こんにちは京子です!

今回ご紹介するのは・・・

和泉式部(いずみしきぶ)ゆかりの地巡りです

百人一首にも歌が収録されている

平安時代中期の女流歌人『和泉式部』は

恋多き女として知られ

藤原道長(ふじわらみちなが)から「浮かれ女」と呼ばれ

紫式部にも「恋文や和歌は素晴らしいが、素行には感心できない。」

と言われていたんですね。


今回は、そんな和泉式部が

どういった生涯を過ごしたのかを解説しながら

ゆかりの地を紹介したいと思います


和泉式部は978年、越前の国司(こくし)であった

大江雅致(おおえのまさむね)の娘として生まれます

※国司とは中央から派遣された地方官です。今で言うと、知事みたいなもんですね。


ちなみに、彼女は生涯において少なくとも4人の男性を

愛したと言われています。

まず、その1人目というのが・・・

最初の夫である『橘道真(たちばなのみちさだ)』です。


彼は道長の側近であり、和泉の国司をしていた人物です

和泉式部は彼と結婚し

和泉(現在の大阪府和泉市)へと移り住みました。

※ちなみに和泉式部という名前は、夫が和泉の国司であった事と父親の役職『式部丞(しきぶのじょう)』から名付けられたそうですよ。


そして、この時

2人の間に娘である『小式部内侍(こしきぶのないし)』が誕生します。


しかし周囲からは恋多き女と認知されていたようで

「一体、誰の子だい?」「本当に道真との子供なの?」

「どうして道真の子だと言い切れるの!?」

・・・なんて言われていたようです。

※ちなみに、娘の小式部内侍も歌に才能があり、母親同様に彼女の歌は『百人一首』に収録されています。


・東北院(とうぼくいん)

東北院

京都府京都市左京区浄土寺真如町83


結婚生活が上手く行かず、帰京後は別居状態でした。

そんな中、冷泉天皇の皇子である

為尊親王(たかためしんのう)や敦道親王(あつみちしんのう)と

恋愛関係になります。


まず、為尊親王と恋仲になり、前夫と離婚が成立。

しかし26歳で為尊親王と死別すると

今度は、彼の弟である敦道親王と恋仲になるワケです。

※為尊親王や敦道親王との恋愛エピソードについては誠心院の記事をご覧下さい。


彼女の詠む歌に

次々と男達は心を掴まれていったようですね

※現在とは価値観が違い、和泉式部だけでなく他の女性も数々の恋愛遍歴を重ねていた時代でした。


しかし、敦道親王も27歳という若さで死去し

悲しみに暮れる彼女は、この東北院で

藤原道長の娘である藤原彰子(ふじわらのしょうし)の女官として

使える事となりました。


ちなみに、東北院の境内には彼女が生前愛したと言われる

『軒端の梅(のきばのうめ)』が植えられているんですよ


そして、彼女が再び恋仲になった男性というのが

平井保昌(ひらいやすまさ)です。

保昌山

ちなみに、祇園祭の山鉾『保昌山』は

和泉式部との恋愛エピソードに基づく鉾で

彼女のワガママとも取れるエピソードが残されています。

※詳しくは祇園祭 保昌山八坂神社)の記事をご覧下さい


貴船神社 結社(きぶねじんじゃゆいのやしろ)

貴船神社

京都府京都市左京区鞍馬貴船町180


こちらにある結社は、夫となった平井保昌との仲が

疎遠になってしまった際に

復縁を願い、彼女が参拝したと伝わっています

※結社には、この時の切ない女心を詠んだ歌も残されているんですよ。詳しくは貴船神社の記事をご覧下さい。


結社

結社は、本宮と奥宮の間に位置します。


貴船神社の絵馬

境内には和泉式部の絵馬もありますよ。


誓願寺(せいがんじ)

誓願寺

京都府京都市中京区新京極通三条下ル桜之町453


平井保昌との結婚で、順風満帆になったかと思いきや

次に彼女を襲った悲劇というのが・・

最愛の娘である小式部内侍の死でした

彼女は悲しみに暮れ、48日間『誓願寺』に篭り念仏を唱え

その後、尼になります。


誠心院(せいしんいん)

誠心院

京都府京都市中京区新京極六角下ル中筋町487


誓願寺で篭った後、彼女は

東北院の境内に『庵室』を作ります。

これが現在の誠心院です。

※現在は新京極通(しんきょうごくどおり)に移築されています。


この事から

誠心院の初代住職は和泉式部となっているんですね


仏門に入った彼女は

ここで娘の供養をしたという事です。

こちらの寺院には彼女にゆかりのものが

多数残されていて

和泉式部縁起絵巻

彼女の人生を描いた『和泉式部縁起絵巻(いずみしきぶえんぎえまき)』や

和泉式部供養塔

彼女の供養塔も建っています。


そして、毎年3月21日(和泉式部の命日)には

彼女を偲び

『和泉式部忌(いずみしきぶき)』も行われています


その際には、数々の寺宝も展示されますので

是非、足を運んでみてはいかがでしょうか?

※和泉式部忌に関しては当サイトでもレポートしています。詳しくは和泉式部忌 2012(誠心院)をご覧下さい。


ちなみに、彼女が残した数多く和歌の中から

百人一首に選ばれたのは

『あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな』

という歌です。


自らの死を予感した際に

詠んだものだそうで、

死んでしまう前に、愛する人に、もう一度だけ会いたい

と歌った、とても彼女らしい作品なんですよ。


そんな和泉式部ゆかりの場所はコチラ↓


より大きな地図で 和泉式部ゆかりの地巡り を表示

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