今回ご紹介するのは
八坂神社(やさかじんじゃ)の境内にある
藤屋と空也上人(くうやしょうにん)ゆかりの井戸です!
八坂神社に参拝された方は
ご存知かと思いますけれど
八坂神社の境内南にある石鳥居の東側には
二軒茶屋 中村楼(にけんちゃやなかむらろう)というお店がありますよね
※二軒茶屋 中村楼については二軒茶屋 中村楼の記事をご覧下さい。
この二軒茶屋という名称からもわかるように
八坂神社の南門のところには
参道を挟んで東西に二軒のお茶屋さんがあったんですよ~
二軒茶屋の1つは中村楼と言って
もともとは柏屋と呼ばれていたそうです。
え?でも今は一軒しかないんじゃないの
と思った方もいるかと思いますけれど
現在、西側にあったとされる藤屋は
残念ながらなくなっているんですよー
今回はその藤屋にスポットライトを当てたいと思います
さて、藤屋のあった場所に建てられている
説明書きによりますと
藤屋は明治の初めまでこの地で商いをしていたと言われています。
藤屋という名前は
店の近くに藤棚があった事に由来しているそうですよ
ちなみに江戸時代に書かれた
『拾遺名所図会(しゅういめいしょずえ)』にも
二軒茶屋の記述があり
藤屋の事も書かれているんですね~
※拾遺都名所図会とは、江戸時代後期に発行された京都名所案内ガイド本です。
それによると
比叡山の阿閣梨(あじゃり・徳の高い僧)が
洛中に来た際には、ここに立ち寄って
昼ごはんを取るのが慣例になっていたんだそうですよ
慣例になっているくらいですから
とっても美味しいご飯を出していたんでしょうね♪
ちなみに当時、八坂神社の境内では
魚や肉を商う事を禁じていたそうです。
そんな藤屋のあった場所には
何も残ってないのかと思いきや
お店があった頃に使われていた井戸があります。
それが今回ご紹介している井戸なんですね。
写真で見てみてもお分かりいただけますように
金網でしっかりと保護されています。
現在でも、もしかしたら水を汲む事が出来るのかもしれませんね
ちなみに藤屋を開いた初代の店主は
この井戸の水を沸(わ)かして
参拝者の方に出していたと言われています。
それ以来、八坂神社にお参りに来た人達は
この白湯(さゆ)を飲んで身を清めてから参拝したので
藤屋の事を『きよめの茶屋』と呼んでいたそうです
また、この井戸には他にも話が伝わっていまして・・・
925年(延長3年)に醍醐天皇(だいごてんのう・第60代)が
疱瘡(ほうそう)にかかった時の事です。
その時に多くの人たちもまた病に苦しんだそうで
市の聖(いちのひじり)と呼ばれた
空也上人(くうやしょうにん)はそれを見かねて
八坂神社で病気平癒を祈願した後
この井戸の水で作った白湯を人々に飲ますと
人々の病気は治ったと言われているんですよ!
※空也については、空也踊躍念仏(六波羅蜜寺)の記事をご覧下さい。
そんな水だったら一度は飲んでみたいと
思いますよね~
残念ながら藤屋の方は
現在、残っていませんけれど
中村楼は水曜日以外
営業しているので
気になった方は訪れてみてはいかがでしょうか。
そんな藤屋と空也上人ゆかりの井戸のある
八坂神社の場所はコチラ↓
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