こんにちは京子です!
今回ご紹介するのは
3月15日に清凉寺(せいりょうじ)で行われました
お松明式です
清凉寺は
嵯峨・嵐山(観光客で賑わうエリア)にあるお寺で
日本の木ではなく中国の木を使って作られた
珍しい釈迦如来立像があるんですよ。
※日本3如来の1つに数えられています。
そんな清凉寺で行われるお松明式は
巨大な松明を燃やし
稲作の出来を占う祭です。
燃やされる松明は大松明と呼ばれ
高さが約7メートルもある
とっても大きな物が3つ作られるんですよ
この事から京都3大火祭の1つに数えられています。
※残り2つの火祭は、『大文字 五山の送り火』と、それぞれについて詳しくは、大文字 2010、鞍馬の火祭 2012(由岐神社)の記事をご覧下さい。
また3月15日は
お釈迦様の命日(旧暦2月15日)でもあるという事から
本堂では涅槃会(ねはんえ・お釈迦様の教えや徳に感謝する法要)が行われます。
本堂には
縦6メートル、横4メートルの
巨大な『大涅槃図』が公開されていました。
※涅槃図とは、釈迦が横たわり入滅する様子を描いた絵の事です。
その他にも特別公演として
境内にある狂言堂では
嵯峨大念仏狂言(3演目)が行われます
※嵯峨大念仏狂言は重要無形民族文化財にも指定されているんですよ。
それでは早速レポートして行きましょう
本堂で10時から法要が行われた後
本堂前の広場に置かれている
大松明を立てます。
まず最初にお坊さんが
大松明を立てる穴、3箇所を清めます。
その後、お経が読まれる中
クレーンを使って大松明を垂直に立てると
倒れないように
3方向から木で支えます
※1本を立てるのに要する時間はだいたい30分程です。
ここまでの様子は動画でご覧ください。
それから無事に3本を立てると
後は20時からの松明式を待つばかりなんです
その間、15時からは
本堂で『おみくじ』が行われます。
おみくじとは
『高張り提灯』という
提灯13個分の高低差を決めるくじ引きです。
どうして13個もの提灯があるのかと言いますと
1年が12ヶ月(うるう年は13ヶ月)あるからなんですよ
つまり1年の月分の提灯がある訳ですね。
番号が書かれたくじを住職の方が順番に引いて
となりにいるお坊さんが数字を読み上げていきます。
静まり返ったお堂に
お坊さんの声は良く響き
くじの番号が間違い無い事を示すように
開封されたくじを保存会や参詣者に向けて左右に掲げていましたよ~
その数字をグラフ用紙に記入していき
月毎の折れ線グラフを作成します。
江戸時代には
米の相場を占っていたと言われているんですよ
くじ引きが終わる頃には
狂言堂で嵯峨大念仏狂言が行われます。
今日は3つの演目が上演されるという事で
簡単に演目の説明をしたいと思います
『花盗人』
旦那とお供の2人が
花見をしに来た所から始まります。
お土産に桜の枝を持ち帰ろうとするのですけれど
盗人に取られてしまいます。
何とか取り返す事に成功しますが
今度は刀(自分のと旦那)を取られてしまいます。
それならばと縄で泥棒を捕まえようとするのですけれど
お供は間違って旦那を捕まえてしまい
泥棒を取り逃がしてしまうというドタバタ劇です
『釈迦如来』
お坊さんと寺侍(お寺に使えている武士)が本堂に
お釈迦様を運び入れた所から始まるお話です。
そこへ美人の母親とお多福な娘がやって来ます。
お釈迦様を
母親が拝むとお辞儀をし
娘が拝むと後ろ向きに振り返ります。
再び母親に拝ますと
今度は母親の肩を抱いて何処かへと行ってしまいました
これに驚いた2人ですけれど
今度はお坊さんがお釈迦様になりすまし
次は娘と何処かへ行ってしまいます。
最後に残された寺侍も
お釈迦様になりすまします。
しかし最後には誰も来ずに1人寂しく帰るというお話です。
『土蜘蛛』
源頼光(みなもとのらいこう)が
宴を開いている所から始まるお話です。
頼光が寝入った時に部下は彼を起こさないように部屋から出るのですけれど
なんと寝込みを土蜘蛛に襲われます
それに気付いた頼光は応戦するも取り逃してしまいます。
部下である渡辺綱(わたなべのつな)と平井保昌(ひらいやすまさ)に土蜘蛛退治を命じると
見事2人は土蜘蛛の首を取って帰るというお話です。
※釈迦如来と土蜘蛛については、嵯峨大念仏狂言 2012(清凉寺)で詳しく取り上げているので良かったら読んでみて下さいね。
こうして4時間ほど嵯峨大念仏狂言が行われた後は
いよいよ護摩壇や大松明に火が点けられます
大松明のある場所は既に大勢の見物客でいっぱいです
20時過ぎになると
最初に護摩壇が燃やされ
その後、高張り提灯の行列が
護摩壇と大松明の回りを3週すると
大松明に火を点けます。
勢いよく燃えた護摩壇から
長い竿のようなものを使って用意した火種を
逆三角形になった大松明のてっぺんから放り込むんですよ
放り込まれた火種で
大松明の中へ落として燃やすなんて
とってもダイナミックな点火方法ですよね~
※大松明の火の粉を浴びると1年間、無病息災で過ごせると言われています。
でもどうして大松明が3つもあるのかと言いますと
早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)という
稲が成熟する早さを3段階に分けたのを意味しているからなんです。
※それぞれの燃え方により米の収穫を占うそうですよ。
提灯行列から大松明に火が点けられえる様子は動画でご覧下さい。
大松明は勢いよく燃えるのですけれど
燃え尽きるのも早いので
早めに見に行かれる事をオススメします
そんなお松明式の行われた清凉寺の場所はコチラ↓
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