今回は下鴨神社(しもがもじんじゃ)で行われた

歩射神事

歩射神事(ぶしゃしんじ)をご紹介します


下鴨神社

下鴨神社は世界遺産にも登録されている神社で

5月15日には京都3大祭の1つである葵祭(あおいまつり)を

上賀茂神社と供に行う事で有名です。


葵祭は約500名の行列が

平安装束を身にまとい

京都御所から下鴨神社を経由して上賀茂神社まで行幸する

1大パレードなんですよ

葵祭について詳しくは、葵祭 2012(上賀茂神社下鴨神社)の記事をご覧ください。


今回行われる歩射神事では

葵祭で行列が歩く道を弓矢で清め安全を祈願します

※弓矢を使った神事は小笠原流(弓馬術の流派の1つ)の方により奉仕されます。


歩射神事の起源は平安時代、宮中で行われていた

『射礼の儀(じゃらいのぎ)』と言われています。


それでは早速レポートしたいと思います。


11時頃になると楼門が開き

神職や小笠原流の方々

神職や小笠原流の方々が境内へ入り

まずは本殿で20分程、神事が行われます。

※神事が始まる15分前には、射場(しゃじょう・楼門と舞殿の間に設置された長さ50メートル程の弓を射る場所)で神事が行われるので1度、楼門が閉められます。



その後、舞殿横で

屋越式

『屋越式(やごししき)』が行われます


屋越式とは楼門の屋根を越えるように

鏑矢(かぶらや)を放つ作法で

これには葵祭で勅使が通る楼門をお祓いする意味があります

※楼門を飛び越えた矢は本殿へ持って帰るそうです。


鏑矢には矢の先端に朱色の蟇目鏑(ひきめかぶら)という

中が空洞になった物が取り付けられています。


これを付けて矢を放つ事により、蟇目鏑の中を空気が通り

「ポォーー」という音が鳴り飛んで行くんですよ

こうして音を出す事により邪気を祓うんですね。


楼門の邪気を祓い終えると

射場の中央付近に、3組ある射手の大将3人が進み出ます。


続いて日記役(記録係)から

「百々手式(ももてしき)始めませ~」という宣言があり

いよいよ『百々手式』が始まります


百々手式

百々手式とは10人の射手が10手を射ると

合計100手となる事から付けられた名称です。


今回の武射神事では

前弓9人、中弓9人、後弓10人の

合計28人の射手が各組毎に横一列になり

それぞれが2本ずつ矢を放ちました

※前の射手の矢が的に当たる音を聞いてから、次の射手が放つルールなんだそうですよ。


2組目には女性も参加されていました

ちなみに矢を放つまでには

細かい作法がいくつかあり

着物の紐をほどく所作や

左腕を着物から出す所作

そして弓矢の取り回し方まで

細かく決められています。


小笠原流の出来た鎌倉時代より続くこうした作法も見所の1つなんですよ


そして横1列に並んだ全員が矢を放ち終えると

采を揚げます

采揚(ざいあげ)人が『采(白い棒)』を揚げて合図をします。

放たれた矢は矢取(やとり)が回収して

介添(かいぞえ・射手のサポート役)に再び矢を返します。


こうして合計28人の射手が、全ての矢を放ち終え

1時間程の神事は終わりました。


歩射神事の様子は動画でご覧ください。


上賀茂神社武射神事(むしゃしんじ)でもそうでしたけれど

今回も神事の最中は小笠原流の方により

作法等の詳しい説明がされていたので

初めて見に来た人でも楽しめる内容だと思いますよ

武射神事について詳しくは、武射神事 2013(上賀茂神社)の記事をご覧ください。


そんな歩射神事が行われた下鴨神社の場所はコチラ↓


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