今回ご紹介するのは
京都市伏見区の醍醐寺(だいごじ)の
境内にある理性院(りしょういん)です!
理性院は、平安時代の1115年(永久3年)に
醍醐寺の僧であった理性房賢覚(げんかく)が
父の賢円(けんえん)の住房
(じゅうぼう:日常生活の部屋)に
仏像を安置したことに始まるそうです
真言宗醍醐派のお寺になります
第57回「京の冬の旅」理性院の看板
通常は非公開のお寺なんですけれど
第57回「京の冬の旅」で
特別公開されていましたよ~
別格本山理性院と書かれています。
それでは早速、中に入っていきましょう
理性院の山門
山門をくぐって目の前に現れるのは
千体地蔵(せんたいじぞう)です。
理性院の千体地蔵
この地蔵は先代の住職が
少しづつ集められたものだそうです。
それにしてもすごい数のお地蔵さんですよね♪
中にはお猿さんもいました
理性院のお猿さん
毎年10月の第3日曜日には
千体地蔵供養が営まれ、新しい涎(よだれ)掛けが
奉納されるそうです
中門をくぐって中に入ると
客殿と本殿が目の前にあります。
理性院の客殿
参拝する際には、客殿から中へと入ります。
客殿の中には、江戸狩野派の礎を築いた
狩野探幽(かのうたんゆう)が18才の頃に描いたとされる
障壁画「水墨山水図(すいぼくさんすいず)」がありました
理性院の障壁画「水墨山水図(すいぼくさんすいず)」
探幽が10代の頃の作品は、ほとんど残っていないので
とても貴重なものだそうです
探幽は16才の時に江戸幕府の御用絵師になり
若くして才能を開花させた絵師でした。
ちなみに水墨画というのは
鎌倉時代の終わりから室町時代にかけて
宋や元から禅宗とともに伝わった
墨の濃淡のみで描く独特の絵のことなんですね
探幽が描いたこの水墨山水図は
琴棋書画(きんきしょが)をモチーフに
描かれたものなんだそうですよ。
琴棋書画とは、古代中国の文人等がたしなむ
4つの芸術のことで、具体的には
琴を弾くこと、囲碁を打つこと
書を書くこと、絵を描くことを指します
先程の写真をアップにすると
琴を弾いている様子や
囲碁を打っている様子が伺えます。
そして、客殿から本堂へと進んでいきます。
本堂内での撮影は残念ながら禁止されていましたので
写真でご紹介することが出来ないんですけれど
不動明王坐像や毘沙門天立像を見ることが出来ました。
理性院の本堂
ちなみに理性院の本堂には
80年に1度しか見ることが出来ない秘仏である
ご本尊「大元帥明王(だいげんすいみょうおう)」が
安置されています
80年毎のご開帳ですから
タイミングが合っても人生で1度しか
見ることが出来ないですね
大元帥明王は体に蛇を巻き付け
憤怒の表情をした明王で
外敵を退け、国を守る力があるとされ
古くから祈願の対象とされてきました
最後に紹介するのは、歓喜天(かんきてん)が
祀られている聖天堂(しょうてんどう)です。
理性院の聖天堂
歓喜天は、男天と女天の2体が抱き合った双身像で
頭が象の形をした象頭人身の姿をしています
ということで、今回は醍醐寺の
境内塔頭である理性院をご紹介しました
理性院の場所はコチラ↓