2013-05-09 | |
テーマ:お寺 |
関連:卯月八日仏舞(松尾寺) / |
松尾寺
今回ご紹介するお寺は・・・
松尾寺(まつのおでら)です
京都府北部の舞鶴市(まいづるし)にある
真言宗のお寺です。
※真言宗とは平安時代初期の僧・空海(くうかい)を祖とする宗派です。空海については東寺の記事をご覧下さい。
西国三十三所の第29番札所にもなっているお寺で
京都府と福井県の県境にある
青葉山(あおばやま)の麓に建っています
※西国三十三所とは近畿2府4県と、岐阜に点在する33箇所の観音霊場の事です。
こちらは入り口に建つ仁王門です。
石段を上がると、手前には香炉台や灯明台、奥には本堂があります。
右手には鐘楼が建っています。
ちなみに青葉山は『若狭富士』とも称される山で
若狭湾が広がる若狭地域の名山であり
シンボルとなっています。
※その光景は駿河湾を配する富士山と似ている事から、若狭富士と呼ばれているようです。
かつては、噴火を度々繰り返していたようで
直下にある若狭湾からは
水煙(すいえん・水蒸気)が上がっていたそうですよ
そして、青葉山は霊山とも言われ
修験道(しゅけんどう・山中での修行)者が数多く出入りし
戦前までは女人禁制の山であったとも言われています。
本堂手前、左手には経蔵(きょうぞう・経典の貯蔵庫)が建っています。江戸時代中期に建てられたものだそうです。
こちらは、お地蔵さんが並ぶ地蔵堂が建っています。
本堂の右手には大師堂が建っています。
本堂と大師堂を繋ぐ渡り廊下の石楠花(しゃくなげ)がちょうど見ごろでしたよ。
大師堂の奥には、鳥居が建っていましたよ。向こう側には社も見えます。
ちなみに、この青葉山は
皇族の詠んだ歌にも登場していまして・・・
「富士なくば 富士とやいわん 若狭なる
青葉の山の 雪のあけぼの」
※寺伝によると後陽成天皇の皇子と言われる八条王子によるものです。
富士山がなければ、若狭にあるこの山こそが
富士と言えるだろう。
雪のかかる青葉山から昇る太陽を見ていると
そう思えてくる。
・・といった意味でしょうか
そしてこちらが本堂です。
現在の本堂は1730年に建てられたそうです
中には本尊である
馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ)が安置されています
この観音様は
目を吊り上げ、怒りに満ちた表情をしている観音様で
頭上には小さな馬が乗っています
※この観音様は変化身(へんげしん)の1つと言われ、衆生を救う為に、姿を変えたものだそうです。
馬頭という名前から、馬頭観世音菩薩は
『馬の守護仏』として崇められ
現在は競馬場などにも祀られています。
境内には、真言宗の祖『空海』の立像も建っていました。
本堂脇には神馬の像もあります。
ちなみに、松尾寺の馬頭観世音菩薩坐像は非公開ですが
2008年には約77年ぶりにご開帳したそうですよ。
※開帳したのは2008年10月~2009年10月までの1年間でした。
ここで、松尾寺の起源についても簡単にご説明しますと
708年に中国より渡来した威光(いこう)というお坊さんが
故郷の馬耳山(ばじさん)に似た青葉山を気に入り
この地に草庵を結び
馬頭観世音菩薩を安置した事に始まります
以後、元明天皇(げんめいてんのう)によって
お堂が建てられたと言われています
ちなみに松尾寺では
毎年5月8日に行なわれる仏舞(ほとけまい)が有名で
大日如来・釈迦如来・阿弥陀如来の面をつけた
6人のお釈迦様が、雅楽『越天楽』に合わせて優雅に舞うんですよ。
※詳しくは卯月八日仏舞 2013(松尾寺)の記事をご覧下さい。
という事で、今回は松尾寺をご紹介させていただきました。
場所はコチラ↓
大きな地図で見る Tweet
雑談掲示板 新着