今回ご紹介するのは

京都府京田辺市宮津(きょうたなべしみやづ)の

宮ノ口地区と江津(えっつ)地区で行われた

おんごろどんです


おんごろどん


「おんごろ」とは、土竜(モグラ)の事で

年始めに田の畦(あぜ)を荒らす

土竜を追い払って豊作を祈願する

土竜送りの行事をこの辺りでは

おんごろどんというんですね

※畦とは、水田を囲む泥土で作った堤(つつみ)のことです。主に水が外に漏れないようにするために作られます。


約500年前から行われている伝統行事で

地域の小学生の男の子らによって

毎年小正月(こしょうがつ)より前の

日曜日の夜に行われているんですよ


おんごろどんのお知らせの紙

おんごろどんのお知らせの紙


ちなみに小正月というのは

1月1日の元日を大正月

呼ぶのに対してできた

正月15日のことです


それでは早速、レポートしていきましょう

午後17時頃、京田辺市の宮津に着くと

どこからともなく子供たちの声が聞こえてきます!


おんごろどんおんごろどん

おんごろどんは、うちにか

よこづちさんのおんまいじゃ

おおまけ、おまけ

もひとつおまけにどん

もひとつおまけにどん

もひとつおまけにどん


声のする方向へ行ってみると・・・

やってましたやってました!

大きな声で子供たちが土竜を追い払っています


おんごろどんの様子

おんごろどんの様子


子供たちが手に持っているのは

横槌(よこづち)と呼ばれる

藁(わら)に縄を巻いた約90センチの藁棒です


横槌

横槌


この日の朝に子供たちが自作したもので

代々お年寄りから作り方が伝えられているそうです。


この横槌で地面を叩きながら先ほどの

モグラうちおくりの歌を唱えて

宮ノ口地区江津地区の約170件の各家を

2班に分かれ、土竜を追い立てて回るんですね


ここでモグラうちおくりの歌の歌詞を

もう一度よく見てみますと・・・


おんごろどんおんごろどん

(モグラ、モグラ)

おんごろどんは、うちにか

(モグラは家にいるのか)

よこづちさんのおんまいじゃ

(横槌さんのお見舞いじゃ)

おおまけ、おまけ

(おまけ、おまけ)

もひとつおまけにどん

(もう1つおまけ)

もひとつおまけにどん

(もう1つおまけ)

もひとつおまけにどん

(もう1つおまけ)


ちゃんと歌詞を見てみると

土竜を追い立てる歌であることが

わかりますね~


→動画


そして、家の方では子供らが来ると

「ごくろうさま」と言って

ご祝儀を渡しておられました


中には、子供らの声が

まだ遠くから聞こえているうちから

家の外で待っている方もおられて

おんごろどんが、この地域で

とても大切にされていると感じました


その後、20時半頃に各家を回り終えると

2班に分かれていた子供たちが江津公民館に集合し

近くの正福寺で最後の土竜送りをします。


正福寺

正福寺


その後、再び江津公民館に戻り

おんごろどんの行事はお開きとなります。


江津公民館

江津公民館


ちなみにおんごろどんで使われた横槌は

小正月の日にとんどで一緒に

お焚きあげするそうです


とんどとは、お正月にお迎えした

歳神様(としがみさま)を

門松や注連縄(しめなわ)等の正月飾りと一緒に

火床で炊き上げて元の神座(かみざ・場所)へ

お帰り頂くとともに五穀豊穣(ごこくほうじょう)や

無病息災等を祈願するというものです


という事で今回は、京田辺市宮津の

宮ノ口地区、江津地区で行われている

伝統行事おんごろどんをご紹介しました。

ご興味のある方は是非訪れてみて下さいね


おんごろどんを行う際の集合場所の

江津公民館の場所はコチラ↓

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