本日ご紹介するのは


道元禅師示寂の地

場所は京都市下京区西洞院通高辻を西へ行った北側にあります。


道元禅師示寂(どうげんぜんじじじゃく)の地です。


少し難しい言葉が並んでいるので

何を言っているのか

わかりにくいかもしれませんね。


少し解説をしますと・・・


まず!道元禅師とは

禅宗である曹洞宗の開祖で

鎌倉時代初期に活躍した人なんです

※禅宗は座禅をする宗派の事で、曹洞宗の他、臨済宗(りんざいしゅう)と黄檗宗(おうばくしゅう)があります。


ちなみに精進料理は

栄西と道元が日本にもたらしたと言われています。

料理をする事も重要な修行の1つなんだそうですよ。


そして示寂とは

徳の高い、高僧が亡くなることをいうんですね。

※滅する・入滅なんていったりします。


つまり!

『道元という高僧が亡くなられた。』

という事を意味する碑なんですね


道元禅師示寂の地碑

石碑も建っていましたよ。


では、道元とは一体どんな人だったのか

詳しく、ご紹介していきましょう。


道元は1200年

京都の久我家(こがけ)に

生まれたと言われています。

※久我家は、村上源氏の総本家です。


8歳の時に母を亡くし

13歳で仏門に入り

比叡山延暦寺で修行をしたそうですよ


比叡山延暦寺

こちらは延暦寺の根本中堂です。


延暦寺は天台宗の総本山で

最澄(さいちょう)が開いたお寺として有名ですよね。

※最澄について詳しくは延暦寺(東塔)の記事をご覧下さい。


修行をしているうちに

道元はある疑問を抱くようになったと言われています


その疑問とは

天台宗の本覚思想(ほんがくしそう)である

「本来本法性(ほんらいほんぽっしょう)、

天然自性身(てんねんじしょうしん)」

という言葉にありました。


『本来、天地万物全てが清浄(せいじょう)で

人間は悟りの世界の中にいる』

という意味らしいんですけれど


「人間が悟りの世界にいるのなら

なぜ私は修行をしているのか?

厳しい修行をして

悟りの境地に辿りつけるのではないのか

と、道元は思ったんですね。


その答えを同僚に聞いても

誰も応えてはくれなかったそうです。


その後、彼は比叡山をおり

建仁寺に入ります。


建仁寺

こちらは建仁寺です。


しかし、ここでも道元は

疑問の答えを見つけることが

出来なかったそうです。


そこで道元は

その答えを知るべく

南宋(現在の中国大陸)にわたる決心をします


南宋に渡った道元は

如浄禅師(にょじょうぜんじ)と出会います。


如浄禅師の教えは

ひたすらに坐禅に打ち込むものだったと言われています。


そして坐禅修行を続けるうち

道元は、ついに答えに辿りつくんですね


その答えとは

経典を読む学問中心の仏教ではなく

坐禅の修行そのものが悟りであるというものでした。


その後、南宋に渡ってから4年

道元は京都に戻って

曹洞宗を開いたそうですよ


そんな彼の教えは

『只菅打坐(しかんたざ)』と言い

『ただひたすら、座る』

という事なんです。


シンプルで、わかりやすいですよね~


その後、道元の開いた曹洞宗は

下級武士などに受け入れられ

広がっていったそうです。


しかし、その後、延暦寺の圧迫を受けると

越前(えちぜん・今の福井県)で

永平寺(えいへいじ)を開山します。

※永平寺の名前は道元が永久平和を望んだ事に由来しているそうですよ。


1253年、道元は病に伏せると

京都へ再び戻り

8月28日、54歳で亡くなったと言われています。


こま札

こま札です。


ここは俗弟子であった

覚念(かくねん)の屋敷があった場所とされ

道元の療養先だったそうです。


ちなみに坐禅と言えば

同じ禅宗である

臨済宗を思い浮かべる方もいると思います


「坐禅するんだったら

臨済宗と同じじゃない?」

と思う人もいるかも知れませんね。


その辺を簡単にご説明しますと・・・


臨済宗の坐禅は

坐禅をしながら

公安問答(こうあんもんどう)と言われる

問答によって悟りを開いていくといったものです。


一方、道元の只菅打坐は

ただひたすらに坐禅をするというもの。


問答も無く、余計な事は考えない

これが臨済宗の坐禅との大きな違いなんですね


最後に彼の歌をご紹介しておきましょう。


「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」

世の中のあるがままを詠んだ歌と言われ

あるがままの中にこそ

悟りはあるという意味なんでしょうか♪


そんな道元禅師示寂の地はコチラ


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