今回ご紹介するのは・・・
京のユニークな地名です。
京都に残る、一味違った
ユニークな地名や町名をご紹介したいと思います
では、早速いってみましょう~。
・物集女(もづめ)
ものあつめ・・おんな!?ものしゅう・・め?
普通に読んだらそうなっちゃいますよね(笑)
この『物集女』という言葉は
『物集女街道(もづめかいどう)』や
『物集女町(もずめちょう)』といった
通りの名前や、町名として現在も残っています
この語源を説明しますと・・・
物集女町がある
京都府向日市(むこうし・京都市の南西に位置する市)には
古代より物集女氏(もずめし)と呼ばれる豪族が住んでいた事が由来になっているみたいです
この物集女氏は、河内国(かわちのくに・現在の大阪府東部)にある
百舌鳥(もず)と呼ばれる地方から来た豪族だった事から
その名が付いたと言われています。
※河内国の百舌鳥とは、鳥の『モズ(小鳥)』に由来するそうですよ。
『もず』という漢字は後から当てはめたようで
9世紀頃の書物によると
すでに『物集』と書いて『もず』と読んでいたそうです。
室町時代頃まで
物集女氏と呼ばれる武家があった事も確認されています。
物集女街道は
南は向日町競輪場、北は松尾大社まで続く約6キロの街道なんですよ。
※松尾大社について詳しくは松尾大社 その1、松尾大社 その2、松尾大社 その3の記事をご覧下さい。
・元悪王子町(もとあくおうじちょう)
なんだか、めちゃくちゃワルそうな町名で
ちょっと怖くなっちゃいません?
ですが、最初に言っておきますと
悪王子とは、悪いとか邪悪という意味ではなく
『力強い』『強力な』という意味なんだそうです!
この町名は
もともとこの地にあった『悪王子社』に由来するものです
この悪王子という言葉は
日本神話に登場する神・素戔嗚尊(スサノオノミコト)の
荒御魂(あらみたま)を指す言葉だと言われています。
※素戔嗚尊について詳しくは、祇園祭 2012 疫神社夏越祭(疫神社)の記事をご覧ください。
荒御魂とは、神様の霊魂の種類のひとつで
荒々しい勇猛な魂をそう呼びます。
※その逆は和魂(にぎみたま・穏やかな魂)と言われています。
つまり、悪王子社は『素戔嗚尊の荒御魂を祀る社』という意味があるのです。
元悪王子町はそんな悪王子社があった事から付いた町名です。
その後、社は一度別の場所(南に約400メートル)に移動した後
最終的に八坂神社に移されました。
つまり合計で2度、移動しているんですね
※最初にあった場所を元悪王子町、次に移った場所を悪王子町と、それぞれ呼んでいます。
・烏丸(からすま)
京都に初めて来た人は、この漢字を見ると『とりまる』と呼び
地元の人から「そら、『からすま』言いますねん」とツッコミを受ける地名です。
しかも『鳥(とり)』と『烏(からす)』は漢字も違うっていう
・・ダブルで恥ずかしい思いをしちゃうんです(笑)
そんな烏丸は通りの名前(烏丸通・からすまどおり)になっていたり
町名にもなっているんですね
烏丸通は、現在は片側3車線の大通りですが
かつては平安京の烏丸小路にあたるもので
今と違い大変道幅の狭い通りだったそうですよ
ちなみに・・
どうして『烏丸(からすま)』と呼ぶようになったのでしょう?
これはかつてあったとされる『加茂川を水源とした川』に由来するものなんですね
※この他、京都の川と言えば、現在は鴨川を想像しますが、かつてはいくつもの川が流れていたとされています。堀川も細いですが今でも水が流れていますし、今出川通(いまでがわどおり)や夷川通(えびすがわどおり)など川の漢字が使われている通りも、かつてはそこに川が流れていた事を表しているそうですよ。
この川原の中州(なかす・川の砂が積み重なり出来た地形)を
『カラス』と呼び、一帯を『カラスマ』(川原の州の間)と呼ぶようになったと言われています。
※『間』とはその場所や空間を指すようです。旅館の部屋を『○○の間』と言ったりするのは、そういった理由からだと考えられています。
こうした語源の由来には他にも諸説あるようですが
実際に弥生時代には、このあたりに川原の中州があった事が
発掘調査で分かっているそうですよ。
そんな京都のメインストリート『烏丸通』は
祇園祭において、7月14日からの3日間
歩行者天国(18時~23時)となります
烏丸通に面して建つ山鉾は2つあります。1つが『鈴鹿山(すずかやま)』です。詳しくは祇園祭 鈴鹿山(八坂神社)をご覧下さい。
もう1つが『孟宗山(もうそうやま)』です。詳しくは祇園祭 孟宗山(八坂神社)をご覧下さい。
そして、この大通りの車道脇には多数の屋台が並び
烏丸通は、大勢の人で溢れ返るんですね
・ホッパラ町
なんと、こちらはカタカナの町名ですっ!
このユニークな名前『ホッパラ町』は
京都市山科区の北西部にある町名なんですよ~。
ホッパラ町は地下鉄御陵駅(みささぎ)駅から南西に200メートル程行った場所です。ちなみに、駅の逆側(北東)には天智天皇陵(てんちてんのうりょう)や本圀寺(ほんこくじ)が建っています。
このホッパラは漢字にすると『掘原』と書くそうで
近くにある九条山(くじょうやま)で斬首刑となった人の
遺体を埋めていた事から付いた名前なんだそうです。
つまり
『土を掘り、遺体を埋めていた原っぱ。』
↓
『掘原』
↓
『ホッパラ』
・・って事みたいですね!
この他にもいくつか説はあるようで
近くを通る日ノ岡峠(ひのおかとうげ)を開通させる際に
削った山の土をこの地に放り出した(ほっぽった)事から
その名が付いたとも言われているそうですよ
という事で今回は京のユニークな地名をご紹介しました。
場所はコチラ↓
より大きな地図で 京のユニークな地名 その3 を表示