2017-01-11 | |
テーマ:祭り・イベント |
御田祭(大宮神社)
今回ご紹介するのは
京都府木津川市(きづがわし)吐師(はぜ)にある
大宮神社(おおみやじんじゃ)で
毎年1月11日に行われている
御田祭(おんださい)です!
大宮神社の御田祭は
新春に稲作の作業を模擬的に演じて
その年の豊作を祈願する神事なんですね
大宮神社
この豊作祈願の神事が
いつ頃から行われていたのか
起源はわかっていないそうですけれど
江戸時代の頃には、すでに行われていて
今日までに一度も途切れた話は聞いた事が無いと
神職の方がおっしゃっていました
それでは早速レポートしていきましょう
午後13時頃、大宮神社の境内に着くと
御田祭を行うと思われる宮座の男性ら十数人が
拝殿の前に集まっておられました
男性らの手には、誰ひとりもれず
剪定(せんてい)ハサミが
携えられているんですね~
神事のあらましを事前に知っていたので
剪定ハサミを持っている男性らの集団が
今回の神事に関わっている人達である事は
すぐにわかりました
何も知らない人にとっては
庭師と思っても不思議では無い装いだと思います
しばらく待っていると後からやってきた男性数人が
小走りで拝殿前の階段を上り
素早く二礼二拍手一礼のお参りをしました
そしてその男性らを待っていたかのように
十数人の男らは仮屋と呼ばれる
拝殿右手に位置する建物に移動したんですね
大宮神社の仮屋
仮屋では、宮座の男性らが左右にわかれて座り
松の枝の山が用意されています
松の枝の山
この松の枝は、神社でお正月に飾られていた
門松のものなんだそうですよ
ちなみにその頃、拝殿では白衣を着た神職2人が
神事で使う玄米を三方(さんぽう)に乗せ
本殿前に供えて二礼二拍手一礼を行っていましたよ
※三方とは、神様へのお供え物を乗せる台の事。
白衣を着た神職
その後、神職が玄米を持って仮屋へ上がると
いよいよ神事が始まります
三方に乗せた玄米を持つ神職
まずは神職の方の1人が鍬(くわ)を持って
左右に分かれた宮座の方達の前を
田を耕す所作をしながら3回まわります。
田をかじる所作
宮座の方達は『田をかじる』と言っておられ
聞いてみると『かじる』とは
『耕す』という事のようです
次にもう1人の神職の方が三方を手に取って
宮座の方達の前に玄米をバラバラと落としてまわります。
種まきを表現
これは種まきを表現しているんですね
以前は、玄米では無く
種籾(たねもみ)を使っていたそうです
その後、紅白の和紙が配られると苗松作りが始まります!
紅白の和紙
宮座の方達はそれぞれ、真ん中に置かれた
黒松と赤松の枝の山に手を伸ばして
「よーし!いいのを取るぞー!」
と意気込んで、苗松を作る為の松の枝を
確保していましたよ~
松を取っている様子
苗松作りは「おん」と呼ばれる黒松1本
「めん」と呼ばれる赤松2本で作られるそうで
冒頭で触れた剪定ハサミは、この時に
松の枝を適当な大きさに切ったりするのに
使うんですね
剪定ハサミで松を切る様子
ちなみに黒松と赤松の簡単な見分け方は
葉の先端部分がチクチクする方が黒松で
柔らかくチクチクしない方が赤松なんだそうですよ
「おん」と「めん」を束ねたものを
白い和紙で包み、その上に玄米を包んだ
赤い和紙を乗せて紐で縛り完成です
苗松作り
苗松作りでは皆さん談笑し
ああでもない、こうでもないと言いながら
1年に1度の作業を楽しんでおられる様子でした
苗松
そして、それぞれ宮座の方が苗松を作り終えると
今度は拝殿に移動し、作った苗松をお祓いします
拝殿には、『ソノイチ』と呼ばれる巫女が
神楽鈴を持って待っておられました
宮座の方達によって作られた苗松を
本殿の前にお供えすると太鼓と鐘が鳴らされて
ソノイチによる神楽が舞われます
ソノイチによる神楽
宮座の方達の後ろからでは
良く見えませんでしたけれど
神楽が舞われた後には
ソノイチが苗松を1本づつ手に取って
トントンと、苗松を床に立てる所作が
行われるそうです
その後は全員で二礼二拍手一礼をし
神事はお納めとなるんですね~♪
お祓いされた苗松
作られた苗松は宮座の方達の手に戻り
各自家に持ち帰った後、家の神棚に大切に
お供えするそうです。
そして、田植えの季節になった時に
水口に立てるんだそうですよ
という事で今回は木津川にある大宮神社で行われた
御田祭をご紹介しました
ご興味のある方は是非来年訪れてみて下さいね♪
御田祭の行われた大宮神社はコチラ↓
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