今回は下鴨神社(しもがもじんじゃ)で行われた
歩射神事(ぶしゃしんじ)をご紹介します
下鴨神社は世界遺産にも登録されている神社で
上賀茂神社と供に行う事で有名です。
葵祭は約500名の行列が
平安装束を身にまとい
1大パレードなんですよ
※葵祭について詳しくは、葵祭 2012(上賀茂神社・下鴨神社)の記事をご覧ください。
今回行われる歩射神事では
葵祭で行列が歩く道を弓矢で清め安全を祈願します
※弓矢を使った神事は小笠原流(弓馬術の流派の1つ)の方により奉仕されます。
歩射神事の起源は平安時代、宮中で行われていた
『射礼の儀(じゃらいのぎ)』と言われています。
それでは早速レポートしたいと思います。
11時頃になると楼門が開き
神職や小笠原流の方々が境内へ入り
まずは本殿で20分程、神事が行われます。
※神事が始まる15分前には、射場(しゃじょう・楼門と舞殿の間に設置された長さ50メートル程の弓を射る場所)で神事が行われるので1度、楼門が閉められます。
その後、舞殿横で
『屋越式(やごししき)』が行われます
屋越式とは楼門の屋根を越えるように
鏑矢(かぶらや)を放つ作法で
これには葵祭で勅使が通る楼門をお祓いする意味があります
※楼門を飛び越えた矢は本殿へ持って帰るそうです。
鏑矢には矢の先端に朱色の蟇目鏑(ひきめかぶら)という
中が空洞になった物が取り付けられています。
これを付けて矢を放つ事により、蟇目鏑の中を空気が通り
「ポォーー」という音が鳴り飛んで行くんですよ
こうして音を出す事により邪気を祓うんですね。
楼門の邪気を祓い終えると
射場の中央付近に、3組ある射手の大将3人が進み出ます。
続いて日記役(記録係)から
「百々手式(ももてしき)始めませ~」という宣言があり
いよいよ『百々手式』が始まります
百々手式とは10人の射手が10手を射ると
合計100手となる事から付けられた名称です。
今回の武射神事では
前弓9人、中弓9人、後弓10人の
合計28人の射手が各組毎に横一列になり
それぞれが2本ずつ矢を放ちました
※前の射手の矢が的に当たる音を聞いてから、次の射手が放つルールなんだそうですよ。
ちなみに矢を放つまでには
細かい作法がいくつかあり
着物の紐をほどく所作や
左腕を着物から出す所作
そして弓矢の取り回し方まで
細かく決められています。
小笠原流の出来た鎌倉時代より続くこうした作法も見所の1つなんですよ
そして横1列に並んだ全員が矢を放ち終えると
采揚(ざいあげ)人が『采(白い棒)』を揚げて合図をします。
放たれた矢は矢取(やとり)が回収して
介添(かいぞえ・射手のサポート役)に再び矢を返します。
こうして合計28人の射手が、全ての矢を放ち終え
1時間程の神事は終わりました。
歩射神事の様子は動画でご覧ください。
今回も神事の最中は小笠原流の方により
作法等の詳しい説明がされていたので
初めて見に来た人でも楽しめる内容だと思いますよ
※武射神事について詳しくは、武射神事 2013(上賀茂神社)の記事をご覧ください。
そんな歩射神事が行われた下鴨神社の場所はコチラ↓
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