こんにちは京子です!
今回ご紹介するのは
2月11日に上賀茂神社で行われた・・・
紀元祭(きげんさい)です
2月11日は『建国記念の日』ですよね?
実は、この日が制定されたのは
昭和42年、佐藤栄作内閣の時です。
その昔(明治から昭和初期にかけて)は
『紀元節(きげんせつ)』という祝日でした。
日本書紀によると
紀元前660年に橿原宮(かしはらぐう・現在の橿原神宮)にて
初代天皇である『神武天皇』が即位した日である事から
この日を紀元節とし、祝日にしていたんですね。
つまり、日本国が誕生した日(建国した日)を祝っていたというワケです。
しかし!
敗戦後、GHQの政策により『紀元節』が廃止になってしまい
神話による建国の歴史も
学校で教えられなくなってしまったんですね・・。
※GHQは、日本の起源についてフタをしようとしたんですね
ですが、戦後復興の中で
建国記念日(つまり紀元節)を復活させようと
国会では度々、審議が行われました
しかし、反対派の意見の中には
「神武天皇の即位の日に関して、日本書紀にしか文献が残されていない為、信憑性に欠ける。」
などの意見から
正確な建国記念日ではない!と言われ
建国を記念する日という事で『建国記念の日』が
昭和42年に制定されたんですね。
※つまり『建国』を祝う日を2月11日にしようという案でまとまったというワケです
前置きが長くなってしまいましたが
上賀茂神社では、その紀元節であった2月11日に
国家の安泰、国民の平和を祈願する『紀元祭』を行い
武芸や蹴鞠を奉納します。
※建国を祝う紀元祭は、こうした理由から様々な神社で行われているんですよ。
そして、この日は
皇族の三笠宮家(みかさのみやけ)から
彬子(あきこ)女王殿下が
上賀茂神社におなりなさいました。
では早速レポートしたいと思います!
まずは、9時から細殿(ほそどの)の前で
2つの武芸が奉納されます。
1つ目が『剣道奉納』です。
上賀茂神社近くで活動している剣道教室『柊友会(しゅうゆうかい)』
の方々によって行われ
地元の小学生から大人まで、幅広い方々が
素振りや、本格的に面を付けての打ち込みを行っていました
約1時間程で終わると、続いて『空手奉納』が行われます。
こちらも地元で活動している
柊野保育園空手教室、柊野拳友会、白峯塾の方々による
型の披露、そして板割りが行われました
ちなみに
細殿前で空手が奉納されている間に
二ノ鳥居横の国旗掲揚塔(こっきけいようとう)の前で
国旗の掲揚と、君が代の斉唱が行われます。
これには、神職の方々以外に
地元の保育園児が参加し行われていましたよ~っ
引き続いて、神職と園児による
『賀茂別雷神社式年遷宮奉祝歌(かもわけいかづちじんじゃしきねんせんぐうほうしゅくか)』を歌います。
※現在、上賀茂神社は式年遷宮の工事(屋根の修復作業)に入っているんですよね。
この後、神職と蹴鞠保存会の方々は土舎(つちのや)でお祓いをした後
本殿内にて神事を行います。
そして、11時に本殿を出てくると、細殿前に移動して
蹴鞠の奉納をするんですね
本殿から戻ってくる神職と蹴鞠保存会の方々。
蹴鞠を行う前に、橋殿に集まり一礼します。
ちなみに、蹴鞠の歴史は古く
600年代に中国から伝わったと言われ
平安中期には、貴族の間で流行し
以後、武士や庶民にまで楽しまれるようになったんですね
鞠庭へと向かいます。
今回の蹴鞠の奉納では
水干・烏帽子姿に身を包んだ8人が1組になり
鞠庭にて、鞠を蹴り合います。
行っているのは『蹴鞠保存会(しゅうきくほぞんかい)』の方々です。
彼らは、上賀茂神社以外にも
※蹴鞠保存会について詳しくは蹴鞠初め 2013(下鴨神社)や春季例大祭・淳仁天皇祭 2012(白峯神宮)の記事をご覧下さい。
蹴鞠はスポーツだと思われがちですが
実は『勝負事』ではなく
いかに相手に受け取りやすく打ち返し
ラリーを続けるかに重点を置いているんですね
ちなみに、蹴鞠を始めるにも作法があり
まず最初に『解鞠(ときまり)』が行われます。
神職の方から目代(もくだい)に
枝鞠(えだまり・松の木に挟んだ鞠)が渡され
それを解役(ときやく)に渡します。
そして、解役は鞠庭にて枝から鞠を解き、鞠を設置します
※細やかな作法については蹴鞠初め 2011(下鴨神社)の記事もご覧下さい。
解役から目代に、松の木が渡されます。
続いて、鞠庭に保存会の方々が1人ずつ入って来ます。
1度、鞠の前で片膝を曲げた蹲踞(そんきょ)の姿勢をした後
定位置に行き、再び蹲踞の姿勢で
全員が揃うまで待機します。
こうして8人が揃うと
ウォーミングアップの為の『小鞠(こまり)』を行い
鞠の感触を確かめながら、試し蹴りをします。
※鞠は直径約20センチで、表面は鹿の皮で覆われているんですよ。小鞠では、一番上位の高い人から、下の者へと順番に鞠を回して行います。
小鞠が終わると・・・いよいよ本番です!!
先ほども説明した通り、蹴鞠は
いかに相手に受け取りやすく打ち返すかを心がけるもので
円状に広がった8人がラリーを行います。
そして、返し方にも作法があり
1度で相手に打ち返すよりも
一段三足(いちだんさんそく)で返すのが『良し』とされているんですよ。
つまり、自分に鞠が回って来ると
リフティングの要領で
受取鞠(うけとるまり)、手分の鞠(てぶんのまり)、渡す鞠(わたすまり)の
3度、鞠を蹴ってから相手へ渡すんですね
・・・と、言葉で説明するのは簡単ですが
実際、やってみるとすごく難しいようで
一段三足で思うように返せない場面も多々ありましたね~。
しかし、徐々にエンジンがかかるにつれて
鞠を落とさずに、見事なラリーが続いていましたよっ。
奉納が終わり、二ノ鳥居から退場します。
こうして12時頃まで蹴鞠が奉納され
紀元祭は終了しました。
上賀茂神社の場所はコチラ↓