今回ご紹介するのは
現在、一初(イチハツ・アヤメ科の花)観賞会と
『戒壇めぐり(かいだんめぐり)』が行われている
![得浄明院](2014/05/02/01/2014-05-02-6.jpg)
得浄明院(とくじょうみょういん)です。
戒壇めぐりについては後ほど
ご紹介させて頂きます
得浄明院は通常非公開のお寺ですけれど
毎年、一初の見ごろに合わせ
特別公開されているんですね。
※ちなみに2014年は4月29日から5月13日まで公開されています。また、最終日には式包丁の奉納もあるそうです。
そして境内には
![境内に咲く一初やアヤメ](2014/05/02/01/2014-05-02-11.jpg)
約200本の一初と約1000本のアヤメが
植えられているんですよ~
凄い数ですよね。
では早速レポートしていきましょう♪
![山門](2014/05/02/01/2014-05-02-2.jpg)
得浄明院は京都のお寺としては珍しく
明治に建てられた比較的新しいお寺なんです
長野県は信州善光寺(ぜんこうじ)の京都別院の尼寺として
![信州善光寺別院 華頂宮御殿跡 得浄明院](2014/05/02/01/2014-05-02-3.jpg)
1894年(明治27年)に
伏見宮家第3皇女の誓圓尼(せいえんに)が
兄である知恩院宮尊超入道親王(そんんちょうにゅうどうしんのう・華頂宮)の 華頂宮御殿を受け継いで創建されました。
本尊も信州善光寺の本尊である
一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんぞんあみだにょらい)の
分身が安置されています。
京都から長野までは
かなりの距離があって交通の便も悪く
牛に引かれて善光寺参りとは
なかなか難しかったことから
別院を建てたともいわれています
『牛に引かれて善光寺参り』とは、ことわざで
思いがけない偶然や他人の誘いで良い方面に
導かれることのたとえなんですね。
ちなみに尼寺三十六所巡礼の第10番にもなっています。
誓圓尼について少し解説しますと
明治に行われた神仏分離令によって出来た
廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の空気の中で
皇族にも還俗するよう強要されたそうです。
※廃仏毀釈について、詳しくは泉涌寺の記事をご覧下さい。
しかし彼女は
「仏教に固く誓った身であるから
この度の仰せには従えない!」
として従わず善光寺を
廃仏毀釈から守った人物なんですね
ちなみに得浄明院は京都の東山にあって
人気の観光スポットが近くにあるんですよ♪
![山門から境内をパシャリ](2014/05/02/01/2014-05-02-4.jpg)
山門から境内をパシャリ
![白天龍王社](2014/05/02/01/2014-05-02-5.jpg)
こちらは白天龍王社で
芸事の神様として信仰されています
もともとは大阪にあったものだそうですけれど
戦時中、大阪の空襲から逃れさせる目的で
この地に移されたそうですよ。
![本堂](2014/05/02/01/2014-05-02-6.jpg)
大きさは信州善光寺と比べて小さいですけれど、信州善光寺と同型だそうです。
そしてこちらが本堂になります。
本堂の下には信州善光寺と同じように
戒壇めぐりが出来るようになっているんですね。
ちなみに戒壇めぐりとは・・・
ご本尊の下の真っ暗な回廊を巡って
仏様の分身とも言える錠前(じょうまえ)に
触れる行いの事です
仏様との縁を結び
功徳を得る事が出来ると
言われているんですよ。
時間にするとわずかなはずなんですけれど
真っ暗で何も見えないので
とても長く感じます
![本堂の右手の建物](2014/05/02/01/2014-05-02-7.jpg)
本堂の右手の建物には
といった生け花があり
華やかな雰囲気になっていましたよ。
さて、冒頭でも言いましたとおり
得浄明院は一初が
大変有名なんですね
![とっても綺麗に咲いていました。](2014/05/02/01/2014-05-02-1.jpg)
一初の名前の由来は
アヤメ科の中で一番初めに咲くことから
そう呼ばれるようになったそうで
『逸初』『一八』とも書くみたいです
また、雄しべの花柱は
鳶(とび)が木に止まり
羽を休めている様子に見える事から
鳶尾草(トビオグサ)とも言われています。
さらには子安草(コヤスグサ)と
呼ばれる事もあるんだそうですよ
一初は、昔から大風を防ぐと信じられ
かやぶき屋根の上に植えられていたそうです。
屋根の上に一初が咲いているなんて
すごく綺麗で美しかったと思います
ちなみに同じアヤメ科の植物には
杜若(かきつばた)や菖蒲(しょうぶ)がありますよね。
また境内には一初やアヤメ以外にも
![中庭](2014/05/02/01/2014-05-02-10.jpg)
中庭
四季折々の花がありました。
そして境内を注意深く見てみると・・・
三種類の御紋を見つけることが出来るんですよ
![菊の紋の瓦](2014/05/02/01/2014-05-02-12.jpg)
こちらは菊の紋の瓦です。
皇室との深いつながりがあるからなんですね。
![立ち葵の紋](2014/05/02/01/2014-05-02-13.jpg)
続いてこちらは立ち葵の紋です。
善光寺との縁から、この紋が使われています。
![三つ葉葵の紋](2014/05/02/01/2014-05-02-14.jpg)
そして最後は、三つ葉葵の紋です。
知恩院宮尊超入道親王が徳川家斉の猶子である事から
徳川家ともゆかりのあるお寺というわけなんですね
というわけで今回は
現在特別公開中の得浄明院をご紹介しました。
詳しい場所はコチラ↓