今回ご紹介するのは
得浄明院(とくじょうみょういん)で5月13日に行われた
式包丁(しきぼうちょう)の奉納行事である
庖勝一條流奉納式(ほうしょういちじょうりゅうほうのうしき)です!
※一初(イチハツ・アヤメ科の花)観賞会と戒壇(かいだん)めぐりの特別公開最終日に毎年行われています。
得浄明院は1894年(明治27年)に
伏見宮家第3皇女の誓圓尼(せいえんに)が
長野県の信州善光寺(ぜんこうじ)の
京都別院として創建したお寺なんですよ
※詳しくは、得浄明院の記事をご覧下さい。
そんな得浄明院で行われる
芸能の神様を祀る白天龍王社。
境内にある白天龍王社の祭事で
2012年から行われているそうです。
ちなみに庖勝一條流は式包丁の流派の1つで
式包丁とは、まな板に乗った食材に一切手を触れずに
包丁と真魚箸(まなばし・菜箸に似た、先の尖った長い鉄製の箸)だけを使い 華麗にさばいて盛り付けるものなんですね。
※もう1つの流派『生間流(いかまりゅう)』についてもご紹介しているので、よかったら生間流の式包丁が奉納される神事一覧の記事もご覧下さい。
これは平安時代
宮中の祝いの席で披露された事が起源とされ
もともとは天皇陛下の前で披露されていました
そもそも、なぜ手で触れないのかと言いますと・・・
手で触れた食材は『穢れ』に繋がり
神様や天皇陛下に対して穢れはご法度ですから
式包丁では手を使わず食材をさばき
盛り付けるようになったそうです。
神事でも参列者のお祓いをしたりしますよね?
それと同じ意味なんですよ
ではさっそくレポートしていきましょう。
午前11時頃、得浄明院に行くと
すでに式包丁の準備がされていました。
しばらくすると庖勝一條流奉納式が始まります。
まず、燭光乃儀(しょっこうのぎ)が行われ
ろうそくに火がともされます
その後、まな板の邪気を鈴によって払います。
お絹取り乃儀によって
まな板の上に敷かれていた絹を取ります。
次に今回使用する大根と一初が運び込まれ
一初が献上されますと
三木半旅館料理長である
小笹貴夫さんが妙技を披露されましたよ
式包丁は通常
魚や蛸といった生き物を扱うのが一般的ですけれど
ここ得浄明院はお寺で行うため殺生を避けて
このような大根になっているんだそうです♪
大根が切られるとお盆の上に盛り付けられます。
次に弐乃豆腐が始まります。
この弐乃豆腐では
庖勝一條流家元で『京とみ』店主である
庖勝兼道さんが妙技を披露されています
弐乃豆腐は
毎年、盆の上に字を形作るんですけれど
今年は『龍』という字が表現されましたよ。
ちなみに2013年は『絆』
2012年は『長命』だったそうです。
お盆の上に盛り付けられると
それを白天龍王社に奉納し
二礼二拍手一礼されていました。
こうして無事に奉納が納められました。
動画でまとめてみましたので
ご覧下さいねっ
ちなみに庖勝一條流式包丁は
※岡崎神社での式庖丁について詳しくは、氏子大祭 2012(岡崎神社)の記事をご覧下さい。京の七夕については、京の七夕 2012(堀川会場・鴨川会場)の記事をご覧下さい。
そんな庖勝一條流奉納式が行われた
得浄明院の場所はコチラ↓
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