますけれど
そうです!
野球はアメリカが発祥ですよね
間違ってはいないんですけれど
ただ今回ご紹介するのは
『軟式』野球の方なんです
野球にあまり詳しくない方は
ピンとこないかもしれませんけれど
甲子園やプロ野球で使用されるボールは
硬球(こうきゅう)です。
一方、軟式野球で使用されるボールは
軟球(なんきゅう)なんですね
違いは漢字を見て頂ければ
おわかり頂けますように
硬球はとっても硬いんですけれど
軟球は柔らかく弾力性があります。
そんな軟球を使用するという事から
軟式野球と呼ぶわけなんですね
でもどうして軟式野球が
誕生したのでしょうか?
その辺を紐解きながら
今回の軟式野球発祥の地をご紹介していきましょう
軟式野球発祥の地の像が建つ場所は
![元京都市立成徳中学校](2014/08/08/01/2014-08-08-4.jpg)
京都市下京区高辻通り室町西入る繁昌町290番地
元京都市立成徳中学校だった場所です
※ちなみに宝ヶ池公園には軟式野球発祥の記念像が建てられています。
成徳中学校は2007年(平成19年)に
5つの中学校とともに
下京中学校に統合されました。
※現在は特定非営利活動法人京都文化協会となっています。
前に繁昌神社(はんじょうじんじゃ)
![繁昌神社](2011/06/08/01/2011-06-08-1.jpg)
近くに匂天神社(においてんじんしゃ)などがあるんですよ
![匂天神社](2014/06/05/01/2014-06-05-1.jpg)
そして軟式ボールを使った
軟式野球が誕生する事になったのは
この近くに住んでいたある人物が関係しているんですね
その人物の名は
鈴鹿栄(すずかさかえ)と言います。
栄という名前なので
女性だと思う方もいるかもしれませんけれど
男性なんですよ。
鈴鹿栄は、文具商を営んでいたと伝わっています。
1915年(大正4年)に後に『夏の甲子園』となる
第1回全国中等学校優勝野球大会が行われ
京都二中(後の鳥羽高校)が優勝します
すると京都では野球人気が急速に高まり
町中に野球をする子供達が増えたんですね~
しかし当時の野球には
ヘルメットの使用を規定もするものもなく
ボールも硬い硬球しかありませんでした。
とっても危険ですよね
当時もそう考えた大人たちがいて
「これでは子供達が安全に
野球を楽しむ事が出来ないのでは?」
といった疑問の声があがっていました。
![石碑](2014/08/08/01/2014-08-08-3.jpg)
成徳小学校、成徳中学校跡地と書かれた石碑の他、栄養給食の先駆けの地と書かれた石碑もありました。
そんな中
京都市の小学校の教員グループで組織される
『京都少年野球研究会』が結成されます。
そこで安全な野球ボールの開発と
そのボールを使ったルール作りに
取り組む事が決まるんですよ
京都少年野球研究会のメンバーであった鈴鹿は
安全なボールの素材を考えていたところ
ゴム靴や自転車のステップに使われていたゴムの
滑り止めの凹凸に目が留まります。
「この凹凸は使えるのではないか」
「これなら体に当たっても痛くない!」
そう考えた彼は改良に改良を重ね
とうとう試作ボールを完成させるんですね~
それは京都少年野球研究会が結成した1916年から
研究を始めて2年後の1918年の事だったと伝わっています。
そしてなんと
完成した翌年の1919年には
軟式ボールを使った全国大会が行われ
1922年には一般用のボールも発売されたんだそうですよ
このように軟式野球誕生には
鈴鹿が作ったボールが不可欠であり
軟球を使った野球なので
軟式野球と命名されたんですね
![軟式野球発祥の地と書かれている銅像](2014/08/08/01/2014-08-08-2.jpg)
銅像の下には軟式野球発祥の地と書かれていました。
そんな日本で誕生した軟式野球は
現在、海外でも試合が行われるようになっているんですよ~
また、硬式野球よりも
軟式野球をする人の方が圧倒的に多く
日本で最も多くの人がしているスポーツと言われています。
そして2003年に鈴鹿栄は
軟式野球の普及と発展に対する功績を称えられ
特別表彰(新世紀表彰)として野球殿堂入りを果たしました
ちなみに野球殿堂とは
日本野球の発展に大きな貢献をした人に送られる名誉で
王さんや長嶋さんはもちろんの事
最近では大魔神・佐々木 主浩さん
トルネード投法で有名な野茂 英雄さんが殿堂入りしています。
そんな軟式野球発祥の地の場所はコチラ↓
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